インプラントのAll-on-4,6（オールオン4,6）はどのような治療ですか？

歯を失ったときの治療法のひとつにインプラントがあります。
失った歯が1〜2本程度であれば、ブリッジの治療法も選択できますが、それ以上になると、インプラントか入れ歯での治療になります。

インプラントの中でも、All-on-4,6（オールオンフォー、シックス）という治療法があるのをご存知でしょうか。
あまり聞きなれない言葉かと思いますが、多くの歯を失ったときには非常に有効的な治療法になりますので、知っておくとよいでしょう。

今回は、All-on-4,6のメリットとデメリット、入れ歯との違いについて解説していきます。
All-on-4,6のことを知っておけば治療法の選択肢が広がるので、ぜひご参考にしてください。

インプラントAll-on-4,6とは？

まずは、All-on-4,6とはどのような治療法なのか解説していきます。

これまでは、多くの歯を失ったときは入れ歯が主な治療法でした。
しかし、近年は入れ歯よりもメリットが大きいインプラントを選択する方も増えてきました。

All-on-4,6は4〜6本のインプラントで12本の繋がった人工歯を入れる治療法です。
骨のある部分に向かって斜めにインプラントをいれることで、4～6本の少ない本数でも全体の歯を支えることができます。

従来のインプラントと見た目や噛む力など同等ですが、本数が少なく済むため、治療費や身体への負担をできるだけ抑えることがでます。

インプラントAll-on-4,6のメリット・デメリット

どのような治療法にも必ずメリットとデメリットは存在します。
All-on-4,6のメリット、デメリットをみてみましょう。

メリット

• ズレたりはずれたりしない
  あごの骨にインプラントを埋め込み、しっかりと固定するため、ズレたりはずれたりする心配がありません。
  人前でも歯がズレたりはずれたりを気にすることなく、食事や会話を楽しむことができます。
• 当日に仮歯を装着できる
  通常のインプラントであれば人工の歯を装着するまで3〜6ヶ月ほどかかりますが、All-on-4,6であれば手術当日に仮歯を装着することができます。
• 身体への負担を抑えることができる
  通常のインプラントは1本の歯に対して1本のインプラントが必要になり、その本数が多いほど身体への負担も大きくなります。
  しかし、All-on-4,6は12本の歯を4本、もしくは6本で支えるので手術の時間も短くなり、身体への負担を抑えることができます。
• 天然の歯に近い噛み心地
  人工の歯がインプラントでしっかりと固定されているため、噛んだときの刺激が骨に直接伝わり、温度や味も感じとれます。

デメリット

• 残っている歯があれば抜歯をしなければならない
  通常のインプラントであれば、失った歯の部分にだけインプラントをすればよいのですが、All-on-4,6は歯が1本もない症例が対象となりますので、残っている歯の状態があまりよくなければ、全て抜くことになります。
• 高度な技術が必要
  インプラントという言葉が浸透しているように、インプラントの治療を受けられる歯科医院は増えてきました。
  しかし、All-on-4,6は高度な技術や設備を必要とするため、限られた歯科医院のみの治療になります。
  近隣の歯科医院では探すのが難しい地域もありますので、場合によっては、県外の歯科医院まで通院しなければならないでしょう。

インプラントAll-on-4,6と総入れ歯の比較

All-on-4,6と同じように多くの歯を失ったときに行われる治療法として入れ歯があります。
今回は歯をすべて失った時に入れる総入れ歯とメリット、デメリットを比較してみましょう。

総入れ歯と比較したメリット

• 痛みや違和感がでにくい
  総入れ歯はズレたときに痛みがでますが、All-on-4,6はインプラントでしっかり固定されているため、ズレることがなく、それに伴う痛みもでません。
• しっかりと噛める
  総入れ歯は入れ歯が歯ぐきを支えにしているため、噛む力が非常に弱く、硬い食べものなどは噛むことが難しいです。
  All-on-4,6は人工の歯とインプラントがしっかりと固定されているため、天然の歯と同じような感覚で食事を楽しむことができます。
• 若返りの効果が期待できる
  総入れ歯はあごの骨がやせていく傾向があり、しわやたるみの原因となり口元の老化が進んでみえてしまいます。
  All-on-4,6は天然の歯と同じように噛むことができるため、あごの骨がやせていくのを抑えることができます。
  また、見た目がきれいなことや、入れ歯を気にせず食事や会話を楽しめることも、明るく前向きな気分にさせてくれます。

総入れ歯と比較したデメリット

• 治療費が高い
  総入れ歯は保険適用のものがありますが、All-on-4,6は基本的に自費診療です。全額自己負担になり、治療費が高額になってしまいます。
• 外科手術が必要になる
  All-on-4,6はインプラントをあごの骨に埋める外科手術が必要になるため、身体の状態によっては使用できない方もいます。総入れ歯は外科手術の必要がないため、治療による身体への負担はAll-on-4,6よりも軽減されます。
• 治療が適用できない場合がある
  全身の健康状態や、あごの骨の状態によっては希望してもAll-on-4,6を受けられず、他の治療法を選ぶことになる場合があります。
  一方、総入れ歯はほとんどの人が適用になります。

まとめ

いかがでしたか。
今回はAll-on-4,6について解説してきました。
多くの歯を失ったときには非常に有効的な治療法であることがわかりましたね。

総入れ歯と比較してもメリットも多いのですが、費用の面で高額になってしまう可能性が高いです。

インプラントはよく知らないと不安も多い治療になります。
しかし、説明をよく聞き、不安なことはすぐ相談するなど、納得して治療できれば安心して長く使えるものです。

治療後も自分の歯のように食事を楽しみたい、できるだけ治療費はかけたくないなど、長期的な希望や費用に対する要望はしっかりドクターに伝え、最適な治療法を選択しましょう。