タバコが身体に悪いのは知っていますが、歯の健康にも害はありますか?
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「喫煙と歯の健康」です。
今更ここで説明するまでもなく、喫煙は身体の健康に害をもたらします。
さて、そもそも喫煙は口から吸いこむ行為ですが、
と言うことは口の中…すなわち歯の健康にも害をもたらすのでしょうか。
そこで、ここでは喫煙と歯の健康をテーマにして、喫煙がもたらす影響について説明していきます。
喫煙すると歯周病になりやすい
喫煙する人とそうでない人を比較すると、歯周病になるリスクは数値として5倍以上の差があります。
つまり、喫煙することで歯周病になるリスクが5倍以上高まるということです。
唾液の分泌量の低下
喫煙すると唾液の分泌量が低下して、口の中が乾いた状態が続きます。
実際、喫煙後は口が乾いて何か飲みたくなる人が多いですからね。
そして、唾液の分泌量が低下すると細菌が流れにくくなり、環境的にも歯周病菌が繁殖しやすくなります。
プラークが付着しやすくなる
喫煙すると、タールが付着することで歯がベタベタした感触になります。
ツルツルした状態に比べるとこれは細菌が付着・停滞しやすく、
つまりプラークが付着・停滞しやすくなって歯周病になるリスクが高くなるのです。
免疫機能が低下する
歯周病は細菌による感染症ですから、発症のリスクは身体の免疫力の強さに大きく左右されます。
喫煙するとニコチンの影響で身体の免疫機能が狂わされてしまいますから、
それだけ細菌感染のリスクが高まり、つまり歯周病菌に感染するリスクも高くなるのです。
歯周病になった後も影響をもたらす喫煙
上記の理由から、喫煙すると歯周病になるリスクが高まることが分かりますが、
それだけでなく歯周病になった後も喫煙は悪い影響をもたらします。
歯周病が重症化しやすい
喫煙すると歯周病になりやすいだけでなく、その歯周病が進行しやすくなります。
これは、歯周病の自覚症状である「歯肉の腫れ」などが見た目上抑えられてしまうためです。
見た目上問題がないことから歯周病を発見できず、見過ごした歯周病はどんどん進行してしまいます。
歯周病治療の傷が癒えにくい
本来、軽度の歯周病なら歯石の除去とプラークコントロールで治せますが、
一定以上進行した歯周病に対しては、治療時に歯肉の切開が必要になることもあります。
喫煙している場合、こうした治療による傷が癒えにくく、そのため治療に時間がかかってしまうのです。
インプラントへの影響
インプラントは人工物ですから、一見喫煙による影響があるとは思えません。
しかし実際にはそうではなく、喫煙はインプラントに次の影響をもたらします。
インプラント失敗のリスクが高まる
インプラントでは、インプラントを顎の骨に埋めこみ、その後インプラントと顎の骨を定着させます。
しかし、喫煙している場合はこの定着がうまくいかないことが多いのです。
このため、歯科医院によっては喫煙している人はインプラントできないこともあります。
インプラント周囲炎のリスクが高まる
インプラントは人工物ですから虫歯にはならないものの、歯の骨の病気ある歯周病とは無縁ではなく、
インプラントを支える骨が歯周病になることでインプラント周囲炎が起こります。
喫煙は歯周病になるリスクを高めますから、つまりインプラント周囲炎になるリスクも高めます。
副流煙がもたらす影響
自分が喫煙しなくても、周囲に喫煙する人がいると副流煙による害を受けてしまいます。
では、歯の健康においても副流煙は同様の害があるのでしょうか。
副流煙は主流煙よりも危険度が高い
実は、ニコチンの影響を考えると主流煙よりもむしろ副流煙の方が危険度は高く、
なぜなら主流煙よりも副流煙の方がニコチンの含まれる量が多いからです。
この事実については、厚生労働省のWEBサイトでも解説されています。
歯周病になるリスクが高まる
副流煙も歯周病になるリスクを高めますが、ただ解析でこれが明らかになったのは男性のみです。
女性はその結果を得られなかったのですが、これはデータ不足による可能性を否めません。
どちらにしても副流煙は身体に害をもたらすため、女性も無視できる問題ではないでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、喫煙と歯の健康についてまとめます。
1. 喫煙すると歯周病になりやすい :喫煙している人が歯周病になるリスクはそうでない人の約5倍
2. 歯周病になった後も影響をもたらす喫煙 :歯周病が重症化しやすく、治療時の傷の治りも遅くなる
3. インプラントへの影響 :インプラント失敗のリスクが高まり、インプラント周囲炎にもなりやすい
4. 副流煙がもたらす影響 :ニコチンが含まれる量はむしろ副流煙の方が多い
これら4つのことから、喫煙と歯の健康について分かります。
身体の健康において喫煙には一切のメリットがなく、歯の健康においてもそれは例外ではありません。
歯周病になりやすい、歯周病が重症化しやすい、これらはいずれも深刻な問題です。
ただ、既に喫煙している人でも禁煙に成功すればこれらのリスクを減らすことができます。