インプラントの治療期間はどのくらいですか?

インプラント治療では、顎の骨に人工の歯の根を埋め込む手術を行います。
こうした大掛かりな治療のため、虫歯治療のように短期間では終わりません。
そこで気になるのは、実際にどれくらいの治療期間かということです。
ここでは、そんなインプラントの治療期間をテーマにして、治療の流れに沿って説明していきます。

一般的には3ヶ月~10ヶ月

インプラント治療にはいくつかの段階がありますが、トータルの治療期間はおよそ3ヶ月~10ヶ月です。
ただし、この期間ずっと治療をしているではありません。インプラント治療では2度の手術を行います。
1度目の手術でインプラントを埋め込むのですが、その後すぐに2度目の手術をすることはできません。

1度目の手術で埋め込んだインプラントが顎の骨に定着するまで、時間を空ける必要があるのです。
この期間を定着期間と呼び、個人差はあるものの定着期間は3ヶ月~6ヶ月ほどが一般的です。
つまり治療期間の大半が定着期間になっており、治療一つ一つはそれほど長くないのです。

治療後の通院

インプラント治療では、治療後もメンテナンスのための通院が必要です。
特にインプラントは歯周病に弱く、進行して骨を溶かされることでインプラントが抜け落ちてしまうのです。
さらに初期段階の歯周病は自覚症状がないため、気付かないうちに引き起こしている可能性もあるのです。

このため、患者さんだけでは歯周病の徹底予防は難しいですし、
そのためにも定期検診を兼ねた通院が必要です。もちろん、インプラントの噛み合わせの調整なども行います。
メンテナンスのペースは理想としては3ヶ月に1回、長くても1年に1回や2回と考えてください。

口腔内の状態の影響

インプラント治療前に口腔内がどんな状態になるか、それも治療期間に影響してきます。
具体的にどんな状態なのか、それは精密検査をしないことには分かりません。
しかし、仮に虫歯や歯周病がある状態だとインプラント治療できないため、
先に虫歯や歯周病を治療しなければなりません。また、顎の骨の状態も手術の可否に関わります。

インプラントを埋め込む箇所の骨が脆い、量が少ないといった場合は、
骨造成などの治療で対処した後、インプラント治療を行うことになります。
インプラント治療そのものの期間は変わらないものの、口腔内の状態によってはすぐに手術ができないのです。
つまり、ここで紹介している治療期間はあくまで口腔内が健康である前提での一般例なのです。

一回法の場合

インプラント治療には一回法と二回法があり、一回法では手術は1度だけですみます。
ただし、だからといって大幅に治療期間が短くなるわけではありません。
なぜなら、一回法でもインプラントを埋め込んだ後には定着期間が必要だからです。

確かにトータルの治療期間は一回法の方が少しばかり短くなります。
そもそも一回法のメリットは治療期間が短くなることではなく、
手術が1度ですむため患者さんの身体や精神的疲労が緩和されるという点にあるのです。

治療期間はあくまで目安

上記で説明したように、インプラントの治療期間はおよそ3ヶ月~10ヶ月です。
3ヶ月と10ヶ月では大きな差がある上に、口腔内の状態によっては治療開始の時期が遅れます。
特に、患者さんの口腔内がどんな状態なのかは精密検査をしないことには分かりません。

このため、この時点で明確な治療期間を答えることはできないのですし、ここで挙げたのは目安です。
正確な治療期間を知りたい場合は歯科医院に行き、歯科医に相談してみるべきでしょう。
ただし、治療期間の早さだけで歯科医院を決めてしまうのは、安全上おすすめできません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの治療期間についてまとめます。

  1. 一般的には3ヶ月~10ヶ月 :インプラントの治療期間は平均で3ヶ月~10ヶ月で、このほとんどは定着期間
  2. 治療後の通院 :治療後もメンテナンスのための通院が必要あり、ペースは3ヶ月に1度くらいが理想
  3. 口腔内の状態の影響 :虫歯や歯周病があると、先にその治療をしてからインプラント治療を行う
  4. 一回法の場合 :手術が1回ですむものの、定着期間があることで治療期間は極端に短くはならない
  5. 治療期間はあくまで目安 :紹介した治療期間はあくまで一般例。目安程度の参考にするべき

これら5つのことから、インプラントの治療期間について分かります。
虫歯や歯周病の治療と比べると長い治療期間に思えますが、それは手術を伴う治療をするからです。
大掛かりな治療をする分それだけ安全性が重要ですし、時間を掛けた治療が必要になるのです。

ちなみに今では即日インプラントといって、治療当日に仮の歯をつけられる治療方法も存在します。
ただし、即日インプラントはできる患者さんとできない患者さんがいますし、
誰にでもできる治療というわけではありません。また、この場合も当然メンテナンスは必須です。