定期検診は何故必要なのですか?
定期検診が面倒だと感じる方は少なくありません。
歯医者と言えば痛いイメージがあるので、できるだけ行きたくないという心理が働きます。
せっかく治療が終わって歯医者から離れられたのに、何故、定期検診を受けなければならないのでしょうか?
定期検診で歯を残そう!
定期的に検診を受けている方は、受けていない方に比べて、圧倒的に歯の残る率が高いということがわかっています。
なぜでしょうか。
歯を失う原因のトップは虫歯ではなく、歯周病なのです。
歯周病は、自分では進行に気づくことができません。
歯ぐきの中でひっそりと、長い時間をかけてすすんでいく病気なのです。
歯を失うことで、おいしく食事ができなくなるだけではありません。
噛む、食いしばるという基本的なことができないと、体全体のバランスにも影響してしまうのです。
定期検診は、1度受ければ良いわけではありません。
定期的に受けて初めて意味があるものです。
長くても半年に1度は検診を受けることをお勧めします。
今すぐ歯が抜けてしまうわけではなくても、将来的にずっとおいしく食べ、自分の歯で生活することで、体全体の健康を保つことができるのです。
定期検診を受けるその他のメリット
1.治療が必要な歯をより早く見つけてもらえる
虫歯になって痛くなったら歯医者さんへ行く、という方によくお会いします。
「虫歯を一気に直してもらえるから」という意見も聞いたことがあります。
実はこれは大間違いです。進行した虫歯を治療するのには何段階もの行程が必要です。
軽い虫歯なら短い時間で1度の治療で治すことができます。
痛くなった虫歯は大抵、神経を抜くことになります。
神経を抜いた歯は、水分を失った枯れ枝のように折れやすくなります。弱くなり、長持ちしないのです。
しかし、痛くなる前に隠れた虫歯を見つけるのは、自力では難しいのも現実です。
それを定期検診で見つけてもらうことで、早い段階での治療を行うことができます。
2.虫歯になりにくい状態を保てる
定期検診と歯のお掃除をセットで行っている歯医者がほとんどです。
実は歯のお掃除というのは綺麗になった、口臭を予防できる、だけのものではありません。
歯の表面に菌がつきにくい状態を保つことによって、虫歯になりにくい環境を作っているのです。
歯のお掃除では、まず歯石を除去します。
歯石は軽石のように中に見えない空洞がたくさんあいていて、そこに虫歯菌や歯周病菌がたまり、歯や歯ぐきを攻撃します。
また歯石が歯と歯ぐきの間にたまることで、それより奥にいる菌を歯磨きで取り覗くことができません。
そんな歯石をお掃除で取り除くと、歯ブラシでは取れなかった虫歯菌や、歯周病菌が洗い流されます。
また、PMTCという専門的歯面清掃を受けることで、歯の表面がツルツルになり、歯の表面に虫歯菌や歯周病菌、またその温床となる歯石がつきにくい環境を作ることができます。
そうすることで、検診と検診の間の期間中も虫歯になりにくい状態を保つことができるのです。
3.歯周病を予防できる
虫歯と違い、ゆっくりと進行する歯周病は、自分では気づけないことがほとんどです。
年齢を重ねてから初めて、「歯がグラグラするなー」と歯周病が進行していることに気づくのです。
そうならないためにも、定期的に歯医者さんでチェックしておくことは大切です。
検診では、歯周病がどれほど進行しているのかを調べ、改善するための指導を受けることができます。
歯磨き指導は軽い気持ちで聞きたくなりますが、歯周病の進行を抑えるために大切な話をしているので、しっかり聞くようにしましょう。
4.口臭予防になる
検診を受けて初めて、歯周ポケットが深くなっていたり、歯石が溜まっていたり、菌の温床となっている場所があることに気づく場合があります。
自分でも気づかないうちに、口臭の原因となっているので、それらを検診で見つけ出し、取り除いてもらうことで口臭が改善されます。
また検診と一緒にお掃除を受けることで、自分ではどうしてもとることができない歯の表面の汚れや、歯石などを取り除き臭いの原因となる菌が洗い流されて、口臭を改善し予防することができるのです。
結論とまとめ
まとめ
検診を受ければ
- 虫歯などを早めに見つけてもらえます
- 虫歯になりにくい環境を保てます
- 歯周病を予防できます
- 口臭予防になります
年齢を重ねても、歯を大切に残すために、毎日のケアに加えて定期検診を受けるようにしましょう。
今では歯医者は、歯を治す場所ではなく、虫歯や歯周病を予防する場へと変化しているのです。
歯の健康を守ることは、体全体の健康を守ることだということを意識するなら、定期検診を受ける意欲が高まります。