インプラントに年齢制限はありますか?

インプラントは手術を必要とする大きな治療になるため、誰でも治療可能というわけではありません。
そこで気になってくるのが年齢制限です。
治療を受けられないケースがある以上、年齢が原因となる可能性があるのでしょうか?
そこで、インプラントできない例をいくつか挙げ、年齢に関わるケースについても解説していきます。

年齢制限に関して

インプラントできないケースがあるのは確かですし、そこに年齢が影響してくることもあります。
しかし、インプラント治療には明確な年齢制限はありません。
その年齢の患者さんが持つ身体の状態が、インプラント治療に支障を及ぼす可能性があり、
そういった場合にはインプラント治療できないことがあるのです。

また、身体の状態には当然個人差があります。このため、同じ年齢の患者さんでも、
人によってインプラントできることもあり、できないこともあるのです。
さらに、歯科医院によって年齢の基準も異なるため、現状インプラントの年齢制限は正直漠然的です。
その意味でもインプラントを希望する場合は、まず実際に歯科医に相談するところからスタートします。

未成年の場合

多くの歯科医院では、未成年の患者さんにはインプラント治療を断っています。
また、上記で説明したように明確な年齢制限がないため、18歳未満と制限している歯科医院もあります。
この理由は、未成年の患者さんはまだ顎の骨が成長段階にあるからです。
インプラント治療は、手術によって顎の骨に穴を空けてインプラントを埋め込みます。

治療期間も長いため、治療当初と治療後では、成長によって顎の骨の状態が変化していることがあるのです。
そうなると、治療後に歯並びが悪くなったり、噛み合わせが悪くなる不具合が生じます。
と言うのも、歯科医も顎の骨の成長は予測できないからです。
このため、顎の骨が成長段階にある未成年の患者さんには、インプラントをおすすめできないのです。

高齢者の場合

歯科医院によっては、70歳以上の患者さんのインプラントを禁止しているところもあります。
これは、高齢であるために体力や身体の機能が低下していることを考慮しての判断です。
手術に耐えられる体力が必要になりますし、長期間の通院も視野に入れなければなりません。
年齢的にこれらが困難と判断された場合は、インプラントをすることができないのです。

また、身体の治癒能力や知能も重要なので、これらが低下している場合も同様になります。
インプラントは身体が健康であることが前提となる治療なので、
逆に70歳以上でもこれらにおいて全く問題がなければ、インプラントをすることができるのです。
こうした判断は治療前の精密検査で行われるため、やはりまずは歯科医に相談することが先決です。

制限は年齢だけではない

未成年や高齢な患者さんの場合、上記のことが理由でインプラントを受けられないことがあります。
しかし、インプラント治療の可否の判断基準は、年齢に関してだけではありません。
例えば、上記の解説とは全く関係ない、40代の患者さんでもインプラントできないことがあるのです。
それが、以下のいずれかの条件に該当する患者さんです。

全身疾患のある人、糖尿病の人、重度の歯周病がある人、骨粗しょう症の人などです。
これらの症状を持っている人はインプラントできないケースがあり、これは年齢とは無関係のことです。
全身疾患や糖尿病の患者さんは、手術の際の傷の治りや出血に問題が生じる可能性があり、
重度の歯周病や骨粗しょう症の患者さんは、インプラントを埋め込む骨に問題がある可能性があるからです。

相談することが大切

インプラント治療に明確な年齢制限はないものの、年齢によって起こり得る症状のせいで、
インプラントできないケースがあることも事実です。
だからと言って、未成年や高齢の患者さんは絶対にインプラントできないというわけでもありません。
顎の骨の成長が止まっていれば、未成年の患者さんでもインプラントできます。

体力面や健康面に問題がなければ、70代の患者さんでもインプラントできます。
逆に、30代や40代の患者さんでも、健康面に問題があればインプラントできないわけです。
このため、単に年齢だけで自身で判断せず、まずは歯科医に相談することが大切です。
特にインプラント治療は不安や点や不明な点も多いので、相談するということを意識してください。

まとめ

最後に、インプラントに年齢制限はあるのかについてまとめます。

  1. 年齢制限に関して :明確な年齢制限はないが、未成年や70歳以上の人は治療できないことが多い
  2. 未成年の場合 :顎の骨が成長段階のため、インプラントの仕上がりに不具合を生じさせるリスクがある
  3. 高齢者の場合 :知能や健康面の問題、手術や長期間の通院に耐える体力があるかどうかが基準になる
  4. 制限は年齢だけではない :年齢とは無関係で、重度の歯周病などの場合はできないことがある
  5. 相談することが大切 :明確な基準がない以上、自身で治療の可否を判断せずに相談することが大切

これら5つのことから、インプラントに年齢制限はあるのかが分かります。
基本的には未成年、70歳以上の患者さんがインプラントできないケースが多く、
その理由は今回紹介とおり、顎の骨の成長や体力面、健康面などが理由になります。
逆に、そういった部分をクリアしていれば、例え未成年や70歳以上の患者さんでも治療は可能です。