虫歯を放置した場合、痛みに変化はありますか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「虫歯を放置した場合の痛みの変化」です。
虫歯治療というのは大人でも嫌に思うもので、そのため虫歯を放置する人がいます。

さて、虫歯において最も嫌なのは「痛み」でしょう。歯が痛むのはとても辛いですからね。
ちなみに、こうした虫歯の痛みは常に一定というわけでなく、虫歯の進行度によって変化していきます。
それと同時に、治療で感じる痛みも変化するわけで、今回はそんな虫歯の痛みの変化について説明します。

虫歯の進行について

虫歯は進行する病気で、一度でも進行すれば自然に治ることはありません。
ちなみ虫歯の進行度は4段階に分けられており、それぞれ「C1」、「C2」、「C3」、「C4」と表します。
正確には「CO」(シーオー)と呼ばれる段階もありますが、これは虫歯になりかけの状態です。

今回は「虫歯の痛みの変化」がテーマですが、感じる痛みは「C1」~「C4」までで全く異なります。
詳しくは以下で説明していきますが、痛みの変化で知っておくべきことは2つです。
1つは虫歯が進行すれば痛みも増すということ、もう1つは「痛くない=安全」とは限らないということです。

 「C1」段階の痛み

「C1」段階は歯の表面のエナメル質だけが虫歯になった状態で、分かりやすく表現すれば初期の虫歯です。
元々エナメル質は歯を保護しているため、刺激に対して敏感ではありません。
このため、エナメル質が虫歯になっても痛みを感じることはないのです。

虫歯による痛みもなく治療による痛みもない、さらに初期の虫歯ですからこの時点で治療するのが理想です。
ただし痛みを感じない時点で自分が虫歯であることに気付きにくいため、
普段から定期検診を受けている人でないとこの時点で虫歯に気付くのは難しいでしょう。

「C2」段階の痛み

「C2」段階は虫歯が象牙質まで進行した状態です。
象牙質は刺激に対して敏感ですし、虫歯が進行しているためエナメル質の保護も届きません。
このためこの段階になると痛みを感じますし、冷たいものや熱いものを食べてもしみるようになります。

治療時も象牙質まで歯を削る必要があるため痛みがあり、対処として治療時は麻酔を使用します。
多くの人が抱いている虫歯の痛みへのイメージと治療内容のイメージは、この「C2」段階の虫歯です。
痛みを感じることで虫歯に気付くため、そこで放置さえしなければこれ以上進行することはありません。

「C3」段階の痛み

「C3」段階は虫歯が歯の神経…つまり歯髄まで進行した状態です。
ここまで虫歯が進行すると痛みが増し、痛いと言うよりもズキズキとした激痛を感じます。
しかも常にその痛みを感じるため、夜は眠れないですし私生活も辛いでしょう。

歯の痛みは本来痛め止めで一時的に抑えることができるものの、
「C3」段階ほどの虫歯の痛みだと痛み止めを飲んでもあまり効果がない場合もあります。
治療も大掛かりなものになり、神経の除去を含めた難易度の高い根管治療が必要です。

 「C4」段階の痛み

「C4」段階は虫歯の末期段階です。ただし痛みは全くなく、これは歯の神経が死んでしまったためです。
「C3」段階で歯の神経まで虫歯が進行すると、治療において歯の神経を除去しなければならないですし、
治療しなかった場合も神経が死んでしまうため、いずれにしても歯の神経を失ってしまうのです。

また、歯は既にボロボロになっており、見ただけでは歯が残っているかどうかも分からないほどです。
治療しても被せ物を立てられる状態ではないため、ここまでくると抜歯するしかありません。
とは言え、放置すれば虫歯菌が血液に侵入して病気を招くため、例え末期段階でも治療は必要です。

「C4」段階の虫歯を放置すると?
治療しない限り虫歯菌は生き続けるので、歯を完全にボロボロにした後は虫歯菌が血液の中に入り込みます。
そうなると血管を通じて全身にまわり、脳や心臓にまわることで脳梗塞や心筋梗塞の要因になります。
実際、虫歯を放置した末にこうした病気を招き、死に至った事例もあるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯を放置した場合の痛みの変化についてまとめます。

1. 虫歯の進行について :虫歯は進行する病気で、進行度は「C1」~「C4」の4段階に分けられている
2. 「C1」段階の虫歯 :初期の虫歯。歯の表面だけ虫歯になった状態で痛みは感じない
3. 「C2」段階の虫歯 :象牙質まで虫歯が進行した状態。冷たいものや熱いものの飲食でもしみる
4. 「C3」段階の虫歯 :神経まで虫歯が進行した状態。常にズキズキとした激痛を感じる
5. 「C4」段階の虫歯 :末期段階の虫歯。ここでも治療しないと脳梗塞や心筋梗塞が起こる危険性がある

これら5つのことから、虫歯を放置した場合の痛みの変化が分かります。
痛みは徐々に増してやがて激痛を感じるため、
歯の痛みを自覚したなら治療しなければその痛みはもっと酷くなります。

また、神経が死ねば痛みは感じなくなるものの、
放置の末に思わぬ病気を招く危険性があるため治療はしなければなりません。
つまり、虫歯の治療を後回しにすることはマイナス要素しかないのです。