ホワイトニングでなぜ、歯が白くなるのですか?
変色した歯を白くできるということで、多くの人が魅力を感じているのがホワイトニングです。
また、ホワイトニングは今では一般的な治療になりつつありますし、以前よりお手軽さも増しています。
しかし、なぜホワイトニングで歯が白くなるのかまでは、知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここではホワイトニングの仕組みを解説し、同時にホワイトニングの種類についても紹介していきます。
1. どうして歯が白くなるのか
治療の際には薬剤を使うことになりますが、この薬剤に含まれる過酸化水素と過酸化尿素がキーになります。
これらの成分は、一定の温度になることによって変化が起こり、水と酸素に分解されます。
この時、分解された酸素がエナメル質を無色透明に変化させます。
とは言え、変色しているのはエナメル質ではなく、その奥にある象牙質であり、エナメル質は表面に位置します。
つまり、表面のエナメル質が透明になっただけでは、奥にある象牙質の変色が透けて見えてしまいます。
しかし、酸素の効果はそれだけではなく、エナメル質を形成している構造を変化させるのです。
これによってエナメル質は透けなくなり、いわゆるマスキングの効果を果たして、象牙質の変色を隠します。
つまり、エナメル質の構造を変化させ、変色した象牙質を見えなくさせるのが、ホワイトニングの仕組みです。
2. ホワイトニングの注意点
ホワイトニングは、誰にでも行える治療ではありません。
まず、虫歯や歯周病がある人は、ホワイトニングで悪化させる恐れがあるため、これらの治療が先になります。
また、妊婦や現在授乳中の女性にも、ホワイトニングはおススメできません。
歯科医院によっては、妊婦や授乳中の女性に対してホワイトニングを行っているところもありますし、確かに禁止されているわけではありません。
しかし、胎児や母乳に影響があるかどうか、これが現状では解明されていないため、安全性を最優先するなら、避けた方がいいでしょう。
また、ホワイトニングを行った後に、しみや痛みを感じたら、一旦中止し、歯科医に相談してください。
3. ホワイトニングの種類
歯科医院で行うオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニング、さらに、これら両方を兼ねたデュアルホワイトニング、種類としては主にこの三種類です。
もちろんそれぞれ特徴があり、それぞれが持つメリットやデメリットが存在します。
オフィスホワイトニングは、短期間で歯を白くできるものの、後戻りするのも早くなります。
逆に、ホームホワイトニングは、歯が白くなるのに時間がかかるものの、効果が長続きします。
両方を兼ねたデュアルホワイトニングは、効果は申し分ないですが、それだけ費用も高くなります。
4. 市販のホワイトニング歯磨き粉
ホワイトニングの種類を挙げるなら、市販のホワイトニング歯磨き粉を想像する人もいるかと思います。
しかし、これを上記の種類に挙げなかったのは、これは全くの別物だからです。
仕組みも含め、ここで紹介しているホワイトニングは、歯科医院で治療として行うホワイトニングのことです。
一方、市販のホワイトニング歯磨き粉は、使用している成分も全く異なり、過酸化水素も過酸化尿素も使用していないですし、白くするための方法自体も異なります。
もちろん、効果が高いのは、ここで紹介している歯科医院で行うホワイトニングの方になります。
5. 絶対に白くできるのか
いわゆる効果の話になりますが、残念ながら、どんな変色もホワイトニングで白くできるわけではありません。
一昔前は、子供の風邪薬にテトラサイクリンが含まれていましたが、これの影響による変色を白くするのは難しいですし、金属による影響の変色も同様です。
また、白くできると言っても、あなたが思う白さと、歯科医院の想定する白さに相違がある場合もあります。
実際にこれが原因でトラブルに発生する例もあるので、単に歯を白くできると考えず、自身の歯でも効果があるのか、そして、どれくらいの効果をあるのかを事前に確認してください。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングでなぜ歯が白くなるのかについてまとめます。
- どうして歯が白くなるのか :薬剤でエナメル質の構造を変化させ、マスキングさせることで白く見せる
- ホワイトニングの注意点 :妊婦や授乳中の女性にはおススメできない。口内が健康でない人は治療が優先
- ホワイトニングの種類 :歯科医院で行うもの、自宅で行うもの、その両方で行うものがある
- 市販のホワイトニング歯磨き粉 :全く別物で、ここで紹介している仕組みとは無関係なので注意
- 絶対に白くできるのか :テトラサイクリンや金属による変色には効果が期待できない
これら5つのことから、ホワイトニングでなぜ歯が白くなるのか分かります。
白い歯を手に入れるという意味では、ホワイトニングは魅力的な治療方法です。
しかし、そこで生まれる注意点は把握しておく必要がありますし、過剰な期待も禁物です。
つまり、メリットだけでなく、今回紹介した仕組みや注意点もしっかりと踏まえた上で検討してください。