奥歯をセラミックにしても割れませんか?
奥歯の被せ物でセラミックを考えた時、最も不安なのが割れないかどうかですね。
確かにセラミックは金属よりも強度で劣りますし、奥歯は最も力が掛かる箇所でもあります。
このため、奥歯でセラミックを選択することに患者さんが不安を抱くのは当然のことです。
そこで、実際に奥歯をセラミックにすると割れるのか、その対処はあるのかについて説明します。
1. 割れにくいセラミックを選ぶべき
確かに奥歯は負担が掛かる度合いも大きいため、セラミックが割れてしまうことがあります。
だからと言って銀歯にするのは見栄えが悪いですし、二次虫歯などの余計なリスクを伴うことになります。
そうなると方法は一つで、セラミックの中でも割れにくいセラミックを選択することです。
セラミックの種類は一つではないため、種類によっては奥歯の被せ物に適したタイプもあるのです。
そういったタイプのセラミックを使うことで、割れにくさと見栄えの良さを両立させることができます。
つまり、セラミックの選び方次第で割れるという問題は解決できるのです。
2. ジルコニアセラミック
割れにくさならこれがナンバーワンです。ジルコニアは歯よりも硬く、ダイヤの代わりとしても使われます。
見た目自体は美しいものの、透明感はないので審美性はオールセラミックに劣ります。
ただ、目立たない奥歯の被せ物として使用ことを考えると、充分な美しさを誇っています。
硬すぎると言えるほど硬いので、全ての被せ物を含めてもこれが一番割れにくいでしょう。
これらの点から、ジルコニアセラミックは奥歯に使うセラミックとして最適です。
欠点としては費用が高いことで、従来のセラミックよりも2割~3割高い相場になっています。
ちなみに絶対に欠けないと言うわけではないものの、それは金属でも同じことが言えますし、少なくとも他のセラミックに比べれば欠けるリスクは格段に低くなります。
3. メタルボンド
外見はセラミックですが中身は金属なので、結果的に金属と同等の硬さを誇るタイプです。
オールセラミックほどの美しさはないですし、金属が含まれてことによる欠点もあります。
例えば長期間使用した場合、銀歯同様に歯茎が黒ずんでしまうことがあります。
また、金属を使用している以上、いくら見た目がセラミックでも金属アレルギーの引き金となります。
もちろん外見がセラミックなので、それならでの長所もあります。
オールセラミックには及ばないものの、銀歯に比べれば格段に美しいのは言うまでもありません。
他のセラミック同様にプラークも付着のしにくいため、奥歯であっても清潔さを維持できるのです。
保険が適用できないので高額ですが、ジルコニアに比べれば安く治療できます。
4. 割れる要因を防ぐ
そもそもセラミックが割れるには必ず原因があり、それを防ぐことでも割れるリスクを軽減できます。
例えば歯ぎしりが激しい人はセラミックが割れやすいのですが、就寝中に専用のマウスピースを使えば、歯へのダメージを回避することができます。
さらに歯を食いしばるクセがある人は、これもセラミックが割れる要因になります。
クセを直す意識はもちろん、ムダに力を入れるのを止めたりリラックスを意識することで、うっかり歯を食いしばってしまうのを防ぐことができるのです。
こうして割れる要因を防げば、セラミックが割れる機会を格段に減らすことができるのです。
5. 絶対に割れない被せ物はない
現実的に言ってしまえば、100%割れない被せ物は存在しません。
つまり金属であっても割れる可能性はありますし、どんな被せ物でも割れるリスクは発生します。
このため、割れないことを考えるには二つことを意識する必要があります。
一つは単純に割れにくい材質を選ぶことで、おすすめなのはジルコニアやメタルボンドになります。
二つめは割れることに繋がる行動を防止することで、これが歯ぎしりや歯の食いしばりなのです。
これら二つのことを意識しておけば、セラミックをそこまで警戒する必要はありません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、奥歯をセラミックにすると割れるのかについてまとめます。
- 割れにくいセラミックを選ぶべき :同じセラミックでもジルコニアなどの割れにくいものを選ぶと良い
- ジルコニアセラミック :歯よりも硬く、セラミックの中でも奥歯に使うのに最適。費用は高額
- メタルボンド :金属を含んでいるため、金属同等の硬さを誇る。金属アレルギーの人には使えない
- 割れる要因を防ぐ :歯ぎしりや歯の食いしばりなど、割れる要因を防ぐことも割れにくさに繋がる
- 絶対に割れない被せ物はない :そもそも絶対に割れない被せ物は存在せず、金属でも割れる
これら5つのことから、奥歯をセラミックにすると割れるのか分かります。
セラミックの被せ物は一つではなく、様々な種類のものが存在します。
その中でも割れにくいのがジルコニアやメタルボンドであり、こうした割れにくいタイプのものを選ぶことと、割れる要因になることを防ぐことが大切です。
絶対に割れない被せ物は存在しない以上、このような工夫で少しでもリスクを減らすことを考えてください。