静かなる病気と言われる歯周病は、自覚症状は全く起こらないのですか?
西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病の発症と自覚症状」です。
虫歯を自覚している人と歯周病を自覚している人、割合として多いのは前者でしょう。
しかしそれは歯周病になる人が少ないという意味ではなく、
静かなる病気と呼ばれる歯周病には目立った自覚症状がないためで、発症に気づいていないのです。
とは言え、そんな歯周病にもいくつかの自覚症状が起こります。
「静かなる病気」と呼ばれる怖さ
歯周病には目立った自覚症状がなく、少なくとも辛い虫歯の痛みのように悩まされることはありません。
そのため歯周病を怖くないと思っている人もいますが、歯周病は自覚症状が目立たないからこそ怖いのです。
なぜなら、みなさんが身体の異変に気づくきっかけは自覚症状にあるからです。
例えばお腹の病気にかかった時、みなさんは腹痛という自覚症状によって異変に気づき、
その結果病院に行って病気が発覚、そのまま治療を受ける流れになるでしょう。
しかし、腹痛という自覚症状がなければ、いつまで経ってもお腹の病気に気づけないことになりますね。
歯周病もこれと同じであり、目立った自覚症状がないため歯周病の発症に気づけず、
そのためいつの間にか進行していき、気づいた時には重症化しているのです。
要するに、病気を伝えるSOSのサインを感じられないことが歯周病の怖さになります。
初期の歯周病の自覚症状
静かなる病気と呼ばれる歯周病でも自覚症状は起こり、初期の歯周病では次のような症状が起こります。
口臭がする
歯周病になると口の中で細菌が繁殖しますから、要するに細菌だらけの状態になります。
この細菌は目には見えないものの、口臭という自覚症状を引き起こします。
口臭の原因は様々ですが、その中でも歯周病による口臭は特に臭いがきついのが特徴です。
歯肉に異変が起こる
具体的には歯肉が腫れる、歯肉が変色する、歯肉から出血しやすくなるなどの異変が挙げられます。
これは歯周病によって歯肉に炎症が起こったことが原因になっており、
触った感触もプヨプヨとしていて本来の歯肉ならではの張りも失われてしまうのです。
中期の歯周病の自覚症状
中期段階まで歯周病が進行した場合、初期の自覚症状に加えて次の症状も起こるようになります。
歯が伸びて見える
もちろん本当に歯が伸びたわけではなく、これは歯肉が下がって歯根が露出しているのが原因です。
歯周病が進行すると歯肉退縮が起こり、その影響で歯肉の高さが下がります。
そうすると、歯肉に覆われているはずの歯根が露出してしまい、その分だけ歯が伸びて見えるのです。
知覚過敏が起こる
知覚過敏とは、象牙質が刺激を受けた時に一瞬だけ歯がピシッとしみる症状です。
歯周病が中期段階まで進行すると、歯肉退出が起こって歯根が露出します。
この時に露出した歯根にはエナメル質がなく、象牙質が剥き出しになっているため知覚過敏が起こるのです。
重度の歯周病の自覚症状
重度段階まで歯周病が進行すると、初期・中期の自覚症状に加えて次の症状が起こります。
歯が動く
歯周病は歯の骨の病気であり、進行することで歯を支える歯槽骨を溶かしてしまいます。
歯槽骨は歯にとって支えとなっていますから、それが溶かされることで歯は支えを失ってしまい、
そうなると歯は不安定でグラつくようになり、やがては抜け落ちてしまうのです。
噛み合わせた時に痛む
歯周病が進行して歯槽骨が溶かされると、歯は不安的な状態になってグラつきます。
しっかりと支えられていない歯は噛み合わせた時に傾き、そうなると歯肉に食い込むことがあるのです。
そして、歯肉に歯が食い込むことでズキズキと痛み、親知らずのケースのような痛みを感じます。
定期検診のすすめ
歯周病にはこのような自覚症状があり、中には分かりやすいものもあります。
ただ、分かりやすい自覚症状ほど歯周病の進行度が高く、
特に「歯が動く」や「噛み合わせた時に痛む」で歯周病に気づくようでは遅すぎます。
しかし、完全な初期の歯周病であれば目立った自覚症状がないのも事実ですから、
実際には自分で歯周病を早期発見するのは難しいでしょう。そこですすめたいのが定期検診の受診です。
定期検診では歯科医が虫歯や歯周病の有無を確認するため、初期の歯周病でも発見できます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病の発症と自覚症状についてまとめます。
1. 「静かなる病気」と呼ばれる怖さ :目立った自覚症状がないため発症に気づきにくく、進行を許しやすい
2. 初期の歯周病の自覚症状 :口臭がする、歯肉に異変が起こる
3. 中期の歯周病の自覚症状 :歯が伸びて見える、知覚過敏が起こる
4. 重度の歯周病の自覚症状 :歯が動く、噛み合わせた時に痛む
5. 定期検診のすすめ :定期検診を受けていれば、初期の歯周病でも発見して早期治療できる
これら5つのことから、歯周病の発症と自覚症状について分かります。
こうした自覚症状が分かるとおり、歯周病で痛みを感じることはほとんどなく、
感じるとすれば中期段階での知覚過敏、重度段階での噛み合わせた時の痛みくらいでしょう。
ですから、現在歯に痛みがない人でも歯周病が発症している可能性は充分考えられます。