「歯が痛くならない虫歯」とはどんな虫歯ですか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯の痛みがない虫歯」です。
虫歯になると歯が痛くなります。では歯が痛くないのは虫歯がない状態と言えるのでしょうか。

…答えはノーで、歯が痛くなくても虫歯がある可能性もあるのです。
つまり虫歯の中には歯が痛くならないケースがあり、ここではそのようなケースの虫歯についての説明をしていきます。

二次虫歯

二次虫歯とは、一度虫歯治療した歯が再度虫歯になることで、いわゆる虫歯の再発を意味します。
そして二次虫歯の場合、最初の虫歯治療の内容によっては痛みを感じないのです。
それは最初の虫歯治療で神経を除去したケースで、神経を失っていることで痛みを感じないのです。

さらに二次虫歯は歯自体が詰め物や被せ物で覆われているため、虫歯を目で確認することも不可能です。
ちなみに、二次虫歯は詰め物や被せ物と歯との間に隙間が生じることで起こります。
大人の虫歯の場合、約7割がこの二次虫歯によるものだとされています。

初期段階の虫歯

虫歯は発症したての状態では痛みを感じません。なぜなら、虫歯は最初歯の表面にできるからで、
歯の表面はエナメル質によって刺激から守られています。
このため、虫歯の痛みもエナメル質の保護効果によって感じないのです。

と言うことは、虫歯が痛む場合は既に虫歯が進行していることを意味します。
仮に初期段階で虫歯を発見して治療できれば、虫歯は簡単に治せます。
削る範囲も歯の表面だけですむため治療でも痛みを感じないですし、削らずに治せることもあります。

虫歯の進行で神経が死んでしまった場合

虫歯が象牙質まで進行すると痛みを感じるようになり、さらに神経まで進行すると激痛を感じます。
ではそれ以上進行するとどうなるか?…その場合は一変して痛みを一切感じなくなります。
最も、神経が死んでしまうと痛みを感じなくなるものの、状況としては深刻です。

ここまで虫歯が進行すると根管治療が必要ですし、放置すれば歯を失ってしまいます。
とは言え、このケースの虫歯は放置さえしなければ充分に回避が可能です。
神経が死ぬまでには痛みを感じるため、その時点で歯科医院に行って治療すれば良いのです。

虫歯を自覚しにくい問題

いくら虫歯でも、歯の痛みがなければそれは一見気楽な虫歯に思えます。
しかし、痛みがないことは虫歯においてむしろマイナスであり、虫歯を自覚しにくい問題が起こります。
そもそも虫歯に気づくきっかけは、大抵の方が歯の痛みだと思います。

歯が痛むことで自分が虫歯だと気づき、だから虫歯を治そうと歯科医院に行きます。
一方歯が痛くなければ虫歯だと気づかないため、歯科医院にも行かず虫歯はどんどん進行してしまうのです。
つまりいつの間にか虫歯が発生し、いつの間にか進行している事態になるのです。

定期検診のすすめ

痛みのない虫歯は、痛みの自覚症状から虫歯だと気づくことができないため厄介です。
また、神経を除去した歯の二次虫歯に至っては歯が詰め物や被せ物で覆われているため、歯の変色や歯にあいた穴など、目で見て虫歯に気づくこともできません。

ではこうしたケースの虫歯はどうやって気づけば良いのか?…それは歯科医院で定期検診を受けることです。
定期検診では患者さんの歯の健康状態を歯科医がチェックします。
このため痛みがない虫歯でも発見できますし、二次虫歯においても同様に発見できます。

歯の健康状態

痛みのない虫歯があるということは、歯が痛くないのは歯が健康な証拠にはならないということです。
例えばあなたが現在歯に一切痛みを感じないとして、そうすると歯は一見健康に思えます。
確かに健康かもしれませんが、実は痛みのない虫歯が起こっているかもしれません。

また、歯周病においても同様に歯に痛みを感じないため、虫歯ではなく歯周病になっている可能性もあります。
歯の健康状態を確実に知るには、上記で説明したように定期検診を受けることです。
検診の結果虫歯も歯周病もなければ、その時は本当に歯が健康であると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯の痛みがない虫歯についてまとめます。

1. 二次虫歯 :虫歯の再発。最初の虫歯治療で神経を除去している場合、二次虫歯になっても痛みを感じない
2. 初期段階の虫歯 :歯の表面が虫歯になるが、エナメル質があるため痛みを感じない
3. 虫歯の進行で神経が死んでしまった場合 :虫歯を放置しなければこの事態にはならない
4. 虫歯を自覚しにくい問題 :虫歯で痛みがないのはマイナス。痛みがないことで虫歯に気づけない
5. 定期検診のすすめ :定期検診を受ければ、痛みのない虫歯も発見してその時点で治療できる
6. 歯の健康状態 :痛みのない虫歯がある以上、「歯が痛くない=歯が健康」とは言い切れない

これら6つのことから、歯の痛みがない虫歯について分かります。
虫歯でも痛みを感じないケースがあるため、歯が痛くないのは虫歯がないことの証明にはなりません。
初期の虫歯や二次虫歯が起こっている可能性があり、歯周病の可能性だってあるでしょう。
確実に歯の健康状態を知るには、歯科医院で定期検診を受けて診察してもらうことです。