予防歯科って何?

虫歯や歯周病にならないために行う行為です。

予防歯科とは、虫歯になったり歯周病になった口腔内を治療するのではなく、そうならないために行うケアのことです。
大きく分けて歯科医院で行うプロフェッショナルケアと本人が行うセルフケアに分けられます。
近年、多くの歯科医院でも予防歯科に力を入れています。
それは、大切な歯を失わないために行われており、この予防歯科のおかげで虫歯や歯周病になっている人が減少しているデータもあります。
また、加齢に伴い失われやすい歯ですが、80歳で自分の歯を20本残そうという8020運動というものも実践されており、予防歯科の効果でその目標を達成されている方が増えています。
予防歯科は目に見えて大きな変化がないので、モチベーションの維持や歯科医院での定期検診など長く続けることがどうしても難しいのですが、変化がないこそこそ予防歯科の良いところでもあります。
変化があるということは口腔内になにか異常があったりする可能性もあるからです。
変わらないことが良いこと、これが予防歯科なのではないかと思います。

予防歯科の種類

1) プロフェッショナルケア

プロフェッショナルケアとは、歯科医院で定期検診を受けることです。
歯科衛生士による磨き残しのチェック、また、歯石取りなどの口腔内のクリーニングで口の中を清潔にするだけでなく、正しい歯磨きの方法を教えてもらうブラッシング指導、歯科医師による噛み合わせのチェックなどを行います。
ほかには、フッ化物という虫歯になりにくい歯を作るための薬液を直接歯に塗ったり、虫歯になりやすいところにあらかじめ歯の色をした材料を詰めて虫歯にならないようにするシーラント治療などを受けることができます。

2) セルフケア

みなさんが毎日行うケアのことです。一番手軽に行えて効果的なのが歯磨きです。
歯磨きはしっかり行うことで食べかすなどの食渣を除去するだけでなく、虫歯菌の温床であるプラーク(歯垢)を掻き出すことで虫歯を予防することができます。
加えて、歯磨き粉を使用して歯磨きをしたり、洗口液を使用して口の中を清潔に保ったり、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間の磨きづらい部位を綺麗にするなどデンタルケア用品を併用することでより効果の高いセルフケアを行えると思います。
しかし、すべてのケア用品においてもケアの方法を間違えてしまえば満足な効果を得ることができません。
ですので、歯磨きの方法もまずは歯科衛生士のブラッシング指導を受けることをお勧めします。

フッ化物とは?

先ほど、虫歯にならないためにフッ化物を歯に塗布するといいましたが、フッ化物とはそもそもどのようなものなのでしょうか?

まずフッ化物を使用することで期待される効果として、エナメル質にフッ化物が沈着することによる歯の再石灰化の促進と、歯垢中へのフッ化物の蓄積により抗菌作用を与えます。
そしてフッ化物の蓄えとして機能することよって、虫歯菌が歯への侵襲時に脱灰の抑制とともに再石灰化を促進させます。
よって虫歯に強い歯を作ることができます。

現在日本では、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズの3種類の使用が承認されており、世界中でも最も有効性が確立され、使用されています。
アメリカなどの口腔保健の先進国では90%を超える普及率を誇り、日本でも近年になってフッ素が含まれている歯磨剤やスプレーなどのケア用品のシェアが上昇しています。
しかし、どのケア用品も日本の薬事法によりフッ化物の濃度は1000ppm以下に規制されています。
ですが、歯科医院で使用できるフッ化化合物は市販されているケア用品と比べて濃度が高くなっているので、歯科医院でフッ化化合物を直接歯の表面に塗布することにより、効果の高い虫歯予防を行うことができます。

とにかく日々のセルフケアが大切です。

歯科医院での定期検診は個人によって異なりますが、大体3~6ヶ月に1回とされており、その間は自分でセルフケアを行わなければなりません。
定期検診を受けて歯を綺麗にしたりフッ化物を塗布することによって歯を強くしたりはできますが、それだけでは虫歯になるリスクはぬぐい切れません。
ですので、毎日食後に行う正しい歯ブラシ、そしてデンタルフロスなどのケア用品を併用して磨き残しをなくすことが重要になってきます。
口の中には常に虫歯菌でいっぱいです。
しかし、その虫歯菌は歯に付着しなければ虫歯になることはありません。
つまり、虫歯菌の温床であるプラーク(歯垢)を除去することで虫歯になるリスクを大きく軽減させることができます。

ですが、先ほども書きましたが、多くの人は正しい歯磨きをしていないので磨きの残しがあります。
人それぞれ虫歯になりやすい、なりにくい体質がありますが、ブラッシング指導を受け、しっかり毎日歯磨きをすることが虫歯予防、予防歯科に繋がります。