• ホーム
  • ブログ
  • 人によって、「虫歯のなりやすさ」に差はあるのでしょうか?またあるとすれば原因は?

人によって、「虫歯のなりやすさ」に差はあるのでしょうか?またあるとすれば原因は?

はい、確かに「虫歯のなりやすさ」には差があります。
虫歯の原因となる菌の強さ自体は変わりません。
虫歯に対して抵抗する力がどれほどあるか、また虫歯菌が増えやすい環境になっているかいないかなどが、大きな原因となります。

虫歯になりやすくする要因

1.歯並び

歯並びは虫歯になりやすいかどうかに影響を与えます。
歯並びが良い場合には、虫歯菌がひそむ場所が少なくなります。
歯並びが悪いと、歯と歯の間だけでなく、歯ブラシが届きにくいあらゆる場所に虫歯菌がたまります。

歯並びが悪い人と良い人が同じ時間同じ仕方で歯磨きをしても、虫歯菌を取りきる度合いがことなるので、歯並びが悪い人は「虫歯になりやすい」ということになります。

2.唾液の量

虫歯になりやすいかどうかに大きく影響するものとして、唾液の量が挙げられます。
唾液の量が多いと、口の中で「自浄作用」というものが働きます。
これは洗濯機を例として考えるとわかりやすいでしょう。

洗濯機にたっぷり水を入れて回すのと、洗濯機に少しだけ水を入れて回すのでは、汚れの取れ方は異なります。
水が容量分入っている方が、汚れをしっかり洗い流すことができます。
水が足りないと、洗濯物は回らず、汚れも洗い流されないので汚れが残ってしまいます。

唾液の量は先天的に多い人と少ない人がいますが、よく噛んで食べたり、口を閉じて鼻呼吸を心がけることで、口の中の唾液を増やす努力ができます。
この点については、後半でもう一度考えます。

3.唾液の質

歯医者さんでは、唾液の質を調べる「サリバテスト」というものがあります。
唾液の質は、虫歯になりやすいかに大きく影響します。唾液に虫歯菌に対する抗菌力が十分にあると、虫歯の活動を抑えることができます。
また、唾液中に、カルシウムやリンが十分に含まれているなら、歯の再石灰化を促し、虫歯になりかけた歯を自力で元に戻してくれます。

虫歯菌は酸を作り出しています。
酸は歯を溶かす直接的な原因です。
唾液中に酸を中和する緩衝能力が十分にあれば、虫歯菌の活動は抑えられ、歯が溶けにくい環境を作ることができます。

4.虫歯菌の数

虫歯菌の数は、「虫歯のなりやすさ」に大きく影響します。
これも唾液の量を確かめる、サリバテストで調べることができます。
虫歯の原因となる菌が多いと、唾液の中和力が間に合わず、虫歯になってしまいます。

唾液の量や質が十分の場合、徹底した歯磨きを毎日行うことによって改善されます。
自分が虫歯になりやすいと感じる場合、その原因を知っておくことで、生活習慣や歯磨きの習慣から改善していくことができるのです。

5.生活習慣

毎日の歯磨きの習慣は、人によって異なります。
同じ時間に磨いていたとしても、磨き方の微妙な癖などが異なるので、これも「虫歯のなりやすさ」に影響します。

また、食習慣も「虫歯のなりやすさ」に大きく影響します。
普段から糖分が多く入った炭酸飲料を飲む癖があったり、だらだら食べをする習慣があると、虫歯になりやすいので注意が必要です。
これは、もともと持っているものではなく、習慣を改善することで、虫歯になりにくい環境を作ることができます。

虫歯になりにくい環境を作るには?

1.生活習慣の改善

虫歯の原因となるお菓子や飲料を1日のうちに何度もとる癖が付いている場合、その習慣を改善することで、虫歯を予防することができます。
だらだらと食べたり、時間をあけずにそれらのものを口にすることで、唾液の自浄作用が働く暇を与えず、歯も再石灰化されないまま、虫歯に進んでしまいます。

食べる時間とそうでない時間を分け、間には糖分の含まれていない水やお茶を飲むようにするだけで、虫歯になりにくい環境を作ることができます。
日頃のちょっとした心がけが大切だということがわかります。

2.自分にあった歯磨き

自分では完璧に歯磨きできていると思っていても、誰しも癖があり、磨き残しになっている部分があります。
そういった部分に虫歯菌は溜まっていくので、歯医者で歯磨き指導を受けることをお勧めします。

唾液の質を変えるのは難しいですが、菌を自分で取る努力はすることができます。
また、こまめに歯医者さんで検診とお掃除を受けることで、歯の表面に菌がつきにくくなり、唾液の質が理想的ではなくても、虫歯になりにくい環境を作ることができます。

3.唾液を増やす癖をつける

まず口呼吸をしておられる方は、意識的に鼻呼吸に切り替えましょう。
そうすることで、唾液を口の中にため、乾燥しにくい口腔内環境を作ることができます。
口呼吸をしていると、口腔内が乾燥し、唾液の自浄作用が働かないので虫歯菌が増殖してしまうのです。

また、よく噛んで食べることでも、唾液を増やすことができます。
噛めば噛むほど、唾液が出て口の中で唾液がよく周ります。きちんと動く洗濯機のように、口の中が綺麗になるのです。

結論とまとめ

まとめ

虫歯になる原因には以下のものが挙げられます。

  1. 歯並び:歯並びが悪いと虫歯菌がひそむ場所が増えてしまいます。
  2. 唾液の量:唾液が多ければ、口の中の菌を洗い流す自浄作用が効果的に働きます。
  3. 唾液の質:抗菌力や、酸の中和能力、再石灰化を促す能力が十分にあれば、虫歯になりにくい環境を作り出してくれます。
  4. 細菌の量:虫歯菌が多ければ、虫歯になりやすくなります。
  5. 生活習慣:歯磨きの習慣や、食べ方の習慣で、虫歯へのなりやすさが大きく変わります。

人によって「虫歯のなりやすさ」には差があります。
大切なのは、自分は虫歯になりやすいのか、なりにくいのかを知り、生活の中で何を改善すれば虫歯を防ぐことができるか考えていくことです。