唾液の分泌を促進することは、虫歯予防においてそんなに大切なのですか?
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「唾液の役割や効果」です。
虫歯の発症は、人によっては不公平に思うかもしれません。
と言うのも、大した予防をしていないのに虫歯を予防できる人もいれば、
一方で予防しているにもかかわらず虫歯になってしまう人もいるからです。
最も、虫歯の発症はランダムで起こるわけではなく、そこには必ず原因があります。
予防している自信があっても虫歯になる人は、唾液の分泌量が低いのが原因なのかもしれません。
唾液の役割
唾液の役割について考えたことがある人は少ないかもしれませんが、
実は私達の身体を虫歯から守る役割を担っています。
虫歯はその原因菌によって発症する病気であり、肝心の原因菌はプラークに含まれています。
プラークとは歯に付着した細菌の棲み処であり、ここから虫歯菌は糖を吸収して酸を出します。
唾液は、そんな細菌や糖を流してくれる…つまり、口の中を洗浄する役割を担っているのです。
ですから、唾液の分泌量が低い人は虫歯になりやすく、なぜなら唾液による洗浄が不充分になるからです。
そもそも、唾液の分泌量が低ければ歯の再石灰化が脱灰に追い付かなくなり、
食事するたびに虫歯になるリスクを抱えることになってしまいます。
唾液の分泌量が低い人の特徴
唾液の分泌量は健康状態に左右されますが、生活習慣にも深く関係しています。
次の行為はいずれも唾液の分泌量が低下する原因となるため、対処しなければなりません。
よく噛まない
唾液は噛むことで分泌が促され、食事の時に多くの唾液が出るのはそのためです。
しかし、いくら食事してもよく噛まない人は唾液の分泌が促されません。
その意味では、たくさん噛むことはもちろん大切ですが、噛む必要があるものを摂取することも大切です。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いと、状態によってはどうしても口呼吸になります。
口呼吸は乾燥した空気を直接口に取り込み、唾液を蒸発させてしまいます。
噛み合わせを改善するにはそのための治療、もしくは矯正によって歯並びごと改善する必要があります。
水分補給が足りない
身体の健康を維持するには水分は欠かせません。
このため、身体の水分が不足するとそれを補うため、身体のメカニズムによって唾液の分泌が抑制されます。
そうならないためには、適度に水分を補給することです。
緊張状態で過ごしている
緊張して喉が渇くのは、誰もが一度は経験したことがあると思います。
これは緊張状態によって交感神経が優位になり、唾液の分泌が抑制されるのが理由です。
一方、リラックスすれば副交感神経が優位になり、唾液の分泌の抑制を防げます。
唾液の分泌量の低下が招く問題
唾液の分泌量の低下は、私達が気づかないところで様々な問題を引き起こします。
虫歯
上記で解説したように、唾液の分泌量が低下すると糖や細菌や流れにくくなりますし、
歯の再石灰化も不充分になってしまうため虫歯になりやすくなります。
歯周病
唾液の少ない口の中は酸欠状態に近く、それは嫌気性菌が最も好む環境です。
嫌気性菌は歯周病菌でもありますから、嫌気性菌の働きが活発になれば歯周病にもなりやすくなります。
口臭
唾液の分泌量が低下すれば虫歯や歯周病になりやすく、また嫌気性菌の働きが活発になります。
口の中が細菌だらけになってしまい、病気だけでなく口臭を引き起こすことにもなります。
虫歯になりやすい生活習慣
唾液の分泌量の低下が虫歯になりやすくさせることを意外に思うかもしれませんが、
こうした虫歯になりやすくなる意外な要素は他にもあります。
食生活
ダラダラと食べる、間食が多い、これらは歯の脱灰をすすめてしまい、虫歯になりやすくなります。
また、糖の摂取も虫歯菌に栄養を与えることになり、やはり虫歯になりやすくなる要因です。
家族が虫歯を予防していない
虫歯菌は歯ブラシの接触や回し飲みなど、唾液を介して人から人に移動します。
このため、自分だけ虫歯予防していても家族の予防が不充分な場合、虫歯菌をもらってしまうことがあります。
銀歯を使っている
虫歯の再発…すなわち二次虫歯において言えることです。
銀歯はプラークが付着しやすく接着も強くないため、隙間が生じることで二次虫歯が起こりやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、唾液の役割や効果についてまとめます。
1. 唾液の役割 :歯に付着した糖や細菌を流して虫歯を予防する
2. 唾液の分泌量が低い人の特徴 :よく噛まない、噛み合わせが悪い、水分補給が足りないなど
3. 唾液の分泌量の低下が招く問題 :虫歯、歯周病、口臭
4. 虫歯になりやすい生活習慣 :食生活、家族が虫歯を予防していない、銀歯の使用(二次虫歯に限る)
これら4つのことから、唾液の役割や効果について分かります。
このように、唾液の分泌量は虫歯へのなりやすさに深く関係していますが、
それでも予防の基本は毎日の歯磨きにあります。
精度の高い歯磨きの実践、定期的な検診の受診などを怠らず、虫歯をしっかりと予防してください。