虫歯の原因は何ですか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯が虫歯になる原因」です。
虫歯は歯を磨いていれば予防できるイメージがありますが、それでも発症してしまうことがあります。

そこで、虫歯の原因をもっと深く詳しく考えてみましょう。
どのようにして虫歯になるのか、“甘いものを食べると虫歯になりやすい”の一言ではなく、
虫歯になるメカニズムを含めて分かりやすく解説していきます。

脱灰と再石灰化

口の中では常に脱灰と再石灰化が行われており、この脱灰と再石灰化が虫歯に深く関係してきます。
そこで、まずはそれぞれの意味について説明しましょう。

脱灰とは?

プラークを形成して棲み処として虫歯菌が、酸を出して歯のミネラル成分を溶かす現象です。
脱灰によってカルシウムやリン酸が失われた歯の結晶構造は脆くなります。

再石灰化とは?

脱灰によって失われたミネラル成分を、唾液に含まれるミネラル成分によって修復する現象です。
唾液に含まれるカルシウムやリン酸によって歯が修復され、歯は元の健康な状態に戻ります。

このように、脱灰によって溶かされた歯は再石灰化によって修復されます。
脱灰と再石灰化は常に繰り返されますが、脱灰が優勢になることで再石灰化が追いつかず、
つまり脱灰と再石灰化のバランスを崩れることで虫歯になってしまうのです。

虫歯を引き起こす要因

虫歯を引き起こすのは、「細菌」・「食物の性質」・「歯質」・「時間」の4つの要因が絡んでいます。
4つの要因が重なり、なおかつ条件が満たされることで歯は虫歯になると考えられるでしょう。

要因1. 「細菌」

虫歯の原因菌…すなわち虫歯菌のことを示します。
虫歯菌は多くの人の口の中に常在菌として存在していますが、その数は人によって差があります。
当然、虫歯菌が多く存在している人ほど虫歯になりやすいといえるでしょう。

要因2. 「食べ物の性質」

多種多様な食べ物の中でも、糖が含まれる食べ物は虫歯になりやすく、
これは虫歯菌が糖をエネルギーとして増殖し、より多くの酸を出すようになるからです。
また、粘着性のある食べ物は残骸として残りやすく、細菌が増殖する原因になります。

要因3. 「歯質」

エナメル質の構造・歯並び・歯の形・唾液の量などを示します。
エナメル質の結晶構造が強固な人だと虫歯になりにくく、
一方で歯が重なっている人や唾液の量が少ない人は虫歯になりやすいでしょう。

要因4. 「時間」

時間とは、食べ物が口の中に停滞している時間を示します。
この時間では脱灰が起こっているため、それが長い人ほど虫歯になりやすく、
例えば“間食が多い人”や“ダラダラ食いをする人”などがこれに該当します。

虫歯になりやすい人

上記で解説した「虫歯を引き起こす4つの要因」から、虫歯になりやすい人の特徴が分かってきます。
虫歯になりやすい人の特徴…それは「虫歯の原因」と言い換えることもできるでしょう。

歯磨きが不充分

歯磨きは頻度よりも精度が大切、例え何回歯を磨いても磨き残しが多ければプラークを除去できません。
歯磨きが不充分な人の口の中にはプラークが長く停滞するため、虫歯になるリスクが高まります。

食生活に問題がある

甘い物を食べる人、間食が多い人、時間をかけてダラダラ食べる人が該当します。
これらの食生活だと脱灰の時間が長くなり、さらに脱灰の力が強くなって虫歯になるリスクが高まります。

虫歯菌が多く存在している

口の中に存在する虫歯菌の数が多い人ほど、虫歯になるリスクは高まります。
原因として、歯磨きの仕方が悪いことや歯並びが悪いことが挙げられます。

歯が弱い

エナメル質が薄い歯は弱く、虫歯になるリスクが高い状態になっています。
乳歯の子どもが虫歯になりやすいのはそのためで、フッ素などでエナメル質を強化する必要があります。

唾液の質に問題がある

最も虫歯になりやすいのは、ねばついていて唾液の量が少ない人です。
唾液の分泌が低ければ再石灰化が不充分になり、細菌が流れず口の中で停滞してしまいます。

歯並びが悪い人

歯並びが悪い人は虫歯になるリスクが高く、その理由はいくつかあります。
例えば、噛み合わせが悪い・歯磨きがしづらい・歯と歯が重なって細菌が溜まるなどの理由が挙げられます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯が虫歯になる原因についてまとめます。

1. 脱灰と再石灰化 :脱灰とは歯のミネラル成分が溶かされること、再石灰化とは歯を修復すること
2. 虫歯を引き起こす要因 :細菌・食べ物の性質・歯質・時間の4つの要因が重なって虫歯になる
3. 虫歯になりやすい人 :歯磨きが不充分・食生活に問題がある・虫歯菌が多く存在しているなど

これらのことから、歯が虫歯になる原因について分かります。
虫歯になるメカニズムは複雑ですが、そのメカニズムを理解することで効果の高い予防方法も見えてきます。
まず基本は精密な歯磨きを行うこと、これはデンタルフロスを使って磨くと良いですね。

次に食生活を改善すること、口にする食べ物の質によって虫歯になるリスクは高くも低くもなるため、
栄養バランスを考えた上で虫歯になりやすい食べ物はできるだけ避けましょう。
また、歯の健康状態を確認するため定期的に検診を受けるのも予防につながります。