デンタルフロスと歯間ブラシはどちらを使用すべきですか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「デンタルフロスと歯間ブラシの比較」です。
一般的にブラッシングによるプラークの除去率は約6割…つまり、約4割の磨き残しが発生します。

虫歯や歯周病の予防においてこれだけの磨き残しは問題であり、確実な予防は難しいでしょう。
そこでおすすめなのがデンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、
これらの使用によってプラークの除去率がさらに2割高まり、磨き残しを約2割まで減らせます。

ここで気になるのが、デンタルフロスと歯間ブラシではどちらを使用するのが良いのかという点です。

デンタルフロスについて

デンタルフロスは歯と歯の間を磨くためのもので、歯ブラシが届かない隙間を糸によって磨きます。
この箇所は虫歯が発生しやすいこともあり、そのためデンタルフロスは虫歯予防に効果的とされています。
最も、プラークを除去することは歯周病予防にもなるため、実際には歯周病予防の効果も高まります。

タイプとして様々な形状のものが販売されていますが、これは持ちやすさの感覚はもちろん、
磨きたい箇所に合ったものを選択すると良いでしょう。
例えばL型のタイプは形状的に前歯、Y型のタイプは奥歯が磨きやすくなっています。

デンタルフロスが向かない人

被せ物が大きい人はデンタルフロスが引っ掛かってしまう可能性があります。
また、歯と歯の間の幅が広い人もあまりおすすめできず、
なぜならそこまで幅が広い人だと歯間ブラシでもその箇所を磨けるからです。

以下の項目で説明していきますが、歯間ブラシは歯と歯肉の間を磨くためのものです。
歯と歯の隙間の幅が広ければその箇所も歯間ブラシで磨けるため、
歯間ブラシを選択した方が磨ける箇所が多くなってプラークの除去率がより高まります。

歯間ブラシについて

歯間ブラシは歯と歯肉の間を磨くためのもので、小さなブラシで細かい箇所を磨きます。
歯と歯肉の間にプラークが溜まると歯肉炎を引き起こしますから、
その箇所を磨ける点で歯間ブラシは歯周病予防に効果的とされています。

ブラシのサイズは数段階の種類があり、こればかりは色々試して自分に合ったものを探すしかありませんが、
最適なサイズを選択するのであれば歯科医に相談してみても良いでしょう。
ちなみに、プラークの除去率はデンタルフロスとほぼ同じです。

歯間ブラシが向かない人

虫歯予防を重視しており、なおかつ歯と歯の隙間の幅が狭い人はおすすめできません。
まず虫歯予防のためには歯と歯の隙間を磨く必要がありますし、
その幅が狭ければ歯間ブラシだと磨き切れないからです。

一方で、歯周病予防を重視している人には歯間ブラシはおすすめです。
歯周病菌が身を隠す歯周ポケット付近を綺麗に磨けますし、
サイズの選択を間違えなければ歯と歯肉の間を徹底的に綺麗にして歯石の発生も防げます。

ブラッシングの重要性

デンタルフロスや歯間ブラシを使うことでプラークの除去率が高まりますが、
それでも歯磨きのメインは歯ブラシによるブラッシングであり、これらはあくまで補助的な役割です。
ですから、いくらデンタルフロスや歯間ブラシを使用してもブラッシングの精度が低ければ問題です。

そこで、デンタルフロスや歯間ブラシの使用を考えるのと同時に
歯ブラシによるブラッシングの精度を高めることも考えてください。
そして、歯ブラシによるブラッシングの精度を高めるには次の方法が効果的です。

歯科医院で指導を受ける

歯科医院では定期検診や予防歯科など、虫歯や歯周病を予防するための治療を受けられます。
そして、その中では正しい歯磨きの仕方が分かるブラッシング指導を行っています。
ブラッシング指導を受けることで、自分の歯並びに合った効率の良い歯磨きの技術が身につきます。

歯垢染色剤を使う

歯磨き後に歯垢染色剤を使うと、磨き残したプラークが染色されて目で確認できます。
磨き残しが目で確認できれば確実に磨き残しを減らすことができますし、
連続して使用すれば染色のパターンも把握でき、自分の歯磨きの欠点も分かります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、デンタルフロスと歯間ブラシの比較についてまとめます。

1. デンタルフロスについて :歯と歯の間を磨くもので、虫歯予防に効果的とされている
2. 歯間ブラシについて :歯と歯肉の間を磨くもので、歯周病予防に効果的とされている
3. ブラッシングの重要性 :歯磨きのメインはあくまでブラッシング。そのため精度を高める必要がある

これら3つのことから、デンタルフロスと歯間ブラシの比較について分かります。
おそらくですが、一般的にはデンタルフロスと歯間ブラシでは前者を選択する人が多く、
それは使用率の点でデンタルフロスを使用している人が多いからです。
しかしそれぞれ用途が異なるため、磨きたい箇所と予防したい病気から判断すると良いでしょう。
デンタルフロスは虫歯予防、歯間ブラシは歯周病予防に効果的です。