根っこを治療したのに再発するのはなぜ?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「再発を繰り返す根っこの症状とその治療」についてです。

歯の根っこまで進行してしまった虫歯の治療として代表的な根管治療ですが、根の部分は菌に感染しやすいため再発しやすく、そのたびに治療が必要になります。
ここでは、根管治療後に再発する原因や治療法について解説していきます。

歯の根っこのトラブルが再発する原因

根管治療とは、歯の神経にまで達してしまった虫歯を治す方法です。
神経がある根管と言われる部分の細菌と汚れを取り除き、詰め物や被せ物を装着します。
この方法であれば天然の歯を残せるというメリットがあります。
しかし、根管治療の後も痛みや腫れなどの違和感が再発し、再治療が必要になるケースが多いと言われています。

歯の神経は歯髄の中にある1mm以下のとても狭い管の中で複雑に絡み合っています。
根管治療では、病巣以外の健康な部分を傷つけることなく悪くなった根の中の神経だけを取り除くという、とても繊細で高度な技術が要求されます。
この治療の段階で少しでも細菌が残っていると、残念ながら再発する可能性が高くなります。
症状が再発してしまう原因は、以下のものが考えられます。

  1. 根管治療の時に唾液が入り込み、細菌が侵入してしまった
  2. 根管部分の殺菌が十分ではなかった
  3. 根管充填時に隙間があり、充填が不十分だった
  4. 被せ物などの歯冠修復がぴったりフィットしなかった
  5. 根管治療後に何らかの原因で細菌が侵入した
  6. 病巣の取り逃しがあった

根管治療は細菌との戦い

根管治療時に入り込んでしまう厄介な唾液には多くの細菌が存在しており、その数はおおよそ500~700種類にもなります。その中には、虫歯の原因となるミュータンス菌や歯周病の原因となるジンジバリス菌もあります。
さらには、体調不良などにより免疫力が低下したときに活発になる常在菌などもあり、それらの菌に感染し虫歯を引き起こすこともあります。根管治療の時には、唾液の侵入をいかにして防ぐかも重要です。

殺菌作用で根っこを治す「抗菌性根充法」

根管治療というと、通常は歯髄を大きくくり抜くといった処置が必要でした。
従来の根管治療の処置方法とは違い、「抗菌性根充法」では殺菌効果のある薬剤を用いて除菌します。半永久的に殺菌効果が続く薬剤のため、治療後も細菌による再発の可能性が低いのが特徴です。

抗菌性根充法の流れ

  1. 細菌を取り除く
  2. 浸透性と殺菌効果のある薬剤を歯髄に流し込み、しっかりと殺菌します。
    汚れを除去するための作業が少なく、歯髄へのダメージが最小限で済みます。また、歯髄をくり抜く必要がないため、歯が弱ってしまうのを防ぐことができます。

  3. 殺菌成分に優れた充填剤を詰める
  4. 患部を殺菌後、殺菌成分を持つ充填剤を流し込みます。
    抗菌性根充で使用する充填剤は非常に密封性の高い充填ができる素材で、隙間なく流し込んだ後に固まります。そのため、細菌が隙間から侵入するのを防ぎます。

  5. 被せ物をするための土台を作る
  6. 充填剤を流した上からさらに強度と抗菌効果のあるセメントを流し込み、頑丈な土台を作ります。このセメントにも抗菌作用があるため、細菌による感染を防ぐことができます。

  7. 被せ物をし治療完了
  8. 土台の上に被せ物をし、治療は完了となります。
    被せ物には強度や硬度、治療した歯の場所に合わせて審美性を備えたものなど、様々な素材から選ぶことができます。

まとめ

根っこの虫歯や炎症などは根管治療後でも再発しやすく、また再発を繰り返すことで最終的には抜歯に至ってしまうこともあります。
「抗菌性根充法」であれば長期的に持続する殺菌効果により、治療後の再発リスクを減らしたり、抜歯が必要なほど進行してしまった歯でも、歯を残して治すことが可能な場合もあります。
繰り返す根っこの症状にお困りのことがあれば、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科へご相談ください。