歯が痛い時は温める?冷やす?

突然の歯の痛み、そんな時の対処方法を考えた場合、温めた方がいいのか冷やした方がいいのか、果たしてどちらなのでしょうか?
ネットで調べてみても、人によって意見が異なりますし、正しい答えが分からないという人も多いのです。
ここでは、歯痛の時の対処方法をテーマにして、温めるべきか冷やすべきかについて説明していきます。

1. 冷やすのが効果的な理由

歯が痛い時には冷やすことで痛みを和らげることができます。
つまり、温めるべきか冷やすべきかの二択で言えば、冷やすのが正解です。
歯が痛いと感じるのは炎症を起こしているからで、血液の流れが盛んになることが痛みに関わっています。

これは、盛んになった血液の流れのせいで神経が圧迫されるからです。
つまり、血液の流れを落ち着かせることが炎症を抑えることになり、痛みを和らげることにもなります。
冷やして神経を落ちつければ、痛みが和らいでいくのです。

2. 温めるのがダメな理由

これは、入浴を想像すると分かりやすいです。
入浴して身体を温めると血行が良くなりますが、これこそが歯痛の対処に不向きな理由です。
温めることで血行が良くなり、そうなると血液の流れが盛んになります。

一方、歯が痛いと感じるのも血液の流れが盛んになっているからなので、この場合、温めること、そんな血液の流れをより盛んにしてしまうのです。
つまり、温めるのは効果がないどころか、さらに痛みを感じさせる要因になってしまうのです。

3. 冷やし方について

冷やすと言っても方法は様々ですが、正しい冷やし方は、患部を直接冷やさないことです。
例えば、口に氷を含むなど、直接、しかも相当な冷やし方をした場合、これは刺激となってしまいます。
歯が痛んでいる時は神経も敏感になっているため、こうした冷やし方は逆効果なのです。

このため、患部を直接冷やすのではなく、頬の外側から冷やすようにしてください。
また、前述したように極端な冷やし方は余計な刺激を招くため、アイスノンで冷やすような方法はNGです。
水で濡らしたタオル、もしくはシップ、冷えピタなどが温度的にもちょうどいいでしょう。

4. うがいに注意

歯が痛む時、まずうがいをする人が多いですが、この時の注意点を挙げておきます。
それは、冷やすのが効果的だからと言って、冷たい水でうがいをしないことです。
上記で解説したように、患部を直接冷やすのはダメであり、口内に冷たい水を含むうがいも同様です。

このため、うがいをするなら常温、もしくはぬるま湯程度の温度を意識してください。
冷やすのが正しいとは言え、それはあくまでも直接冷やさないことが前提になります。
このため、冷たい水でうがいをするのは、やはり敏感になっている神経に逆効果なのです。

5. 直接冷やして治る場合

何度も解説してきたように、基本的には頬側から冷やして歯の痛みを和らげます。
しかし、人によっては直接冷やした方が治るという意見もあり、氷を含んだら治まったという人もいます。
この違いが生じる理由ですが、これは虫歯の程度が深く関わっています。
虫歯で歯が痛む場合、虫歯が酷いほど痛みも酷くなります。

そして、直接冷やして痛みが治まる場合は、虫歯が酷い状態である可能性が高いのです。
と言うのも、軽度の痛みであれば、直接冷やすことでさらに痛みが増してしまうため、直接冷やした方が、痛みが治まるという人は、それだけ虫歯が深刻な状態であることを示します。
また、知覚過敏の可能性もあるため、やはり最初は頬側から冷やして様子を見るべきです。

6. 応急処置であることを忘れない

冷やして歯の痛みが治まったからと言って、治ったわけではありません。
どんな理由で歯が痛むにしても、歯は自然に治癒しないのです。
つまり、冷やす目的はあくまで痛みを和らげるためであり、治療しているわけではないのです。

ちなみに、歯が痛い時の応急処置は、冷やす以外にもいくつかあります。
それら全てに共通すべきことは、あくまで一時的に痛みを和らげているだけで、治療とは全く別物です。
痛みの根源となっている原因を治療するには、歯科医院に行くことです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯が痛い時は温めるべきか冷やすべきかについてまとめます。

  1. 冷やすのが効果的な理由 :冷やすのが正解。冷やして血液の流れを抑えることで痛みが和らぐ
  2. 温めるのがダメな理由 :温めると血行が良くなる。血行が良くなると痛みが増す
  3. 冷やし方について :直接ではなく頬側から冷やす。冷たいタオルやシップ、冷えピタがいい
  4. うがいに注意 :直接患部を冷やすのはNGなので、冷たい水でうがいするのはダメ
  5. 直接冷やして治る場合 :直接患部を冷やして痛みが和らぐ場合、重度の虫歯が考えられる
  6. 応急処置であることを忘れない :冷やすのはあくまで応急処置。後日歯科医院で治療するべき

これら6つのことから、歯が痛い時は温めるべきか冷やすべきかが分かります。
いくら冷やすのがいいと言っても、冷やしすぎには注意してください。
そもそも歯が痛む時は、激しい温度差などによる刺激は逆効果になります。
このため、頬側から冷やすことを意識して、患部を直接冷やさないことを心掛けてください。