歯周病はどうすれば治すことができますか?
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「どうすれば歯周病は治るのか」です。
歯周病は虫歯同様に口の中の代表的な病気ですが、治療方法は全く異なります。
虫歯の場合は歯を削って詰め物で処置するのが基本ですが、
歯周病は歯ではなく歯の骨の病気であり、歯を削っても治すことができません。
そこで、ここでは歯周病の治療方法について解説していきます。
歯周病は3つの進行度に分けられる
歯周病とは別に、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
これらの病気は歯周病とイコールであり、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏を全てひっくるめて歯周病と呼びます。
それぞれの病名の違いは、歯周病の進行度の違いを意味しているのです。
- 「歯肉炎=初期段階の歯周病」
- 「歯周炎=中期段階の歯周病」
- 「歯槽膿漏=重度段階の歯周病」
このようにイメージすると分かりやすいでしょう。
つまり、歯科医院で歯周炎と診断された人は、中期段階の歯周病ということになります。
そして、それぞれの段階において治療方法が異なってくるのです。
初期段階の歯周病
初期段階の歯周病を治すためには、歯石の除去とプラークコントロールを行います。
歯石の除去
歯石とはプラークが石灰化したもので、歯と歯の間などに付着している白い塊です。
プラークは歯磨きで除去できますが、歯石は歯磨きで磨いても除去できないため、
歯科医院で専用の医療器具を使って除去します。
プラークコントロール
「プラークを効率良く除去すること」「プラークの発生を防ぐこと」が該当し、
例えば毎日の歯磨きや食生活の改善などが挙げられます。
この内容から分かるとおり、プラークコントロールは医師ではなく患者さん自身で行うものです。
これらは初期段階の歯周病の治療方法であると同時に、歯周病治療の基本です。
そのため、中期段階・重度段階の歯周病においても行うことになります。
中期段階の歯周病
初期段階の歯周病に対しては、初期段階同様の方法で歯石を除去できない可能性があります。
歯周病になると歯と歯肉の境目に溝(歯周ポケット)ができますが、
歯周ポケットの溝の深さは一定ではなく、歯周病の進行度に比例して深くなっていくのです。
そして、歯周ポケットにはプラークや歯石が溜まるため、治療時にはこれらを除去しなければなりません。
しかし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなることで、医療器具が届かないことがあるのです。
その場合、外側から歯周ポケットの清掃ができないため、フラップ手術を行って対処します。
具体的には、歯肉を切開して歯根を露出させ、歯周ポケットを直接露出させて清掃するのです。
つまり、歯周病は中期段階まで進行することで、大きな治療が必要になってしまいます。
重度段階の歯周病
歯周病が重度段階まで進行している場合、広範囲にわたって歯槽骨が溶かされているため、
歯は支えを失ってグラグラと不安な状態になっています。
そのため、歯周病を治療しても歯を残せない可能性があり、その場合は抜歯の処置が必要です。
抜歯によって歯を失うため、その後は人工の歯で対処することになります。
選択肢としては入れ歯・ブリッジ・インプラントといった方法がありますが、
それぞれメリット・デメリット含めた特徴が異なるため、慎重に判断しなければなりません。
歯周病の有無の自己診断
歯周病は目立った自覚症状がないため、発症してもなかなか気づかない病気です。
そのため、いつの間にか進行してしまうケースが多く、歯周病は「静かなる病気」とも呼ばれます。
そこで、歯周病の有無を知るための簡単な自己診断の方法を紹介します。
- 歯肉が腫れている、変色している
- 歯肉に触れた時に張りがない
- 歯肉がムズムズする
- 食事や歯磨きの時に歯肉から出血する
- 歯石がある
- 口臭がある
- 口の中がネバネバする
- 歯が長くなって見える、もしくは歯肉が下がって見える
- 歯が動く
- 嚙み合わせた時に歯が痛む
これらの中で一つでも該当する項目のある人は、歯周病になっている可能性があります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、どうすれば歯周病は治るのかについてまとめます。
1. 歯周病は3つの進行度に分けられる :初期段階・中期段階・重度段階に分けられ、それぞれ治療方法が異なる
2. 初期段階の歯周病 :歯石の除去・プラークコントロール
3. 中期段階の歯周病 :歯石の除去が医療器具で困難な場合、歯肉を切開する手術を行って対処する
4. 重度段階の歯周病 :歯槽骨の状態によっては歯を残せず、抜歯が必要になる可能性もある
5. 歯周病の有無の自己診断 :歯肉が腫れている、変色しているなどに当てはまる人は、歯周病の可能性がある
これら5つのことから、どうすれば歯周病は治るのかについて分かります。
歯周病は歯を失う要因の最上位に挙げられていますし、
初期段階の歯周病…すなわち歯肉炎に至っては小さな子どもでも発症します。
そのため、例え若い人でも歯周病は無関係の病気ではなく、
歯を守るためには虫歯同様、歯周病も徹底予防を心掛ける必要があります。