歯周病は親から子どもにうつるのか

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病が人から人にうつる可能性」です。
歯周病は細菌による感染症であり、つまり風邪のように細菌に感染することでうつります。

だとすれば、風邪のように人から人にうつるということになり、実際に歯周病はうつります。
もっとも、症状そのものが直接うつるわけではないですが、原因菌が移動することはあり、
例えば親から子どもにうつってしまうこともあるのです。

1.人から人へうつる経路

歯周病がどうやって親から子へうつるのか?…それは唾液です。
歯周病の原因菌は唾液を介して人から人にうつるため、
つまり唾液を介す行為することで親から子へうつってしまうことがあります。

  • 歯ブラシの接触
  • 食器の接触
  • 食器の共用
  • キス
  • 回し飲み

ちなみに、唾液を介す行為としてはこれらのことが挙げられます。
ただし、正確には歯周病がそのままうつるわけではなく、歯周病の原因菌がうつる形です。
ですから、例えば親が中度の歯周病だったとして、その症状がそのまま子供にうつるわけではありません。
それでも歯周病の原因菌がうつるわけですから、その時点で子供には歯周病が発症するリスクが生まれます。

2.夫婦や恋人の間でもうつる

歯周病の原因菌は親子に限らず、夫婦や恋人の間でうつることもあります。
と言うのも、上記でお伝えした唾液を介す行為は、夫婦や恋人の間でも行うことだからです。
その意味で言えば、例え友達同士だとしてもやはりそれらの行為を行えば歯周病の原因菌はうつります。

友達同士なら、ドリンクの回し飲みをする可能性もあるからです。
親子、夫婦、恋人…これらの間での歯周病の感染を防ぐには、
自分だけでなく相手も歯周病の予防を徹底してなければなりません。
また自分が歯周病の予防を怠ると、子供や家族にうつしてしまう可能性があることを知りましょう。

3.子どもも歯周病は発症する

「親から子に歯周病がうつる」と聞いて、子供が歯周病になることに驚いた方も多いと思います。
歯周病は歯が抜け落ちるという症状から、高齢に方のみに発症するイメージが強いですからね。
しかしそれは間違いで、歯周病は若くても発症しますし、実際に歯周病の低年齢化が問題になっています。

とはいえ、若ければそれだけ代謝も活発ですから、歯が抜け落ちるほど歯周病が進行することはないでしょう。
それでも歯周病の初期段階にあたる歯肉炎は発症しますし、
割合で言うなら小学生や中学生の約半数近くが、歯肉に何らかの異常を抱えていると言われています。

4.歯周病が発症しやすい人

歯周病になるリスクは人によって違います。
特に、次の項目に該当する方は、歯周病になるリスクが高いため注意が必要です。

  • 女性(女性ホルモンを栄養源とする歯周病の原因菌が存在するため)
  • 疲労やストレスが溜まっている(身体の免疫力が低下しており、歯周病の原因菌に感染しやすいため)
  • 歯石がある(歯石はザラザラしており、歯石があるとそこにプラークが溜まりやすくなるため)
  • 噛み合わせが悪い(噛み合わせが悪いと歯と歯肉に負担をかけ、歯肉が炎症を起こしやすいため)
  • 口呼吸をしている(乾燥した空気を直接口の中に取り込むことで、歯周病の原因菌が繁殖しやすいため)
  • むし歯がある(むし歯を予防できていないということは、歯周病も予防できていない可能性があるため)

5.歯周病の予防方法

歯周病を予防するには以下の3つの方法が効果的です。
徹底的に予防するには、どれが1つではなく全ての方法を実践しましょう。

精密な歯磨きをする

ブラッシングだけの歯磨きではプラークの除去率は一般的に60%…つまり40%の磨き残しが発生します。
これでは予防として不充分なので、プラークの除去率がより高まる歯磨きが必要です。
それにはデンタルフロスや歯間ブラシの使用、プラークを染色するプラークテクターの使用がおすすめです。

生活習慣の見直しと改善をする

歯周病は生活習慣病ですから、日常生活の中にも発症の要因が潜んでいます。
例えば、上記で紹介した唾液を介す行為に注意することも予防の1つですし、
タバコを吸わない、身体の免疫力を低下させないなどの見直しと改善が必要です。

歯科医院で定期検診を受ける

定期検診では歯のクリーニングやブラッシング指導を行うため、歯周病を予防しやすくなります。
また、生活習慣の見直しと改善における具体的なアドバイスもしてもらえます。
仮に歯周病になった場合も、定期検診を受けていれば早期発見による治療が可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病が人から人にうつる可能性についてまとめます。

  1. 人から人へうつる経路:唾液を介す行為
  2. 夫婦や恋人の間でもうつる:唾液を介す行為をする可能性があるため
  3. 子どもも歯周病は発症する:例えば、歯肉炎は初期の歯周病に相当する
  4. 歯周病が発症しやすい人:疲労やストレスが溜まっている人、歯石がある人、女性など
  5. 歯周病の予防方法:精密な歯磨きをする、生活習慣を見直して改善する、定期検診を受ける

これらのことから、歯周病が人から人にうつる可能性について分かります。
歯周病は自分だけ予防していれば、予防できるものではありません。
家族が歯周病にかかっていれば、その家族から原因菌をうつされてしまう可能性もあり、
その意味では家族全員で予防意識を高めることが望ましいでしょう。