ホワイトニングに歯を健康にする効果はありますか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。今回のテーマは「ホワイトニングと歯の健康について」です。ホワイトニングは歯を白くする効果がありますが、それはファッションではなく歯科治療です。

治療と言うからには何らかの症状を改善する効果があるイメージですし、実際にホワイトニングでは専用の薬剤も使用します。では、ホワイトニングをすることで歯の健康においてもプラス効果があるのでしょうか。

ホワイトニングと健康の関係

ホワイトニングは治療でも100%審美目的の治療であり、健康目的の治療ではありません。このため、ホワイトニングをしても歯の健康にプラス効果をもたらすことはありません。ですから、歯を健康にする目的でホワイトニングを考えているなら、その考えは間違っています。

ただし、ホワイトニングが健康に一切無関係と言うわけではなく、確かに歯の健康においては無関係ですが、心の健康においては大きなプラス効果をもたらします。人は誰しも何らかのコンプレックスを抱えており、中には歯の色がコンプレックスの人もいるでしょう。

その人がホワイトニングで白くて美しい歯を手に入れれば、コンプレックスは解消されます。それは自分の自信にもつながりますし、心の健康において確実にプラス効果となるでしょう。

ホワイトニングの仕組み

ホワイトニングの仕組みとして、「歯の汚れを落として白くする」と考えている人は全く違います。と言うのも、歯の変色は歯の表面ではなくその奥…つまり象牙質が変色しているからです。歯磨きやクリーニングで落とせるのは歯の表面の汚れや着色であり、その奥の象牙質には対応できません。

実際、歯の表面の奥にある象牙質を白くすることは不可能なのです。ではホワイトニングではどうやって白くしているのか?…正確には白くするのではなく白く見せています。そもそも変色した象牙質がうつるのは、歯の表面のエナメル質が透明ガラス状態になっているためです。

そこで薬剤を使ってエナメル質の構造を球状に変化させ、光が乱反射するようにします。そうすると変色した象牙質がうつらなくなり、歯が白くなって見える…これがホワイトニングの仕組みです。

市販のホワイトニング歯磨き粉

ドラッグストアではホワイトニングの名称がついた歯磨き粉が販売されていますが、市販のホワイトニング歯磨き粉は歯科治療のホワイトニングとは全くの別物です。使用する成分も異なっており、ホワイトニング歯磨き粉に歯科治療のホワイトニングの効果はありません。

対応できるのは歯の表面の汚れや着色のみであり、例えばコーヒーやワインによる着色です。ですから、市販のホワイトニング歯磨き粉に健康に関する記述があっても、それは歯科治療のホワイトニングと一切無関係なことなので注意してください。

最も、歯の表面の汚れや着色であれば市販のホワイトニング歯磨き粉で対応できますし、歯科医院での歯のクリーニングなら汚れや着色だけでなく、さらにプラークまで綺麗に除去できます。

ホワイトニングできないケース

ホワイトニングはどんな場合でもできるわけではなく、次のケースではホワイトニングできません。

虫歯や歯周病があるケース

虫歯や歯周病がある人でもホワイトニングできますが、先に虫歯や歯周病の治療が必要です。これらを治療した後、歯の健康状態が安定した上でホワイトニングをする流れです。ただし虫歯や歯周病の状態によっては、歯科医の判断でホワイトニングできるケースもあります。

人工物をホワイトニングしたいケース

詰め物や被せ物の人工物はホワイトニングできません。ホワイトニングをすること自体は可能ですが、白くなる対象となるのは他の天然の歯のみになります。人工物をホワイトニングできないという意味では、入れ歯やインプラントもホワイトニングできません。

テトラサイクリンの影響で歯が変色しているケース

テトラサイクリンによって変色した歯は、ホワイトニングでもほとんど白くなりません。テトラサイクリンとは抗生物質の一種で、以前は子供の風邪薬に使用されていました。現在も治療内容によってはテトラサイクリンを使用することもあります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングと歯の健康についてまとめます。

1. ホワイトニングと健康の関係 :歯の健康とは無関係だが、コンプレックスの解消で心の健康にはつながる
2. ホワイトニングの仕組み :薬剤によって歯の表面のエナメル質にマスキング効果をもたらして白く見せる
3. 市販のホワイトニング歯磨き粉 :歯科治療のホワイトニングとは全くの別物
4. ホワイトニングできないケース :虫歯や歯周病があるケース、人工物をホワイトニングしたいケースなど

これら4つのことから、ホワイトニングと歯の健康について分かります。ホワイトニングは治療ですが、それは審美目的の治療であって健康目的ではありません。このため、ホワイトニングをしても歯が健康になるわけではありません。ただし、白い歯を手に入れることは口元の見た目のコンプレックス解消につながるため、その意味ではホワイトニングは心の健康においてプラス効果をもたらします。