歯周病へのなりやすさは人によって違いますか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病になりやすい人となりにくい人の違い」です。
すぐに歯周病になる人がいる一方で、ほとんど歯周病にならない人もいます。

さて、この差はどこで生まれるのでしょうか?…それをお答えするのが今回のテーマです。
歯磨き、日常生活の過ごし方など、一見誰もが同じに思えるこれらの部分に実は人それぞれ違いがあり、
その違いによって歯周病になるリスクが変動するのです。

歯並びの違い

歯並びは人それぞれ違いますが、この歯並びによって歯周病になるリスクが変動します。
簡単に言えば、歯並びが良い人は歯周病になりにくく、歯並びが悪い人は歯周病になりやすいのです。
ではなぜ歯並びが歯周病になるリスクに影響するのか?…その理由は歯磨きの精度です。

歯並びが良ければ歯磨きがしやすく、丁寧にさえ磨けばほとんどプラークを除去できます。
一方歯並びが分ければ歯磨きがしやすく、凸凹の状態によっては歯ブラシが届かない箇所もあるでしょう。
そうなると磨き残したプラークが残ってしまい、その分歯周病になるリスクが高まります。

<歯並びは改善できるのか?>
歯並びの悪さは矯正治療によって改善できます。
また、歯並びが良い人でも「舌で歯を押し出す」などのクセがあると、その影響で歯並びが悪くなります。

歯磨きの仕方の違い

「1日1回歯を磨く人」と「1日3回歯を磨く人」では、「1日3回歯を磨く人」の方が歯周病を予防しやすく思えます。
しかしそうとは限らず、歯磨きの効果が最大に発揮されるのは回数…つまり頻度ではないのです。
最も重要なのは精度であり、精密な歯磨きができていれば1日1回の歯磨きでも歯周病を予防できます。

つまり、1日何度も歯磨きしているのに歯周病になってしまうのであれば、
そもそも歯磨きの仕方に問題がある可能性があるのです。
プラークを効率良く除去して磨き残しを減らさなければ、歯周病の予防はできないのです。

<歯磨きの精度をどうやって高める?>
まず正しい磨き方を覚えるために、定期検診や予防歯科に通ってブラッシング指導を受けましょう。
さらにブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用してプラークの除去率を高めましょう。

生活習慣の違い

歯周病は生活習慣病です。つまり、日常生活の中には歯周病になる要因がいくつも潜んでいます。
例えば疲労やストレスの蓄積…これらは身体の免疫力を低下させ、歯周病菌に感染するリスクを高めます。
また、喫煙はそれだけで歯周病になるリスクを高め、さらに重症化しやすい問題があります。

さらに食生活も関係しており、虫歯同様に糖の多く摂取することで歯周病になるリスクが高まりますし、
高カロリーや高脂肪の食事は糖尿病を招き、糖尿病によって歯周病を招きます。
いくら歯周病予防を徹底しても、こうした日常生活を過ごしていれば予防効果は低くなるでしょう。

<生活習慣をどう改善すれば良い?>
生活習慣を改善する上で難しいのが、どこをどう改善すれば良いのか分かりづらいことです。
歯科医院で定期検診を受ければ、歯科医からその患者さんに向けた生活習慣改善のアドバイスを貰えます。

家族の予防意識の違い

歯周病は細菌による感染症で、人から人にうつります。歯周病自体が直接うつることはないものの、
その原因菌…つまり歯周病菌は人から人にうつっていくのです。
ちなみに感染経路は唾液を介すことで、例えば食器の共用や歯ブラシの接触が挙げられます。

このため自分が歯周病予防を徹底しても、家族の予防意識が低いと歯周病菌をうつされてしまうのです。
一方、自分が歯周病予防を徹底していてなおかつ家族全員高い予防意識を持っていれば、
そこにいる全員は歯周病になるリスクが低くなります。

<家族の予防意識を高めるには?>
実際の例を挙げると、家族全員で歯科医院の定期検診を受ける人がいます。
また、家族の予防意識が低ければ歯周病の怖さを教えてあげることも大切です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いについてまとめます。

1. 歯並びの違い :歯磨きのしやすさに影響。歯並びが悪いと磨き残しが多くなる
2. 歯磨きの仕方の違い :歯磨きの精度が影響。何度磨いても精度が低ければ磨き残しが多くなる
3. 生活習慣の違い :身体の免疫力の強さが影響。生活習慣次第で身体の免疫力が低下する
4. 家族の予防意識の違い :歯周病菌の感染が影響。歯周病菌は唾液を介して人から人にうつる

これら4つのことから、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いについて分かります。
誰もが歯磨きをするでしょうが、歯磨きの精度、歯並びによる歯磨きのしやすさ、
これらによって歯磨きの効果に差が出てしまい、歯周病になるリスクが人それぞれ違います。

こうしたリスクの違いが、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いを生んでいるのです。
また、女性は女性ホルモンが過剰に分泌すると歯周病菌が繁殖しやすくなるため、
妊娠時などに限って言えば男性よりも歯周病になるリスクが高いと言えるでしょう。