詰め物の種類によって費用に差があるのはなぜ?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「詰め物の種類によって費用が異なる理由」です。
自宅の家具を購入する時、同じ家具でも種類によって値段が異なります。

これは詰め物にも言えることで、詰め物もいくつか種類がありますが、それぞれ費用が異なります。
家具の場合は高いものほど材質や機能に優れている特徴がありますが、
詰め物の場合はどうなのでしょうか。ここでは、詰め物の種類によって費用が異なる理由を説明します。

1. 保険適用について

詰め物の種類によって費用が異なる理由として真っ先に挙げられるのが、保険適用の有無の違いです。
つまり、保険が適用される詰め物もあれば適用されない詰め物もあり、そこに費用の差が生じるのです。
では、なぜこのように保険が適用される詰め物とされない詰め物が存在するのでしょうか。

…それは、保険適用の条件が関係してきます。
健康保険というのは全ての医療に適用されるわけではなく、適用のためにはある条件があります。
それは「健康になるための最低限の治療」であることです。

言うまでもなく、詰め物自体は歯の健康のために必要ですから、その点では保険適用の条件を満たしています。
しかし、詰め物の種類によって審美目的を兼ねたものもあり、
そういった詰め物は「最低限」というキーワードから外れてしまい、保険が適用されなくなるのです。

2. 保険が適用されない詰め物

保険が適用されないものとしては、金歯やセラミックが挙げられます。
金歯は貴金属なので劣化や溶け出しが少なく、程よく柔らかいことで詰めた時のフィット感にも優れています。
これらの特徴はいずれも金歯という詰め物が持つ付加価値であり、最低限の治療とは言えません。

次にセラミックですが、セラミックは見た目が美しいことから審美目的も兼ねており、
その時点で最低限の治療とは言えません。つまり金歯やセラミックは詰め物として最低限以上の価値があり、
それが理由で保険が適用されなくなり、費用が高額になるのです。

ちなみにセラミックは見た目上から審美性の高さだけが目立ちます。
しかしプラークや付着しにくい、詰めた後に隙間が生じにくい、二次虫歯になりにくいなど、
実は詰め物の機能性にも優れた特徴を持っています。

3. 保険が適用される詰め物

保険が適用されるものとしては、銀歯やレジンが挙げられます。
銀歯は金属なので硬い長所はありますが、見た目は決して良くありません。
また金歯とは別物なので、金歯が持つ劣化や溶け出しが少ないという特徴も持っていません。

むしろ劣化が早く、金属イオンが溶け出すことで金属アレルギーの対象になります。
さらにプラークが付着しやすい上に接着も剥がれやすいため、二次虫歯が起こりやすいのです。
レジンもまた審美性は低く、銀歯よりは目立たないものの使用することで変色が起こります。

…こう説明すると金歯やセラミックに比べて欠点だらけに思えるでしょうが、それが事実です。
特に審美性の高いセラミックと比較すると、銀歯やレジンは審美性ではもちろん機能性でも圧倒的に劣ります。
だからこそ「最低限の治療」と位置付けられ、保険が適用されて費用が安いのです。

4. セラミックの種類

詰め物の種類で費用が異なるのは、保険適用の有無だけが理由ではありません。
例えばセラミックは保険が適用されないので費用は高額ですが、
セラミック自体にもいくつかの種類があり、そしてその種類ごとでも費用が異なります。

例えばオールセラミック…文字どおり100%セラミックを使用しており、最も美しいセラミックです。
そしてジルコニアセラミック…割れるという欠点を克服した、硬すぎると言われるほど硬いセラミックです。
これらは他のセラミックに比べて審美性と機能性がより高く、その分費用がより高額になるのです。

ちなみに他のセラミックの種類としては、レジンを混ぜたお手軽な費用のハイブリッドセラミック、
見える箇所をセラミックで仕上げて見えない箇所を金属で仕上げたメタルボンドなどがあります。
このように、同じセラミックでも種類ごとで費用が異なるのです。

まとめ

いかがでしたか?
詰め物の種類によって費用が異なる理由についてまとめます。

1. 保険適用について :保険が適用される詰め物と、保険が適用されない詰め物がある
2. 保険が適用されない詰め物 :金歯やセラミックは保険が適用されないので高い
3. 保険が適用される詰め物 :銀歯やレジンは保険が適用されるので安い
4. セラミックの種類 :セラミックは高額だが、セラミック自体にも種類があってそれぞれ費用が異なる

これら4つのことから、詰め物の種類によって費用が異なる理由が分かります。
「最低限の治療」という条件を満たす詰め物は安く、満たさない詰め物は費用が高くなります。
最も、その条件を満たさない金歯やセラミックは最低限以上の価値を持っています。

セラミックは審美性と機能性に優れており、金歯は銀歯のような金属アレルギーが起こりにくいのが特徴です。
このため、「費用が安い=おすすめの詰め物」というわけではないのです。
保険が適用されない詰め物は高額な分、銀歯やレジン以上のメリットがあることを知っておいてください。