インプラントの手術後、入院は必要ですか?

インプラント治療では手術を行いますが、「手術」と聞くとほとんどの人が「入院」を連想するでしょう。
と言うのも、手術をするような治療の後は入院し、体力が戻ってからの退院が一般的だからです。
そこで、インプラント治療でも同様に手術の必要があるのかを説明し、
さらには治療後の私生活についても触れていきます。

入院の必要性はない

結論から言えば、インプラント治療の手術では入院の必要性はありません。
ただし「絶対に大丈夫です」とまでは断言できず、ごく稀に入院が必要なケースもあります。
最も、余程問題が起こらない限り入院にはならないため、「まず大丈夫」と思っておけばいいでしょう。

そもそも、手術といっても大きな病気の手術とは内容が全く異なります。
使用する麻酔も局所麻酔な上、手術時間も早ければ1時間以内に終わります。
インプラント治療は確かに大掛かりな治療ですが、手術自体の規模はそれほどのものではないのです。

手術後は定着期間

インプラント治療の流れを知ると分かりますが、手術後は定着期間という時期になります。
これは、埋め込んだインプラント体と骨の結合を待つための期間です。
定着期間と聞くと物々しく思えますが、特に私生活に制限はありません。
一時的な使用ができる仮歯も装着してもらえるため、普通に食事することも可能です。

ちなみに、定着期間は一般的に3ヶ月~6ヶ月ほどであり、これだけ見ると期間に大きな幅があります。
これは個人差の問題で、どれくらいの期間でインプラント体と骨が結合するかで決まります。
また、手術後の私生活で担当歯科医による注意点や説明を守らないと、
傷口の状態が悪化してこの定着期間がさらに延びてしまう可能性があります。

手術直後の生活

インプラント治療の手術後は普通に日常生活を送れます。しかし、手術した直後はいくつかの注意点があります。
まず手術によって出血や腫れがあるため、これを悪化させないようにしなければなりません。
具体的には血圧が高くなるような行為は禁止で、熱い入浴や激しい運動がこれに該当します。

また、アルコールの摂取も同様に禁止ですし、数日間は安静な生活を意識してください。
仕事をすることは可能ですが、これも仕事内容によっては注意が必要です。
例えば激しい運動を必要とする重労働に就いているなど、そういった際は担当の歯科医に相談してください。

通院の必要性

手術後の定着期間を経た後は、一回法と二回法で治療内容が異なります。
一回法は手術を一回しか行わないため、定着期間の後はそのままアバットメントの装着に進みます。
一方、二回法では手術を二度行うため、定着期間の後は二次手術を行ってアバットメントを装着します。

つまり、どちらの場合も定着期間後にまだ治療は行いますし、
治療を終えた後も今度はメンテナンスのための通院が定期的に必要です。
このため、入院しなくていいにしてもその後も通院は必要になることを念頭に入れてください。

手術後の食事

仮歯があるとは言え、手術直後に普段と同じ食生活を送ることはできません。
手術後の数日は「噛まない食事」を意識する必要がありますし、だからと言って「栄養」は無視できません。
「噛まなくて栄養のあるもの」が理想なので、ヨーグルトやお粥やゼリーなどがおすすめです。

その後は、腫れや出血の状態に合わせながら徐々に普段の食生活に近づいていけばいいでしょう。
要注意なのは刺激物や硬いもので、これらを食べることで腫れや出血を悪化させ、
傷の治りが遅くなってしまうのです。そうなれば、元々長い定着期間がさらに長くなってしまうのです。
また、自身で判断するのが難しい場合は担当歯科医に相談するのが確実です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラント治療の手術に入院が必要なのかについてまとめます。

  1. 入院の必要性はない :インプラント治療の手術では、余程稀なケースでない限り入院は必要ない
  2. 手術後は定着期間 :インプラント体と骨が結合するのを待つ。定着期間は3ヶ月~6ヶ月ほど
  3. 手術直後の生活 :血圧が高くなる行為は禁止。熱い入浴や激しい運動、アルコールの摂取などが該当
  4. 通院の必要性 :入院は必要ないとは言え、手術後も通院する機会はある。治療後も通院は必要
  5. 手術後の食事 :手術直後はヨーグルトやお粥やゼリーなど、噛まずに栄養を摂れるものを選ぶと良い

これら5つのことから、インプラント治療の手術に入院が必要なのかが分かります。
入院しなくていい事実は患者さんの負担を軽減させてくれるでしょうが、
だからといってインプラント治療を甘く考えてはいけません。

信頼できる歯科医院の信頼できる歯科医の元で治療を受けてこそ、安全と安心の治療が叶うのです。
また、手術後の生活の注意点を守らないと、思わぬトラブルを招く要因になり得ます。
「入院は必要ないけど大きな治療なのは間違いない」、それがインプラント治療なのです。