顎関節症は噛み合わせと関係があるのですか?

 

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。

今回のテーマは「顎関節症と噛み合わせの関係性」です。

顎関節症は噛み合わせが悪いと発症しやすく、発症がきっかけで噛み合わせが悪くなることもあります。

この事実から分かるのは、顎関節症と噛み合わせは深く関係しているということですが、

そもそもなぜ噛み合わせが悪いと顎関節症が発症しやすいのでしょうか。

また、なぜ顎関節症の発症によって噛み合わせが悪くなってしまうのでしょうか。

顎関節症と噛み合わせの関係

噛み合わせが悪い人は、言い換えれば噛み合わせがずれていることになります。

そして、噛み合わせがずれていることは顎がずれていることになりますから、

噛み合わせが悪い人は常に顎関節に負担をかけていることになります。

顎関節に負担をかけている人とかけていない人、これらを比較すれば顎関節症の発症のリスクの差は明白で、

顎関節に負担をかけているつまり、噛み合わせが悪い人は顎関節症が発症しやすいのです。

また、噛み合わせが正常な人が顎関節症になることで、噛み合わせが悪くなるケースもあります。

顎関節症になると様々な症状が起こり、その一つに「噛み合わせた時の違和感」があります。

これは顎関節症によって顎関節や筋肉に異常が起こるためで、

顎の動きの変化によって噛み合わせが変わってしまうつまり噛み合わせが悪くなってしまうのです。

改めて顎関節症と噛み合わせの関係をまとめると、噛み合わせが悪いと顎関節症が発症しやすく、

また顎関節症で起こる症状によって噛み合わせが悪くなることがあります。

その点で、顎関節症と噛み合わせには深い関係性があるのです。

顎関節症の症状

顎関節症によって起こる症状は様々です。

代表的な症状はともかく、細かい症状からは一見顎関節症とは判断しにくくなっています。

顎の痛み

顎関節はもちろん、その周辺にある頬やこめかみのあたりも痛むことがあります。

また、痛みの特徴として虫歯のように常に痛むわけではなく、食事の時など顎を動かした時に痛みます。

例え顎関節の痛みでもそれが常に痛む場合、原因は顎関節症ではなく全く別の可能性があります。

開口障害

開口障害とは、大きく口が開かなくなる症状です。

正常な状態なら人間の口は指を縦に3本数値で示せば40ミリ~50ミリほどまで開きます。

しかし開口障害になるとそれが指2本、もしくはそれ以下しか開かなくなります。

顎の異音

顎関節症の一般的な症状で、顎を動かすと「ミシミシ」や「カクンカクン」と音がします。

症状としてはそれほど深刻ではないですが、

こうした音が顎を動かすたびに耳の近くから聞こえるため、耳障りでストレスになる人もいます。

口を完全に閉じられない

この症状は顎関節症の代表的な症状ではあるものの、実際に起こる割合は非常に稀です。

顎関節症によって顎関節の構造に異常が起こることで歯列に影響することがあります。

正確には歯列に隙間が発生し、歯並びが変化することで口を完全に閉じられなくなるのです。

その他の症状

その他の症状を含めると顎関節症で起こる症状は非常に多く、

頭痛、腰痛、肩こり、耳鳴り、耳の痛み、背中の痛み、目の充血、目の疲れ、歯の痛み、舌の痛みなどがあります。

いずれも症状から顎関節症と判断するのは難しく、疲労によるものと勘違いしてしまう人も少なくありません。

顎関節症の治療方法

顎関節症の治療方法には3つのポイントがあります。

ポイント1. 顎関節症の原因を解消する

ポイント2. 顎関節症の症状を解消する

ポイント3. 顎関節症を予防する

ポイント1とポイント2は歯科医院で行う治療であり、症状や状態に応じて次の治療方法を組み合わせます。

顎関節症の原因となる癖や習慣を自覚して改善する

患部を冷やして痛みを軽減する

顎を動かすなどのリハビリによって口を徐々に開けるようにする

炎症による痛みに対して薬を処方する

外科治療を行う

ポイント3は患者さん自身によるセルフケアで、実は顎関節症の治療においてこれが最も大切です。

文字どおり治療としての効果もありますし、顎関節症の予防においても効果的であり、

具体的なセルフケアの方法には次のようなものがあります。

歯の接触の回避

温める、冷やす(症状に応じて使い分けが必要)

正しい姿勢の維持

リラクゼーション

大きく口を開かない

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、顎関節症と噛み合わせの関係性についてまとめます。

. 顎関節症と噛み合わせの関係 :噛み合わせが悪いと顎関節症が発症しやすい

. 顎関節症の症状 :顎の痛み、開口障害、顎の異音、口を完全に閉じられないなど

. 顎関節症の治療方法 :発症の原因となる癖や習慣の自覚と改善、冷やして痛みを解消するなど

これら3つのことから、顎関節症と噛み合わせの関係性について分かります。

噛み合わせが悪いと様々な問題が起こりますが、顎関節症の発症もその中の一つです。

噛み合わせが正常な人でも顎関節症の発症は起こり得る問題ですが、

噛み合わせが悪い人はそのリスクが高まり、さらには重症化しやすい傾向もあります。