セラミックのデメリットは?
虫歯治療の時に使う被せものとして、セラミックを選ぶ人が増えており、従来の銀歯に代わって、セラミックがメインになりつつあります。
自然な白さを再現したセラミックは、治療跡を目立たなくできますし、見栄えの悪い銀歯に比べて、魅力的に感じるのも納得できます。
しかし、セラミックを選ぶ際には、そんなメリットだけでなく、デメリットを知っておく必要があります。
ここでは、セラミックにおけるデメリットをテーマにして、種類ごとに存在するデメリットを解説していきます。
1. オールセラミックのデメリット
オールセラミックは100%セラミックを使用しており、天然の歯の白さを再現した美しさを誇っています。
金属アレルギーの心配もないですし、耐久性も優れていることから、最高峰のセラミックとされています。
このため、被せものとしての質や、外見においては全く問題なく、むしろ魅力しか感じません。
しかし、その分費用は高額であり、保険が適用できない元々高額なセラミックの中でも、最も高価です。
そして、この高額な費用自体が、オールセラミックのデメリットになります。
ちなみに、実際の費用は10万円以上かかることもあり、単なる被せものとは言えない費用になっています。
2. ハイブリッドセラミックのデメリット
オールセラミックよりも安い費用でできるセラミックです。
これは、100%セラミックではなく、ハイブリッドの名が示すとおり、プラスチックや金属とセラミックが混ざっているのが安い理由です。
とは言え、銀歯に比べれば高額なのは間違いないですし、やはり費用がネックなのは間違いありません。
また、ハイブリッドである点も人によってはデメリットとなり、それは、アレルギーを持っている人の場合です。
金属と混合されている場合は金属アレルギー、プラスチックと混合されている場合はレジンアレルギーに警戒する必要があります。
また、セラミックとは言え、100%セラミックではないため、長期間の使用で変色してしまうこともあります。
3. メタルボンドのデメリット
名前からはセラミックと想像しにくいですが、内側に金属を使用し、その表面にセラミックを焼き付けたタイプです。
金属の頑丈さ、セラミックの美しさの両方を兼ねています。
デメリットとしては、金属を使用している点で、銀歯同様に金属アレルギーの人は使用できないことです。
また、金属を使用している点で頑丈なのは間違いないですが、表面はあくまでセラミックです。
このため、他のタイプ同様に、あまり強い力がかかってしまうことで、表面が割れてしまうこともあります。
さらに、内側が完全に金属になっているため、歯茎が痩せてしまうと、その金属が見えてしまいます。
4. ジルコニアセラミックのデメリット
欠けるセラミックの欠点を補ったタイプで、従来のセラミック以上の硬さを誇るタイプです。
金属以上に硬いにも関わらず、金属よりも軽く、セラミックであるために金属アレルギーの人でも使えます。
ただし、ジルコニアセラミックは、従来のセラミック以上に高額になるため、やはり費用がネックです。
また、長所でもある硬さが、場合によっては短所になり得ることもあります。
なぜなら、ジルコニアは歯よりもさらに硬いため、噛んだ時に噛み合わせた歯を傷つけることがあるのです。
また、いくら頑丈とは言え、絶対に欠けないとまでは言えないため、欠ける可能性は低いものの、過剰な期待をしていると、それもデメリットになってしまいます。
5. 共通しているデメリット
セラミックの種類ごとにデメリットを挙げてきましたが、これらの中で、いくつか共通していることがあります。
一つは費用の問題、もう一つは欠けるという点です。
セラミックは基本的に保険適用外のため、セラミックの中で費用の差はあるものの、保険が適用される銀歯やコンポジットレジンなどに比べると、格段に高額になります。
また、欠けるという点もセラミックに共通するデメリットです。
被せものとして必要なのは硬さだけではないですし、それ以外の部分ではセラミックは優秀です。
しかし、硬さにおいては金属に劣るため、強い力で噛んだ時や、強い歯ぎしりで欠けてしまうことがあるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、セラミックのデメリットについてまとめます。
- オールセラミックのデメリット :最高峰の質と美しさが特徴だが、それだけに高額で、10万円以上する
- ハイブリッドセラミックのデメリット :金属やプラスチックが混ざっており、アレルギー持ちの人は使えない
- メタルボンドのデメリット :金属アレルギーの人には使えない上、表面のセラミックが欠けることもある
- ジルコニアセラミックのデメリット :硬いのが利点だが、硬すぎるために歯を傷つけることがある
- 共通しているデメリット :費用の高さ、欠けることがある、これらがセラミックに共通したデメリット
これら5つのことから、セラミックのデメリットについて分かります。
費用の高さはもちろんですが、注意が必要なのは、金属アレルギーやレジンアレルギーを持っている人です。
“セラミックは金属アレルギーの人でも平気”、そんな宣伝をよく耳にしますが、これはオールセラミックを示しており、セラミック全てが安全というわけではないのです。
今回紹介したデメリットを参考にして、メリットと合わせ、セラミック治療の検討に役立ててください。