子どもの矯正はどんな方法がありますか?

「子どもの歯並びが気になるけど、矯正ってどんなことをするの?」「乳歯のうちから矯正って必要なの?」など、
お子さんの歯並びが気になり、矯正を考えている親御さんはいらっしゃいませんか?

お子さんの歯の矯正について気になってはいるものの、疑問や心配があり、なかなか治療にふみきれない親御さんも少なくないと思います。

今回は、子どもの矯正についてお話していきます。
お子さんの矯正を考えている親御さんはぜひ参考にしてください。

矯正をしないとどんな影響がある?

歯並びが気になっていても、歯列矯正を行わずそのままにしておくと、どんな影響があるのでしょうか。

むし歯、歯周病になりやすい

歯並びが整っていないと

  • 歯と歯が重なっている箇所などがみがきにくくなる
  • 噛み合わせが悪くなり、しっかりと噛めない

などが原因で食べかすが残りやすくなり、むし歯や歯周病の原因になります。

見た目のコンプレックスを抱えてしまう

子どものうちは歯並びのことでからかわれたり、悪気はなくても心無い言葉をいわれてしまったりするかもしれません。

成長するにつれ、そのことが原因で人前で堂々と笑えなくなったり、自分に自信が持てなかったり、気持ちの面で影響がでる場合もあります。

歯ぎしりをする可能性が高くなる

歯並びが整っていないことで、噛み合わせがうまくいかず、歯ぎしりの原因となることがあります。
歯ぎしりは睡眠時に無意識のうちにしてしまうので、自分で気にしたりやめたりすることは難しいです。
歯ぎしりが強くなると歯への負担が大きくなり、歯が欠けたり、顎関節症になるリスクもあるので、注意が必要です。

子どものうちに矯正するメリット、デメリット

では、矯正を子どものうちにするメリットやデメリットはどのようなものでしょうか。
メリット、デメリットをしっかり知ったうえで矯正を行うかどうか検討しましょう。

子どものうちに矯正するメリット

  • 歯並びが悪いことによる発音の改善
  • 見た目によるコンプレックスを防げる
  • 永久歯の歯並びの悪化を防ぐ
  • むし歯や歯周病を予防できる
  • あごや顔のバランスを整える

子どものうちに矯正するデメリット

  • 歯根吸収の可能性がある
  • 治療期間が長くなる場合がある
  • 再治療が必要な場合がある
  • お子さんの協力がないと結果がでにくい

子どもの矯正方法

子どもの矯正は第1期と第2期に分かれ、治療法が異なってきます。

それぞれどのような治療法があるのか解説していきます。

第1期治療

3歳〜12歳ころ(乳歯のみ、または乳歯と永久歯が混在している状態)に行う治療です。

この期間の治療は主にあごの成長を促進または抑制する、永久歯をきれいにそろえる土台をしっかりと作る治療になります。

装置の種類~取り外しができるもの

  • 床矯正・プレート

あごが小さく、歯が並ぶスペースがない場合に行う治療法です。
あごの骨に負荷をかけて少しずつあごを成長させ、歯列の幅を広げていきます。

  • バイオネーター

噛むときの筋肉の動きを利用し、下あごの成長を促し、あごの噛み合わせを整えます。

  • リップバンパー

唇やまわりの筋肉の力が強く、前歯が内側に入ってしまっている状態の治療に使用されます。
唇やまわりの筋肉が触れなくなることで、力がかかるのを抑えるしくみです。

  • 透明マウスピース(インビザラインなど)

歯の形に合わせた透明なマウスピースを、一定期間ごとに付け替えて歯並びを矯正します。
金属を使用しないので、金属アレルギーをお持ちのお子さんでも使用できますが、骨格やあごの状態などで使用できない場合があります。

装置の種類~取り外しができないもの

  • リンガルアーチ

乳歯が抜けたスペースに隣の歯が移動する習性があるため、永久歯が生えるスペースを確保し、整った歯列を作ります。

  • 固定式拡大装置

奥歯に器具を固定し、歯列を後ろや横に動かします。
いくつかの種類がありますので、矯正する箇所によって使い分けます。

  • 急速拡大装置

あごの骨が小さく、歯が並ぶスペースがない場合に、短期間でスペースを広げる装置です。
使い方を間違えると歯が抜けてしまう場合があるので、歯科医師の指示をしっかりと守るよう注意が必要です。

装置の種類~あごに固定するもの

  • ヘッドギア

口の中に固定した器具に装置とゴムをつけ、頭または首に回したバンドを引っ掛けて使用します。
上あごを後ろに引っ張り、成長を抑える効果があるため、上あごが大きくでっ歯になっている場合などの治療に使用します。

  • チンキャップ

下あごの成長を抑える装置です。
下の前歯が上の前歯よりも前にでてしまう反対咬合(受け口)の治療に使用されます。

第2期治療

12歳〜成人(全て永久歯に生え変わってからの状態) に行う治療法です。

この期間の治療は主に歯並びや噛み合わせを整える治療になり、大人の矯正治療法と同じになります。

ワイヤー矯正(表側矯正)

歯の表側にブラケットと呼ばれる装置をつけ、そこに細いワイヤーを通して矯正します。
歯の矯正というと真っ先にイメージされるのがこのタイプです。

ワイヤーが目立ってしまうデメリットがありますが、最近はセラミックなどの目立ちにくいものもありますので、治療中の見た目が気になる場合は歯科医院に相談しましょう。

ワイヤー矯正(裏側矯正)

ブラケットとワイヤーを歯の表側ではなく、裏側に装着します。
正面からは見えにくいですが、角度によっては見えてしまう場合がありますし、裏側に装着するのでドクターの技術も重要になってきます。

マウスピース矯正

歯の一本一本にしっかりと合うようにカスタムメイドされたマウスピースを装着する方法です。透明なマウスピースを使用しますので、ほとんど目立つことなく矯正することができます。

まとめ

いかがでしたか?
今回は子どもの歯の矯正についてお話してきました。

矯正はどの方法も器具を装着しなければならないので、少なからずお子さんに負担がかかってしまいます。
ドクターと相談のうえ、できるだけ負担のかからないような治療法を選ぶことも大切です。
また、矯正期間中は親御さんのサポートも欠かせません。
せっかく始めた矯正治療を途中でやめてしまった・・・、なんてことにならないよう、信頼できるドクターのもとで、お子さんと親御さんが二人三脚となり、治療完走を目指していきましょう。