歯周病は生活習慣によって発症しやすくなると聞きました
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病は生活習慣病」です。
歯周病には様々な表現の仕方があり、「静かなる病気」や「国民的病気」などと呼ばれます。
そしてもう一つ、歯周病は「生活習慣病」とも呼ばれており、
文字どおり日常生活の中に発症の要因がいくつも潜んでいるのです。
そこで、歯周病の発症のリスクに関係する生活習慣について解説していきます。
生活習慣は人それぞれ全く違うものの、歯周病の要因は例外なくその生活習慣に潜んでいるのです。
免疫力の低下が歯周病を招く
身体の免疫力が低下すると細菌に感染しやすくなりますが、これは歯周病においても言えることです。
何しろ、歯周病も歯周病菌に感染することで起こり、つまり細菌による感染症の一種だからです。
このため、身体の免疫力が低下している人は歯周病が発症しやすいということになります。
そこで問題となるのが免疫力低下の原因ですが、これは食生活の乱れによる偏った栄養バランス、
睡眠不足や仕事による疲労やストレスなどが挙げられますね。
つまり、食生活に問題がある人、疲労やストレスが溜まっている人は歯周病が発症しやすくなります。
喫煙が歯周病を招く
喫煙は身体に様々な害をもたらしますが、口の中の健康においても同様に害をもたらします。
タールによってプラークが付着しやすくなり、ニコチンによって免疫力が低下する、
こうしたことから、喫煙する人に歯周病が発症するリスクはそうでない人の5倍以上にもなるのです。
また、喫煙している人は歯周病が発症しても歯肉の腫れなどが見た目上抑えられてしまいます。
このため歯周病の発症自体に気づきにくく、そのせいで歯周病が重症化しやすい傾向もあるのです。
最も、喫煙している人でも禁煙すればその効果は高く、歯周病になるリスクは4倍低下させられます。
食事の仕方が歯周病を招く
食事の仕方とは、具体的に「噛むこと」を意味します。歯周病の原因菌が口の中に存在するのは稀ではなく、
それでもすぐに感染しないのは唾液が歯周病の原因菌を流してくれるからです。
つまり、唾液には細菌を流す自浄作用の効果と役割があります。
そんな唾液が多くの出るのは食事の時で、噛めば噛むほど唾液の分泌は高まるでしょう。
しかし、あまり噛まずに食事する、噛む回数が少なくてすむやわらかいものを好んで食べる、
こうした食事の仕方は唾液の分泌が高まらず、歯周病の原因菌を充分に流せなくなってしまいます。
歯磨きの仕方が歯周病を招く
歯周病予防の基本は毎日の歯磨きで、これは虫歯においても同じことが言えますね。
ただしこの場合、「1日〇回歯磨きした」という回数はあまり関係なく、それ以上に重要なのが精度です。
例え何回歯磨きしても、その歯磨きの精度が低ければ磨き残しが多くなって予防効果は半減してしまいます。
ここで問題なのが、ブラッシングのみで歯磨きをすませてしまうケースでしょう。
余程高い技術がない限り、ブラッシングのみの歯磨きでは4割のプラークを磨き残してしまい、
歯周病予防の効果を得られる歯磨きをするには、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が必要です。
唾液の接触が歯周病を招く
歯周病は人から人へとうつる病気で、正確には歯周病の原因菌が人から人へと移動するのです。
その手段は唾液を介すことで、例えば歯ブラシの接触や回し飲みなどが挙げられます。
さて、あなたの家族は全員が歯周病予防を徹底しているでしょうか。
仮にそうでなかった場合、家族の誰かに歯周病が発症している可能性は充分にありますし、
歯周病が発症している人と唾液を介すことで、その人の持つ歯周病の原因菌をもらってしまうことがあります。
これは、特に歯周病の母子感染として問題とされているケースです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病は生活習慣病についてまとめます。
1. 免疫力の低下が歯周病を招く :身体の免疫力が低下することで、歯周病の原因菌に感染しやすくなる
2. 喫煙が歯周病を招く :喫煙している人が歯周病になるリスクは、そうでない人に比べて5倍以上になる
3. 食事の仕方が歯周病を招く :よく噛まない人は唾液の分泌が促進されず、歯周病の原因菌が停滞する
4. 歯磨きの仕方が歯周病を招く :精度の低い歯磨きは磨き残しが多く、歯周病の充分な予防ができない
5. 唾液の接触が歯周病を招く :唾液を介すことで、歯周病の原因菌は人から人へと移動する
これら5つのことから、歯周病は生活習慣病について分かります。
こうして挙げてみると日常生活の中には歯周病になるリスクを高める要素が多く、
いつ誰に歯周病が発症しても不思議ではない状況です。
ですから歯周病は国民的病気とも呼ばれ、成人の約7割が歯周病を患っているとされています。
自覚症状が少ないことから虫歯と違って発症にも気づきにくく、
そのため検診を受けて歯周病の有無を定期的に歯科医に診てもらいましょう。