歯周病の説明を聞いても、専門用語が多くて分かりづらいです

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の解説において使われる用語の説明」です。
歯周病は怖い病気ですが、解説の中で専門用語が登場すると怖さも実感しにくいでしょう。

例えば、歯周病の解説の中では「歯周ポケット」「プラークコントロール」などの用語が登場しますが、
これらの意味を理解できてこそ歯周病という病気を理解できるのです。
そこで、ここでは歯周病の解説において登場する専門用語の意味を説明していきます。

「歯周ポケット」とは何?

歯周ポケットとは、歯の歯肉の境目に存在する溝を意味します。
本来、この溝は歯肉溝と呼ばれており、健康な状態であれば深さは1~2ミリ程度なのですが、
歯周病が発症すると歯肉に炎症によって溝が深くなるのです。

このように、歯周病によって深くなった溝を歯周ポケットと呼びます。
歯周ポケットは歯周病菌にとって繁殖に適した環境であり、
そのため歯周ポケットの中では細菌が繁殖し、歯周病の進行に比例して溝は深くなっていきます。

「プラークコントロール」とは何?

プラークコントロールとは、「効率良くプラークを除去すること」「プラークの増殖を防ぐこと」を意味します。
これを行うのは本人…すなわち患者さん自身であり、前者は歯磨き、後者は食生活の改善が主な方法になるでしょう。
まず歯磨きですが、これはただ磨けば良いわけではなく、精密さが求められます。

そのため、ブラッシングだけの歯磨きでは不充分であり、
正しい歯磨きの仕方を覚えた上でデンタルフロス・歯間ブラシの使用が必要です。
次に食生活の改善ですが、これは糖の摂取を控えること、栄養バランスのとれた食事をすることが求められます。

「歯周外科処置」とは何?

歯周外科処置とは言い換えれば手術であり、歯周病の治療において必要になることがあります。
歯周病治療の基本は口の中を清潔にすることで、そのため治療時には歯周ポケットの溝も清掃しますが、
歯周病があまりにも進行している場合、歯周ポケットの溝が深すぎて医療器具での清掃が困難です。

その場合は歯肉を切開して歯根を露出させ、外側から歯周ポケットの清掃を行います。
この時行う手術はフラップ手術と呼ばれるもので、このフラップ手術が歯周外科処置に含まれます。
つまり、重度の歯周病の場合に歯周ポケットの清掃において必要になる可能性のある治療です。

「歯槽骨」とは何?

歯槽骨は歯の骨の一種であり、その役割は歯を支えることにあります。
一見すると歯は歯肉に支えられているように見えますが、
歯肉は歯や骨を取り囲む組織であり、歯を支えているのは歯の下に位置する歯槽骨です。

歯周病は歯の骨の病気であり、進行するとこの歯槽骨が溶かされてしまうのです。
歯槽骨は歯を支えていますから、その歯槽骨が溶かされれば歯は支えを失って抜け落ちてしまいます。
「歯周病になると歯が抜ける」というのは、このように歯槽骨が溶かされることが理由です。

「歯肉炎」とは何?

歯周病になると歯肉に炎症が起こりますが、歯肉に炎症が起こると聞くと歯肉炎を連想するでしょう。
そこで歯周病と歯肉炎の違いを説明すると、実はこれらはイコールであり、歯肉炎とは初期の歯周病を意味します。
歯周病は進行する病気であり、症状に合わせて3つの進行度に分けられています。

具体的には「初期段階」「中期段階」「重度段階」の3段階に分けられているのですが、
それぞれの段階には「初期段階=歯肉炎」「中期段階=歯周炎」「重度段階=歯槽膿漏」と病名がつけられています。
つまり、歯肉炎は初期段階の歯周病、歯周炎は中期段階の歯周病、歯槽膿漏は重度段階の歯周病ということです。

「歯石」とは何?

歯石とは、歯と歯の間や歯と歯肉の間に発生する白い塊です。
これは目で見て確認できるため、鏡を見れば自分に歯石があるかはすぐ分かります。
ただ、この歯石がいつの間に発生するのか分からない人も多いでしょう。

歯の表面には細菌の棲み処であるプラークが付着していますが、このプラークが石灰化したのが歯石です。
プラークは歯磨きで除去できるものの、それが石灰化した歯石は歯磨きで除去できず、
除去するには歯科医院で専用の医療器具を使う必要があり、歯石があると歯周病の進行が早まります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の解説において使われる用語の説明についてまとめます。

1. 「歯周ポケット」とは何? :歯と歯肉の間の溝。歯周病になるとこの溝が深くなって細菌が溜まる
2. 「プラークコントロール」とは何? :効率良くプラークを除去し、なおかつプラークの発生を抑えること
3. 「歯周外科処置」とは何? :重症化した歯周病で行われる治療。フラップ手術と呼ばれる
4. 「歯槽骨」とは何? :歯を支える骨。歯周病はこの歯槽骨を溶かす病気で、歯が抜け落ちる原因になる
5. 「歯肉炎」とは何? :初期段階の歯周病のこと。中期段階の歯周病は歯周炎、重度段階の歯周病は歯槽膿漏
6. 「歯石」とは何? :プラークが一定時間経過して石灰化したもの。歯磨きでは除去できない

これら6つのことから、歯周病の解説において使われる用語の説明について分かります。
このような用語が分かれば、歯周病という病気をより理解しやすくなるでしょう。
歯周病は進行すると歯を失ってしまう怖い病気です。自覚症状も少ないことから発症しても気づきにくく、
そのため定期的に検診を受けて医師に歯周病の有無を確認してもらいましょう。