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ホワイトニングするなら、ホワイトニング歯磨き粉で歯磨きすれば良いですか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯科治療のホワイトニングとホワイトニング歯磨き粉」です。
歯科治療のホワイトニングは審美治療であり、そのため健康保険は適用されません。

ですから、市販のホワイトニング歯磨き粉を使おうと考える人もいるのですが、
実際には歯科治療のホワイトニングとホワイトニング歯磨き粉は全くの別物です。
結論から言うと、ホワイトニング歯磨き粉でいくら歯を磨いても、変色した象牙質は白くなりません。

歯の変色のパターン

「歯が変色している」と言っても、それには3つのパターンが考えられます。

パターン1. 歯の表面のみ変色している

元々の歯は白いが、表面のみコーヒーやワインなどによって着色している

パターン2. 歯自体が変色している

象牙質が変色しており、例えば歯全体が黄色いなどの場合はこれに該当する

パターン3. 歯自体が変色しており、なおかつ歯の表面も着色している

「パターン1」と「パターン2」の両方が起こっている状態

…この中で最も対処しやすいのは、「パターン1」になります。
何しろ元々の歯は白く、例えるならこれは綺麗な服に汚れが付着した状態です。
汚れを除去すれば再び綺麗な服に戻りますから、それなら服を洗えば解決するでしょう。

一方で難しいのは「パターン1」と「パターン2」であり、
この場合は服そのものが変色してしまっているため、いくら洗っても色は元どおりになりません。
まず、歯の変色にはこれら3つのパターンがあることを覚えておきましょう。

ホワイトニング歯磨き粉で対処できるケース

上記のパターンで当てはめると、ホワイトニング歯磨き粉で対処できるのは「パターン1」のみです。
「パターン1」の場合、変色しているのは歯の表面のみであり、歯の表面なら歯磨きできますからね。
一方、「パターン2」と「パターン3」は対応できず、なぜなら象牙質は歯の表面の奥にあるからです。

歯の表面にあるのはエナメル質、そして象牙質はその奥にあるのです。
どの角度から磨こうと、歯磨きで磨けるのはあくまで歯の表面のみになりますから、
象牙質が変色している場合はホワイトニング歯磨き粉では対処できないのです。

象牙質の変色に対応するには

ホワイトニング歯磨き粉では象牙質の変色には対処できず、それが可能なのは歯科治療のホワイトニングです。
最も、歯科治療のホワイトニングでも実際に象牙質を白くするのは不可能であり、
「白く見せている」が正確な表現です。そこで、歯科治療のホワイトニングの仕組みを解説します。

歯の表面にはエナメル質がありますが、エナメル質は透明であり、
なおかつ構造的にその奥の象牙質をそのまま映してしまいます。
つまり、エナメル質は透明ガラス状態だと解釈してください。

歯科治療のホワイトニングで使用する薬剤では、エナメル質の構造を変化させられます。
これによって透明ガラス状態のエナメル質は曇りガラス状態へと変化するため、
変色した象牙質が映らないようエナメル質にマスキング効果が備わるのです。

さらに、構造変化したエナメルは形状的に光を乱反射させ、それは人の目から白く映ります。
このため歯は白く映るように、つまり歯を白く見せるのが歯科治療のホワイトニングの仕組みです。
薬剤によって歯の表面は無色透明になるため、もちろん歯の表面の着色や汚れも除去できます。

歯科治療のホワイトニングでも対処できないケース

歯科治療のホワイトニングでも、次のケースには対応できません。

テトラサイクリンで変色した歯

抗生物質であるテトラサイクリンの影響で変色した歯は、ホワイトニングをしてもほとんど白くなりません。
最も、ホワイトニングが不可能というわけではないため、重ねて行えばある程度の効果はあるでしょう。
それでも白くなる見込みがない場合、歯を白く塗るホワイトコートでの対応となります。

神経を失った歯

虫歯の進行で神経を失った歯は黒く変色し、見た目だけでなく健康状態にも問題があります。
この場合もホワイトニングでは対応できず、ホワイトコートでの対応となるでしょう。
ここまでになると歯がボロボロになっている可能性が高く、セラミックの被せ物での対応も考えられます。

人工の歯

例えば、銀歯やレジンを白くしたいと考えるケースです。
人工の歯はホワイトニングでは対応できず、例え何度重ねても白くなりません。
この場合、セラミック治療によって人工の歯の素材をセラミックすれば白くできます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯科治療のホワイトニングとホワイトニング歯磨き粉についてまとめます。

1. 歯の変色のパターン :「表面のみ変色」、「象牙質が変色」、「表面と象牙質が変色している」の3パターン
2. ホワイトコート歯磨き粉で対処できるケース :「表面のみ変色」のパターンのみ
3. 象牙質の変色に対応するには :歯科治療のホワイトニングを行う
4. 歯科治療のホワイトニングでも対処できないケース :テトラサイクリンの影響で変色した歯など

これら4つのことから、歯科治療のホワイトニングとホワイトニング歯磨き粉について分かります。
考えてみれば当然のことですが、歯磨きで磨けるのは歯の表面のみになります。
つまり、ホワイトニング歯磨き粉で対処できるのは歯の表面の着色や汚れのみであり、
象牙質の変色を白く見せられる歯科治療のホワイトニングとは全くの別物ということが分かるでしょう。