虫歯になりやすいのですが、歯を磨く以外で予防法はないですか?
虫歯になりやすい方は、唾液の量や質、虫歯菌の量などが、虫歯になりやすいタイプなのかもしれません。
しかし、生活習慣を少し変えるだけで、虫歯になりにくい歯を作ることができます。
歯磨きをすでに頑張っておられる方なら、これからご紹介するちょっとした工夫を加えるだけで、きっと変化を実感できるでしょう。
時間を工夫する
食べる時間を決めておく
おやつの時間や食事の時間がバラバラだと、ちょいちょいつまみ食いをしてしまったり、歯磨きをしない時間が長くなってしまいがちです。
食事だけでなくおやつの時間を決めておくだけで、口の中に食べ物が入らない時間ができて、歯が再石灰化する時間をあげることができます。
特におやつの時間を決めておくと、歯磨きをする時間もとりわけやすくなります。
歯磨きのタイミングを変えてみる
歯医者さんでよく聞かれる質問として「歯磨きはいつすればいいですか?」というものがあります。
詳しく「朝ですか、寝る前ですか?」と聞いてくださる方もおられます。
食後すぐに歯磨きをすると、歯の表面が削れやすくなるという見方も出ていましたが、実際のところ、「歯磨きは優しくこまめに丁寧に」が正解です。
1日分の汚れをまとめて歯磨きで落とすのは、1年分の換気扇の汚れをまとめて落とすようなもので、時間と労力がかかり汚れも落ちにくくなります。
食後すぐに歯磨き粉をつけずに、または少量つけて優しく歯磨きをしてあげるなら、食べカスがプラークになる前に洗い流すことができます。
食後・おやつ後に軽く口をゆすぐ癖をつけておくだけでも随分変わります。
確かに食後すぐに、徹底的な歯磨きをすると、歯の表面が削れやすい場合があります。
だからこそ、軽い力で汚れを払い落とすイメージで歯磨きをしてあげましょう。
夜眠る前に、補助的清掃用具なども用いて丁寧に歯磨きをすることで、細かい部分の汚れやプラークを除去することができます。
食べ方で工夫
だらだら食べはダメ!
だらだら食べをしていると、長い時間食べ物が口腔内にとどまることになります。
その分、歯が再石灰化する時間を奪い、菌に増える隙を与えてしまいます。
急いで食べる必要はありませんが、いつまでもだらだら食べ続けているのは歯にも、体の健康にも良くないということを覚えておきましょう。
普段は砂糖なしの飲料を!
食べるタイミングや時間を工夫していても、間でジュースや炭酸飲料を飲んでいるなら、すべてが台無しです。
ジュースを飲むたびに、歯はまた溶け出してしまいます。
またジュースや炭酸飲料に含まれる糖分はとても多く、虫歯菌の動きが活発になって、プラークが増えてしまいます。
日頃からジュースを飲んでいるなら、その度に歯磨きをすることはできないので、飲む頻度を減らし、水やお茶に変えてみましょう。
よく噛んで食べよう
よく噛んで食べることで、唾液をたくさん分泌させることができます。
唾液は抗菌作用や洗浄作用があり、虫歯になりにくい口腔内の環境を作り出してくれます。
またよく噛むことで、口の中に食べカスが残りにくく、歯の表面を洗い流すことができます。
よく噛んで食べることは、胃腸だけでなく、口にも良い影響を及ぼします。
歯医者さんでできること
歯磨き指導を受けてみよう
ただ、歯磨きをするだけでなく、お口の状態にあった歯ブラシの使い方を教えてもらうことは大切です。
歯並びは人によって異なり、歯ブラシがあたりにくい部分があるので、そこを教えてもらうだけで、虫歯のリスクが低くなります。
フッ素塗布をしてもらう
フッ素塗布は子どもだけがしてもらうものだと考えがちですが、大人になってからもフッ素を塗ることは虫歯予防になります。
歯のクリーニングの後にフッ素塗布をしてもらうと効果が高くなります。
自分にあった道具選び
歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロス、歯ブラシの形状なども、虫歯予防のためには不可欠な要素です。
自分で適当に選ぶのではなく、歯医者さんでどんな歯ブラシを使えば良いかを教えてもらって、その道具を正しく使うなら、虫歯のリスクは低くなります。
PMTCでツルツルに
どれだけ歯磨きを丁寧にしていても、歯の表面はだんだんザラザラしてきて、汚れがつきやすい状態になります。
歯医者さんで行うPMTCというお掃除なら、歯の表面の汚れを完全にとって、ツルツルに仕上げてくれるので虫歯の原因となるプラークが付着しにくくなるのです。
結論とまとめ
- だらだら食べを避けて、おやつの時間を決める
- 砂糖の入った飲料を避ける
- 歯磨きはこまめに丁寧に
- 食事もおやつもよく噛んで
- 歯医者さんで検診を受ける
- PMTCとフッ素塗布を受けておく
まとめを見てみると、健康的な生活のお手本のような印象を受けるかもしれません。
歯を大切にすることは、体を大切にすることと同じです。
歯を守るために改善した習慣は、体全体の健康にもつながります。