総入れ歯になった場合、噛み方にコツなどはあるのでしょうか?
歯を大切にしたいと思っていても、年を重ねるごとに歯を失い最終的に総入れ歯になって残念な思いをされる方は少なくありません。
何よりも大切なのは、総入れ歯にならないことです。
しかし、もうすでに総入れ歯になってしまった場合、どうすればおいしくご飯を食べられるのでしょうか?
総入れ歯になることの影響
味を感じにくい
総入れ歯になった方からよく聞く意見の一つに、この味を感じにくい、味が変わったという点があります。
総入れ歯の場合、特に上顎はべったりと入れ歯がついている状態になります。
上顎にも味覚を感じる部分があると言われているのにそこがすべて覆われるので、味が変わったように感じます。
噛む時に力が入らない
総入れ歯の場合、口に異物を入れている感覚がとても大きく、力を入れて噛めるようになるまで、時間がかかります。
直接噛む感覚がわからないので、どれくらい力を入れれば良いかがわからなかったり、ほおを噛むのが怖くて力を入れにくいことがあるようです。
噛むと痛みを感じる場合がある
総入れ歯は歯茎にぴったりとつけて使いますが、固い素材でできているため、噛んだ時に、歯茎に痛みを感じる場合があります。
歯茎にしっかりはまる、ぴったりしたものでなければなりませんが、そうなるには歯医者さんで定期的になんども調整することが不可欠です。
力の入れ方がわからない
歯の一本一本には神経が通っていて、歯が埋まっている部分にも歯根膜という噛む感覚を感じられる部分があります。
しかし総入れ歯になってしまうと、その感覚がないため、どれくらいの力で噛めば良いのか、どこで噛むのが良いのかがよくわからなくなってしまうことがあります。
総入れ歯で食事をする時の注意・コツ
ぴったりとはめる
総入れ歯がぴったりとはまって落ちてこない方はそのまま使っていただいて良いのですが、歯茎にあたると痛かったり、すぐに落ちてきてしまう場合には、入れ歯安定剤を使って歯茎にぴったりとはめてあげましょう。
噛む時に力を入れやすくなるので、この一工夫がおすすめです。
前歯は使わない
入れ歯は、一般的に前歯に力を入れるようにできていません。
奥歯部分で安定させているので、奥歯でしっかり噛むようにすれば、入れ歯がずれずにおいしく食べることができます。
しかし「噛み切る」という動作が難しいので、前歯で噛み切るのではなく、小さくしてから口に入れるようにしましょう。
食事ごとにきちんとお手入れをする
入れ歯は一日中つけっぱなしという方もおられますが、食事をするごとに食べかすが入れ歯と歯茎の間に入って食べにくくなってしまいます。
食事をするたびにきちんとお手入れをするなら、お口を清潔に保つことができます。
食べかすによって入れ歯が合わなくなることもなくなります。また、口臭予防にもなります。
入れ歯のメンテナンスの重要性
毎食後の水洗い
入れ歯用の歯ブラシを使って、毎食後しっかりと汚れを落としてあげましょう。
研磨剤を含んだ歯磨き粉を使うと、入れ歯の表面に細かい傷がついてしまい、細菌が繁殖しやすくなります。
そのようにしてカビなどが繁殖した入れ歯は口にぴったり合わなくなりやすく歯茎にも悪影響を与えるので気をつけましょう。
毎晩薬剤につける
水洗いをしただけでは、入れ歯が臭くなってしまうと思われる方は、毎晩専用の洗浄液につけておくことをおすすめします。
熱湯などをかけると変形してしまう可能性がありますのでやめましょう。
やはり毎日洗浄液につけていると清潔で洗いやすい状態に保つことができます。
それだけでも食事がおいしく感じられそうですね。
歯医者さんで定期的に合わせる
総入れ歯の場合は特に、歯茎がだんだんと痩せてしまいます。
歯茎にぴったりとした形でつくったはずの入れ歯がだんだん合わなくなるのはそういう理由があります。
数ヶ月ごとに入れ歯と歯茎の状態を確認してもらい、いつでもぴったりサイズの入れ歯を使えるようにしておきましょう。
まとめ
総入れ歯になると
- 味を感じにくくなったり
- 噛む時に力が入らなかったり
- 噛むと痛みを感じたり
- の入れ方がわからなかったりします。
総入れ歯で食事をする時には
- 安定剤で入れ歯を固定し
- 奥歯で咀嚼します
- 毎食後入れ歯は洗います
入れ歯のメンテナンス
- 毎食後に水洗い
- 毎晩洗浄液につける
- 歯医者さんで形を調整してもらう
総入れ歯の方の中には、「歯はもうないので、メンテナンスは必要ない」と考えられる方もおられます。
しかし、入れ歯でもおいしく食べるためには、歯医者さんでのメンテナンスや日々のケア、また食べる時の工夫が必要であることを覚えておいていただけると嬉しいです。
入れ歯を新しい自分の歯として大切にしていけば、だんだんいろいろな食材を正しい食べ方で楽しめるようになります。
細かい入れ歯の使い方、メンテナンスについては、歯医者さんで教えてもらうことをおすすめします。