詰め物の寿命を教えてください
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「詰め物の寿命」です。
どんなに優れた物でもそれが物である以上、いつかは壊れてしまいます。
そしてこれは、歯科治療で使用する詰め物においても例外ではありません。
ただし詰め物にはいくつか種類がありますし、それぞれ材質も異なります。
そこで、ここでは詰め物の寿命について材質ごとで説明していきます。
1. レジンの場合
歯科用のプラスチックの詰め物で、レジン自体は10年もつと言われています。
しかし詰め物として使用した場合、実質レジンの寿命はその半分…つまり5年ほどになるでしょう。
と言うのも、使用年数に比例して目に見える劣化が発生するからです。
レジンは変色しますし、劣化によって歯との間に隙間が生じると二次虫歯を招きます。
そして、こうした劣化は2年~3年ほどで起こり始めるとされているのです。
このため、レジン自体の10年を寿命と考えるのではなく、その半分の5年で見ておくべきでしょう。
2. 銀歯の場合
銀歯の材質は金属ですから、一見長持ちしそうに思えます。
しかし実際にはそうではなく、2年~5年ほどで劣化が起こるとされています。
また銀歯の場合、劣化が起こった時点で詰め物としてほぼ使用できなくなってしまいます。
金属イオンが溶け出すため歯肉が黒く変色しますし、歯との間に隙間が生じやすくなります。
隙間が生じると二次虫歯を招きますし、現に銀歯は二次虫歯を招きやすいと言われているのです。
このため、銀歯の場合は「劣化が起こる=寿命」といっても過言ではないため、
長く持っても5年ほど…場合によってはもっと短くなってしまうこともあるでしょう。
3. セラミックの場合
審美性ばかりが目立つイメージのあるセラミックですが、実は詰め物の質としても優秀です。
セラミックの寿命は長く、一般的には10年以上…メンテナンス次第では20年もつとも言われています。
特にオールセラミックは変色などの劣化も起こらないため、極端な話、壊れる寸前まで使用できます。
また、いくら使用して間もないとしても、二次虫歯が起こればその時点で詰め物は使用できなくなります。
しかしセラミックの場合はその点においても優れています。
と言うのも、セラミックは材質上プラークが付着しにくいですし、
さらに歯ともしっかり接着されられるため、他の詰め物に比べて二次虫歯を格段に予防しやすいのです。
4. おすすめの材質は
これは何を重視するかで変わってきます。費用の安さで考えるなら保険が適用される銀歯かレジンですし、
審美性と機能性を重視するなら比較するまでもなくセラミック一択でしょう。
ちなみに費用の安さにおいても、場合によってはセラミックの方がトータルで安くこともあります。
例えば銀歯と比較すると銀歯はセラミックよりも寿命が短いですし、交換するたびに費用がかかります。
二次虫歯になってしまえばその治療費も掛かりますし、二次虫歯を繰り返すことで歯が失われてしまいます。
そうなると入れ歯やインプラントなどの対応となり、特にインプラントは非常に高額です。
つまり銀歯の場合は定期的に交換の費用が掛かる上、二次虫歯などの予想外の出費も起こり得ます。
そう考えると、安定して長期間使用できるセラミックは見方によっては安く感じる一面もあるのです。
5. 詰め物を長持ちさせる秘訣
詰め物の寿命は人それぞれ異なります。これは個人差などという理由ではなく、
いかにお口のケアを大切に行うかが理由になってくるのです。
単純な話、いくら二次虫歯を予防できるセラミックでも歯磨きを怠れば当然二次虫歯が起こります。
そして、二次虫歯が起こった時点でその詰め物は使用できなくなるのです。
つまり詰め物を長持ちさせるには、お口のケアを常に心掛けることが秘訣になるのです。
毎日の歯磨きはもちろん、歯科医院の定期検診を受けてその都度お口の中をチェックしてもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、詰め物の寿命についてまとめます。
- レジンの場合 :レジン自体は10年もつが2~3年で劣化が起こり始め、問題なく使用できるのは5年ほど
- 銀歯の場合 :2年~5年ほどで劣化が起こる。二次虫歯が起こりやすいため、もっと短くなることもある
- セラミックの場合 :10年ほどだが、メンテナンス次第で20年もつ。二次虫歯も予防しやすく見た目も美しい
- おすすめの材質は :重視するポイントで異なるが、総合的にはセラミックが優れている
- 詰め物を長持ちさせる秘訣 :お口の中のケアを徹底し、歯磨きと定期検診と心掛けること
これら5つのことから、詰め物の寿命が分かります。
このように、詰め物の寿命は材質によって全く異なります。
ちなみに、最近では審美性にも機能性にも長けたセラミックを希望する人が急増しています。
その時点の費用だけで考えれば安くすむ銀歯は確かに魅力的ですが、
寿命を含めた材質ごとの特徴からトータルで判断すれば、
一概にも安い銀歯が最もおすすめとは言えなくなってくるのです。