歯周病の治療にはどんなものがあるの?

歯周病と虫歯、これらは口内における病気としては有名ですが、2つを比較した場合、大半の人が歯周病に対する知識に乏しいのが現状です。
これは具体的な症状はもちろんのこと、その治療方法においても同じことが言えます。

虫歯は歯を削ることで治療すると誰もが知っていますが、歯周病に至ってはいかがでしょう。
歯周病に関しては、治療方法すら分からないという人がほとんどではないでしょうか。
そこで、ここでは、歯周病の治療方法について説明していきます。

1. 検査

実際に口内がどんな状況になっているかを調べます。
歯茎からの出血、ポケットの状態、プラークや歯石の状況、歯のぐらつきなど、これらを知ることは、歯周病の進行度を把握する上で必要です。

ちなみに、治療の成果や途中経過を確認する意味でも、今後治療している過程の中で、こうした検査はたびたび行われます。
また、この検査は単に肉眼で確認するだけでなく、X線を使った本格的な検査になります。

2. 基本的な治療

歯周病の要因となっている歯石やプラークを除去します。
スケーリングで歯の表面や根元付近の歯石を取り除き、ルートプレーニングで歯石や最近に満たされた表層をクリーニングします。
ルートプレーニングでは、歯の表面にできている溝を除去し、自然で滑らかな表面を作り上げます。

これらは進行度と関係なく、歯周病の治療においては、最初に行われる治療です。
ここで症状が改善されないと、別の治療方法に移ることになります。
その意味では、これら歯石の除去などは、歯周病における基本治療と言えます。
また、プラークを少しでも自身で除去できるよう、正しいブラッシングの指導を受けることもできます。

3. 歯周外科治療

上記の基本的な治療で、効果を得られない場合に行われる治療です。
治っていない箇所の歯茎を剥離して、基本的な治療の際に届かなかった箇所の歯石を除去します。
これはフラップ手術と言われ、手術時には部分麻酔を行いますし、術後には痛み止めも処方されます。

また、失った歯周組織を再生させる治療もあり、特殊な膜を歯肉と骨の間に入れて行われます。
これは必ずしも効果を得られるものではなく、歯周病の進行度によって、効果の有無は異なります。
さらに歯茎において、問題のある形態になっている箇所を整える手術もあります。
このように、歯周外科治療は複数の方法が存在します。

3. メンテナンス

歯周病は再発しやすいため、治療後のメンテナンスも欠かせません。
その意味では、いくら治療後のこととは言え、メンテナンスも歯周病治療の一つに含まれます。
具体的には歯の周りの組織をチェックして、異常がないかを調べます。

また、メンテナンスの周期や期間に関しては、そもそもの歯周病の度合い、患者の体調によって異なるため、歯科医の判断による部分が多く、一概に決められていません。
これは言葉を言い換えれば定期健診であり、歯周病の予防においては欠かせないのです。

4. 予防のためにも歯科医院へ

歯周病の治療方法をいくつか説明してきましたが、歯周病においては、治療はもちろん、予防も大切です。
自身のブラッシングだけでプラークを完全に除去するのは困難です。
また、自覚症状もないため、早期発見を叶えるためには、歯科医院での定期健診は欠かせないのです。

治療方法の一つとしてメンテナンスを紹介しましたが、これは治療を伴ってなくても受けることが可能です。
つまり、歯周病治療の経験がないあなたでも、定期健診を希望することができるのです。
歯周病患者が多い最大の要因は、こうした予防のために歯科医院へ通院する患者が少ないことにあるのです。

5. 新しい治療方法の紹介

医療技術が日々進歩している今、歯周病の治療においてもそれが実感できます。
現状では決して一般的ではないですが、新しい治療方法をいくつか紹介します。
まず、抗生物質を使って歯周病菌を死滅させる方法です。

抗生物質の効果があるうちに歯石を除去することで、歯周病の完全な治療が実現します。
また、歯周ポケットの隅々まで薬を浸透させて治療する、薬剤による治療方法もあります。
これらはいずれも、基本治療の効果を大きく高めてくれる、画期的な方法です。

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療方法についてまとめます。

  1. 検査 :口内の状況を確認します。治療前はもちろん、状況確認の意味で、治療の過程でも行われます
  2. 基本的な治療 :プラークや歯石の除去を行います。これが歯周病治療のメインになります
  3. メンテナンス :治療後、再発防止のためにメンテナンスを行います。期間や頻度は患者の状況によります
  4. 予防のためにも歯科医院へ :治療後ではなくても、定期健診としてメンテナンスを受けることが可能です
  5. 新しい治療方法の紹介 :また一般的ではないですが、抗生物質や薬剤を使う最新の治療方法もあります

これら5つのことから、歯周病の治療方法について分かります。
こうした優秀な治療方法があることで、歯周病に対しては、余程の進行でなければ、完治は期待できます。
しかし、最も大事なのは歯周病自体にならないことであり、その意味では治療以上に予防が大切です。
その意味では、今回紹介した中でも、“予防のためにも歯科医院へ”というのが、キーポイントになります。