子供に虫歯を感染させない方法について詳しく教えてください。

生まれたばかりの子どもの口の中には虫歯菌は存在していません。
虫歯菌は周りの大人から感染していきます。
どのようにしても、大人になるころには虫歯菌が感染してしまいます。
しかし虫歯菌の感染は遅ければ遅いほど良いということが研究でもわかっています。

毎日の生活で触れている子どもに、どうすれば虫歯菌を感染させずに過ごすことができるのでしょうか?

虫歯菌はどうやって侵入する?

ご両親から

大人になっていると、虫歯になっているかどうかにかかわりなく、虫歯菌は必ず存在します。
ご両親からはどうしてもお口が触れる機会があるため、わずかでも菌が侵入する可能性があります。

ご両親に虫歯や歯周病がある場合、お口のお掃除があまりできていない場合には、ちょっとした接触でもすぐに虫歯菌がうつってしまう傾向にあります。

親戚や友人から

子どもを見てくれる親戚や友人も、自分が使っている食器で食事をあげたり、キスをしたりして、菌を子どもにうつしてしまうことがあります。
他人の子どもだからこそ、思わずしてしまう行動には注意が必要です。

箸などの食器から

食器類を親と一緒に使っていると、虫歯菌がうつってしまいます。
子ども用の箸があっても、思わず親が自分の箸で食事を与える光景はよく目にします。
そういった、ごく自然な行動からも虫歯菌は必ず感染します。

その他の感染経路と増加させる要因

どれだけ口を近づけないようにして、食器をわけていたとしても、いつの日か虫歯菌はうつってしまいます。
だれとも間接的に触れずに生きていくことは不可能だからです。
わずかでも虫歯菌が侵入した時に、砂糖類を摂取すると、その虫歯菌が爆発的に増えてしまいます。
砂糖類には砂糖を使ったおやつ(チョコレートなど)や炭酸飲料があげられます。

虫歯を感染させないためにできること

同じ食器を使って食事をしない

ご両親や親族の皆さんは、思わずしてしまうのではないでしょうか。
自分が使っているお箸で、おかずを小さく切ってその箸で与えてしまう光景はよく目にすることがあります。

同じ食器類を使うことで、虫歯菌は食器を通して間接的にお子さんのお口に侵入してしまいます。
できるだけ感染を遅らせたいと思うなら、離乳食を食べさせる時から、お子さん用の食器のみで食事を与えるようにしたいものですね。

両親ともに健康な口腔内を保つこと

毎日の歯磨きはもちろん、歯医者さんでの検診とお掃除も定期的に行っておくことで、子どもに虫歯を移す可能性が低くなります。
口腔内に虫歯がある状態でお子さんに接するのと、きれいなお口で接するのとでは影響の度合いが全く異なります。

歯磨きをする時には、フロスなども使ってきちんと磨き歯磨き粉を使って口の中の菌を減らすようにしましょう。
これは、小学生くらいになってからかもしれませんが、歯磨き粉も別で使うようにすると、清潔です。
同じコップにぐちゃぐちゃに歯ブラシを保管するのではなく、それぞれの歯ブラシのパーソナルスペースを確保してあげるのも、虫歯菌をうつしあわない方法です。

キスをしないこと

かわいい子どもを抱きしめる時、思わずしてしまうのが、ほっぺやお口へのキスかもしれません。
この点でお口へのキスは特に虫歯菌をお子さんにうつしてしまう原因となるのでやめましょう。
愛情表現は大切ですが、せめてほっぺで我慢しておきたいものです。

また、親である自分がキスをしないようにしていても、親戚や友人にキスをしそうな方がおられたら、早めにやめておくようにお願いしておきましょう。
最近では意識も高まっているので、正直に虫歯予防でと言うなら、きっと納得してくれることでしょう。

炭酸飲料や砂糖の入ったおやつを避ける

歯医者さんで、小さいお子さんの検診をする時によく言われることとして「砂糖が入ったお菓子はいつから食べさせていいのですか?」という点があります。
いつも一貫して「できるだけ遅くからです」とお答えしています。
おやつや炭酸飲料は嗜好品なので、他の食事と違い必ずなければならないものではありません。

砂糖が入っていなくても健康的でおいしいおやつはたくさんあります。
厳格にいつまでも与えてはいけないというわけではありませんが、一度食べ出すともう戻ることができないので、まだ与えていないなら虫歯菌を一気に増やすおやつ類は避けるのが無難です。

まとめ

虫歯菌を侵入させないためには

  1. 同じ食器を使わない
  2. 親のお口を清潔に
  3. 口にキスをしない
  4. 砂糖をできるだけ避ける

これらの条件をきちんと満たすなら、小さいお子さんのお口を守ることができ、虫歯になりにくい状態で成長してくれることでしょう。
もちろん虫歯になりやすいかどうかは、遺伝的要素や他の様々な要因も関係するので、虫歯予防のためにできる、一つの要素として覚えておいていただけると嬉しいです。