歯槽膿漏と歯周病は違うものですか?
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯槽膿漏と歯周病は違う病気なの?」です。
歯槽膿漏と歯周病はどちらも同じ歯肉の病気です。
また、インターネットなどでこれらの病気を調べてみると、
同じ症状でも歯槽膿漏と表現する人もいれば歯周病と表現する人もいます。
一体この二つの病気は何が違うのか?それともイコールなのか?今回はそのことについて説明します。
1. 歯周病の説明
歯周病は、細菌(歯周病菌)に感染することで引き起こされる歯肉の病気で、
症状としては歯肉に炎症を起こさせ、歯肉の腫れや変色を招きます。
最も、これは初期段階の歯周病の症状であり、進行することでさらに深刻な症状を引き起こします。
そして、その深刻な症状とは顎の骨にあたる歯槽骨を溶かしてしまうことです。
歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされていきますが、歯槽骨は歯を支える役割をしています。
つまりこれが溶かされることで歯は支えを失い、グラつくようになって最終的に抜け落ちてしまうのです。
歯周病が中期段階や重度段階に進行するにつれて歯槽骨はどんどん溶かされていき、
重度段階になると歯槽骨はほとんど溶かされ、いつ歯が抜けてもおかしくない状態になります。
2. 歯槽膿漏の説明
歯槽膿漏は、歯肉の炎症を放置することでさらに悪化した状態を示します。
歯槽膿漏になると歯を支える歯槽骨が破壊され、いつ歯が抜け落ちてもおかしくない状態になります。
さて、この「歯を支える歯槽骨が破壊され、いつ歯が抜け落ちてもおかしくない状態」という表現は、
上記で説明した歯周病の重度の症状と酷似していることに気付くでしょう。
これは酷似と言うよりイコールであり、要するに歯槽膿漏とは重度の歯周病のことなのです。
また、初期段階でも重度段階でも歯周病は歯周病ですから、その点で言えば歯周病と歯槽膿漏は同じです。
つまり、歯周病が進行することで重度の歯周病になる、その状態を歯槽膿漏と言い換えることもできるのです。
最近では歯槽膿漏という病名を使わず、ひとまとめにして歯周病と呼ぶ人が増えています。
3. 歯周病の深刻な現状
日本人の歯を失う要因を挙げた時、常にトップに君臨しているのが歯周病です。
つまり、現状歯周病は歯にとって天敵と言える病気であり、歯を守るために絶対に予防しなければなりません。
しかし、残念ながら歯周病に対してそこまでの危機感を持つ人は少ないのが事実です。
何しろ歯周病には痛みのような自覚症状がないことから、怖くない病気と勘違いしてしまう人もいます。
また、歯を失うという点から高齢の人だけに関係した病気と思っている人も多く、
20代や30代の人で歯周病予防を徹底している人は虫歯のそれに比べて明らかに少ないでしょう。
そんな現状を考え、人に危機感を持たせるために敢えて歯槽膿漏という言葉を使う歯科医もいます。
歯槽膿漏の「歯槽骨から膿みが漏れる」という文字にはインパクトと怖さがありますから、
そんなインパクトや怖さを予防の意識に繋げてもらうのが狙いです。
4. 予防方法
歯周病と歯槽膿漏の予防方法ですが、そもそも歯槽膿漏は重度の歯周病を意味しますから、
歯周病自体を予防する方法を考えなければなりません。そのためにはお口の中を常に綺麗にすることです。
歯周病は歯周病菌によって引き起こされますが、歯周病菌はプラークの中に潜んでいます。
つまり、毎日の歯磨きで確実にプラークを除去することが、歯周病の予防になるのです。
しかし実際にプラークを確実に除去するのは難しく、プラークは目に見えない上、
時間が経つと歯石に変化します。そして歯石になってしまうと歯磨きでは除去できなくなるのです。
このため、歯磨きだけでなく歯科医院で検診を受け、お口の中をクリーニングしてもらうといいでしょう。
また、歯磨きの効果をより高めるためにデンタルフロスを使用するのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯槽膿漏と歯周病は同じ病気なの?についてまとめます。
- 歯周病の説明 :歯肉に炎症が起き、進行することで歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう
- 歯槽膿漏の説明 :歯を支える歯槽骨が溶けた状態。つまり重度の歯周病とイコールである
- 歯周病の深刻な現状 :歯周病は歯を失う要因のトップになっており、予防意識をもっと高めるべき
- 予防方法 :毎日の歯磨きに加え、歯科医院での定期検診や歯磨き時にデンタルフロスを使うのも効果的
これら4つのことから、歯槽膿漏と歯周病は同じ病気なの?についてまとめます。
歯槽膿漏と歯周病はイコールであり、正確には重度の歯周病のことを歯槽膿漏と呼びます。
病名が複数あることで紛らわしいと思うかもしれませんが、まずは歯周病の症状を知っておきましょう。
重度の歯周病が歯槽膿漏であることから、
歯周病を徹底予防するか初期段階で治療すれば歯槽膿漏に至ることはないわけです。
このため、2つの病気はイコールだと知るとともに歯周病の予防を徹底することを考えてください。