虫歯治療の時、詰め物をなしにすることはできますか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯治療の際の詰め物について」です。
虫歯治療の場合、歯を削って詰め物を入れるというのが治療の流れの基本です。

さて、虫歯になった歯を削るのは必要だとしても、詰め物の必要性はどうなのでしょうか。
確かに詰め物自体に治療効果はないですし、患者さんの中には詰め物は必要ないと考えてしまう人もいます。
しかしそれは間違いで詰め物は絶対に必要ですし、それには理由もあるのです。
では、詰め物がないとどんな問題が起こるのかを説明していきます。

1. 熱いものや冷たいものがしみる

歯を削って詰め物を入れなかった場合、その歯はどうなってしまうのでしょうか。
本来歯は表面のエナメル質に覆われており、その影響で刺激から保護された状態にあります。
例えば私達は普段食事で熱いものや冷たいものを飲食しますが、これらのものも歯にとって刺激になります。

歯がエナメル質に保護されているおかげで、その刺激を感じずにすむのです。
しかし、削った歯はエナメル質の保護がないため、これらのものを飲食すると刺激となって感じます。
このため、熱いものや冷たいものを飲食した時にしみるようになってしまうのです。

2. 歯にヒビが入る、割れる

削った歯は象牙質が剥き出しになっており、他の歯に比べて脆い状態になっています。
このため、衝撃によって歯にヒビが入ることがありますし、割れてしまうことすらあります。
ものを噛む時の成人の咬合力を考えると、噛み合わせた時の強さで歯が割れることは充分起こり得ます。

そして、詰め物を入れることでそんな歯の脆さをカバーしているのです。
つまり、削った歯は衝撃によってヒビが入ったり割れたりすることがあるほど脆くなっており、
そんなヒビや割れを防ぐために詰め物を入れる必要があるわけです。

3. 二次虫歯が起こる

削った歯は象牙質が剥き出しになることで刺激に対して敏感になり、なおかつ脆いと説明しました。
しかしそれだけではなく、細菌に対しても感染しやすい状態になっています。
つまり、例え治療が完了していても詰め物を入れなければ、その歯はまたすぐに虫歯になってしまうのです。

実際、1度治療した歯が再度虫歯になるケースは多く、これを二次虫歯と呼んでいます。
また、ここでは詰め物を入れない状態を前提として説明していますが、
詰め物を入れたとしても隙間が生じていればやはり二次虫歯が起こります。
二次虫歯は深刻で、成人の虫歯治療の多くがこの二次虫歯によるものというデータが挙がっています。

4. 見た目が悪い

仮に虫歯治療をして詰め物を入れなければ、その歯は治療跡が剥き出しの状態になっています。
これは安全面や衛生上良くないことですが、そもそも見栄えが悪いという問題もあります。
特に若い女性にとっては、これが詰め物を入れないことの最大のデメリットになるのではないでしょうか。

最も、詰め物を入れたからといって美しいとは言えないと思う人もいるかもしれません。
確かに銀歯の詰め物は目立ちますし、人によってはコンプレックスになるほど見た目は良くありません。
しかし最近ではセラミックの詰め物も存在し、その場合は天然の歯と比べても遜色ない美しさを誇ります。

5. 詰め物が必要ないケース

さて、虫歯治療において必ず詰め物が必要とは限りません。
詰め物が必要なケースで敢えて詰め物を入れないことはできないですが、
そもそも詰め物を入れる必要がないというケースもあります。

例えば完全に初期段階の虫歯…このケースでは状態次第では削らずに治すことも可能であり、
この場合は歯を削っていないため詰め物は必要ありません。
逆に相当進行している虫歯…このケースでは歯がボロボロになっているため、詰め物では対処できません。
この場合は詰め物ではなく歯をスッポリ覆う被せ物を使用することになります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯治療の際の詰め物についてまとめます。

1. 熱いものや冷たいものがしみる :詰め物を入れないと歯が刺激に敏感になり、熱さや冷たさでしみる
2. 歯にヒビが入る、割れる :詰め物を入れないと歯が脆くなり、強く噛むと歯にヒビが入ったり割れたりする
3. 二次虫歯が起こる :詰め物を入れないと歯が細菌に感染しやすくなり、再度虫歯にかかってしまう
4. 見た目が悪い :詰め物を入れないと治療跡が剥き出しになり、歯の見た目が悪くなる
5. 詰め物が必要ないケース :削らずに治療可能なケース。詰め物ではなく被せ物が必要なケース

これら5つのことから、虫歯治療の際の詰め物について分かります。
虫歯治療で歯を削った際は詰め物が必要ですし、それをなしにすれば様々な問題が起こります。
熱さや冷たさでしみるようになり、噛んだ時に歯が割れてしまうこともあるのです。

さらに細菌にも感染しやすくなりますし、何より見た目が悪いのも問題です。
こうした問題を防ぐため、詰め物を入れる必要があるのです。
このため、詰め物を入れて取れてしまった場合も、すぐ歯科医院に行って治療を受けなければなりません。