インプラント治療はどんなメリットがありますか?

インプラントという言葉をここ数年耳にすることが多くなったり、周りにインプラント治療をしたという方もいるのではないでしょうか?

「インプラントは良い」と耳にするけど本当?と思う方のために、今回はインプラントのメリットについてお伝えします。

インプラントとは

インプラントのメリットをお伝えする前に、まずはインプラントについて簡単に説明します。
インプラントは人工歯根と呼ばれていて、失った歯の代わりに金属(おもにチタン)のネジのような「インプラント体」を顎の骨に打ち、連結部分となる「アバットメント」を入れて、被せものに当たる「上部構造」が入る3層構造でできています。

インプラントの入れ歯の場合は、アバットメントが磁石タイプやロケーターと呼ばれる歯ぐきから少し出た固定源を使い、「インプラントオーバーデンチャー」という入れ歯を作ることもできます。

インプラント治療の流れ

顎の骨にインプラント体を打ち込むので手術という扱いになりますが、大学病院などの大きい病院に行かなくても街の歯科医院でも行えます。虫歯治療のときと同じ麻酔薬ででき、処置時間は1〜2時間、長くても3時間あれば終わるケースがほとんどです。
その後は、インプラント体が顎の骨と結合するのを待つために、下顎は3ヶ月、上顎だと6ヶ月、間隔を空けます。

この期間は多少前後しますが、この結合を待たずに治療を進めてしまうと、インプラント治療が失敗してしまう確率が高くなってしまいます。
インプラントと骨がしっかり結合して定着した後にアバットメントを入れて、上部構造または入れ歯を入れるための型取りをしていきます。
できあがった上部構造、入れ歯の噛み合わせなど調整するまでがインプラント治療の流れになります。

インプラントのメリット

歯を失った場合の治療法はブリッジや入れ歯もあり、それぞれメリットもありますが、インプラントの利点もたくさんあります。
インプラントのメリットについて、一つずつお伝えしていきます。

しっかり噛めて食事を楽しめる

インプラントは人工歯根で、顎の骨にしっかり埋まっているので、グラグラと揺れたり浮き沈みもなく、ご自身の歯と同様にものをしっかりと噛むことができます。
歯を失ってから片側ばかりで食事をしていた方も、インプラント治療では噛み合わせをしっかり調整するので、左右両方でバランスよく噛むことができるようになります。
インプラントにしてからナッツなどの固いものやお肉もしっかり噛めて、何でも食べれて食事が楽しいという声をよく聞きます。

インプラントを使用した入れ歯の場合も、通常なら上顎や下顎を覆って安定性を高めますが、インプラントを使用する方法であれば入れ歯自体を小さくでき、入れ歯で覆われる面積が減るため、味覚や温度を感じられて食事が美味しく味わえます。

自信をもって笑顔になれる

インプラントの上部構造は基本的にセラミックを使います。色はもちろん形もご自身の歯と遜色ないので、大きく口を開けて笑ったとしても治療の跡が目立ちにくく自然な印象です。

また、インプラントを使用した入れ歯の場合は金具を使わないため、一般的な入れ歯と異なり口を動かしただけでカタつく、外れるということがないため、機能面でも優れています。

取り外す面倒がない

上部構造はネジ式またはセメントでしっかりと固定するので、歯科医院でのクリーニングや不具合があった時以外は取り外しません。
ですので、部分入れ歯のように毎食後に外すことはありません。
インプラントを使用した総入れ歯の場合は、食事をすると汚れが入れ歯と歯ぐきの隙間に入るので毎食後外すことが衛生的には良いですが、通常の入れ歯より汚れが入りにくいのがメリットです。

自分の歯にかかる負担が減って長持ちする

1本でも歯を失うと、その歯をカバーするために残っている歯に負担がかかります。その負担が蓄積すると、歯の寿命が短くなってしまいます。
しかし、失った歯の所にインプラントを入れることで負担は分散され、ご自身の歯が長持ちします。

隣の歯を削る必要がない

ブリッジの場合は両隣の歯を削り、部分入れ歯の場合も金具をかけるスペースを作るために削り込みをします。
そうすると、両隣の歯には削ったダメージがどうしても出てしまいます。
しかし、インプラントは失った歯の所に埋め込むものなので、両隣の歯を一切削らずに入れることができます。

発音に支障がなく会話を楽しめる

通常の入れ歯ですと「さ行」「た行」「ら行」が発音しにくいという声をよく聞きます。
しかしインプラントオーバーデンチャーはサイズが小さく発音もしやすいと言われています。

インプラントは虫歯にならない

インプラントは上部構造はもちろん、根っこも人工物のため、どの部分も虫歯になって治療をするということはありません。
だからといって、歯磨きを怠ると「インプラント歯周炎」になってしまうので気をつけましょう。

まとめ

インプラントは良いと聞くけど、どんな所にメリットがあるかお分かりいただけたでしょうか?
保険治療ではないため費用はかかりますが、食事が楽しめる、健康な両隣の歯を削らないといった点は、大きなメリットと言えるでしょう。
今回はメリットを中心に解説しましたが、インプラントにももちろんデメリットがあります。たとえば、外科的治療を伴うため、糖尿病や心臓病といった持病があるとインプラントができない場合などです。

メリット・デメリットをきちんと理解し、歯を失った場合の治療法の一つとしてインプラントを検討してみてはいかがでしょうか。