歯周病が発症するには高齢の人のみですか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病が発症する年齢」です。
歯周病が重症化すると歯がグラつき、最終的には抜け落ちてしまいます。

その症状から、歯周病は高齢の人に発症するイメージがあるでしょう。
仮にそうだとしたら、若い人は歯周病を一切気にしなくても良いのでしょうか。
歯周病の発症に年齢は関係あるのでしょうか。

歯周病の発症と年齢

歯周病の発症に年齢は関係なく、高齢の人どころか子供でさえ歯周病は発症します。
最も、子供は年齢的に代謝が活発ですから、歯を失うほど歯周病が進行することはまずないでしょう。
しかし、初期の歯周病である歯肉炎は子供でも発症しますし、実際に歯周病の低年齢化が問題になっています。
ちなみに、次のようなデータが報告されています。

・5歳~14歳 :約4割
・15歳~24歳 :約6割

…これは、歯肉に何らかの異常を抱えている人を年齢で分けたデータです。
歯を失うほどの本格的な歯周病に至ることはなくても、
歯肉炎ほどの症状なら若い人でもこれだけの割合で発症しているのです。
このため、歯周病は日本国内において国民の病気とも言われています。

歯周病が発症する人が多い理由

国民の病気とも言われる歯周病…ここで考えなければならないのは、
なぜここまで歯周病が発症する人が多いのかという点です。その理由を考えた時、次のことが挙げられます。

生活習慣に問題がある

歯周病は生活習慣病であり、日常生活の過ごし方次第で発症するリスクは大きく高まります。
近年ではストレスを抱える人が多く、また多忙な生活で充分な睡眠をとれている人も少ないですからね。
こうしたストレスや疲労で身体の免疫力が低下して、細菌…つまり歯周病菌に感染しやすくなっています。

プラークコントロールが不充分

プラークコントロールのメインは毎日の歯磨きですし、実際に歯磨きを怠る人はほとんどいないでしょう。
しかし、いくら歯磨きしてもその精度が低ければ、磨き残しが増えて歯周病の予防はできません。
その点、デンタルフロスを使う人はまだまだ少なく、プラークコントロールが不充分な人は多いと言えます。

予防意識が低い

歯周病は高齢の人に発症するイメージが強く、そのため若い人は歯周病の予防意識が低いです。
予防意識が低ければ当然予防が難しくなり、結果歯周病が発症してしまいます。
また自覚症状の少なさから発症自体に気づかず、そのため進行させてしまう人も多いのです。

歯周病が発症しやすい人

歯周病の発症のリスクは人によって差があり、正直発症のリスクが高い人もいます。
しっかりとプラークコントロールしていても、次のことに該当する人は歯周病が発症しやすくなります。

女性

歯周病菌の中には女性ホルモンを栄養とするものがあります。
ですから女性は男性に比べて歯周病が発症しやすく、
特に女性ホルモンの分泌が過剰になる妊娠時などは要注意です。

噛み合わせが悪い人

噛み合わせが悪いと口呼吸になり、乾燥した空気を口の中に直接取り込みます。
そうすると口の中が酸欠状態になり、嫌気性菌…すなわち歯周病菌が好む環境になるのです。
最適な環境を棲み処にした歯周病菌は働きが活発になるため、歯周病が発症しやすくなります。

喫煙する人

喫煙はその行為自体が歯周病の発症するリスクを高めます。
喫煙者の歯周病の発症のリスクは非喫煙者のそれに比べて5倍以上高く、
また歯周病になった時も歯肉の腫れが目立たないため、発覚が遅れて重症化もしやすくなります。

歯周病の予防方法

歯周病の予防方法は3つあり、これら全てを実践すれば大抵の歯周病は予防できるでしょう。
また、全て実践することで歯周病の早期発見も可能になり、発症時にも重症化を防げます。

精密な歯磨き

デンタルフロスを使って精密な歯磨きをしてください。
また、正しい歯の磨き方を覚えるために歯科医院でブラッシング指導を受けると良いでしょう。
他にも、プラークチェッカーを使えばプラークを染色できるため、磨き残しを確実に減らせます。

生活習慣の改善

上記で説明したとおり、歯周病は生活習慣病です。
このため、日常生活を見直して改善することで発症のリスクを低くできます。
基本は充分な睡眠などによる疲労やストレスの解消、栄養バランスの摂れた食事です。

定期検診の受診

定期検診では歯周病を予防するための様々な治療を受けられます。
歯のクリーニング、ブラッシング指導、生活習慣改善のアドバイス、いずれも歯周病の予防効果が高まります。
また、口の中の健康状態を確認するため、歯周病が発症していた場合も確実な発見と治療が可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病が発症する年齢についてまとめます。

1. 歯周病の発症と年齢 :歯周病の発症に年齢は関係なく、若い人でも歯周病は発症する
2. 歯周病が発症する人が多い理由 :生活習慣に問題がある、プラークコントロールが不充分など
3. 歯周病が発症しやすい人 :女性、噛み合わせが悪い人、喫煙する人
4. 歯周病の予防方法 :精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診

これら4つのことから、歯周病が発症する年齢について分かります。
歯周病は若くても発症する病気であり、誰もが予防意識を高めなければなりません。
発症すると自覚症状が少ないため発覚が遅れやすく、そのため進行しやすいのが歯周病の怖さです。
定期的に検診を受け、歯周病の有無の確認と予防を欠かさないようにしてください。