歯周病治療で行う手術とはどのようなものですか?

西早稲田の歯医者さん、西早稲田駅前歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病治療で行う手術について」です。
歯周病の治療内容は、歯周病がどの程度進行しているかによって異なります。

初期段階の場合は患者さんによるプラークコントロールと歯石の除去だけで治せますが、
中期段階以降になると状態次第では手術を伴う治療が必要です。
そこで、ここでは歯周病治療において行う手術について詳しく説明していきます。

フラップ手術

歯周病になると歯と歯肉の境目の歯周ポケットの溝が深くなります。
さて、歯周病治療では口腔内のプラークや歯石を綺麗に除去するのが基本なのですが、
歯周ポケット内にもプラークや歯石が溜まるため、治療の際にはそこも綺麗に掃除します。

しかし歯周病が進行すると歯周ポケットの溝が深くなり、
一定以上の深さになってしまうと専用の器具を使用しても歯周ポケット内を掃除できません。
そこで行うのがフラップ手術と呼ばれる手術です。

歯肉を切開して歯根を露出させ、そこから歯周ポケット内を掃除するのです。
つまり、フラップ手術とは歯周ポケットの溝が深くなって掃除できなくなった場合の対処方法で、
歯肉を切開して内側から歯周ポケット内を掃除する目的で行う手術です。

フラップ手術について多い質問

フラップ手術は歯周病が進行している場合のみ行う治療方法です。
このためフラップ手術を知らない人も多く、そこでフラップ手術について多い質問と答えをまとめます。

Q1. フラップ手術は痛いですか?
A1. 全く痛みがないとは言えませんが、麻酔を使用するため痛みはそれほど大きくありません。

Q2. フラップ手術はどのくらい時間が掛かりますか?
A2. 手術時間は一般的に1時間~2時間ほどで、治療する歯の本数が多い場合はもう少し長くなります。

Q3. 手術後の抜糸はどのタイミングで行うのですか?
A3. 手術後、1週間経過を目安に行います。

Q4. フラップ手術のメリットは何ですか?
A4. 歯周ポケット内を目で確認できるため、徹底的に掃除できることです。

Q5. フラップ手術のデメリットは何ですか?
A5. 歯周ポケット内の掃除が目的の手術ですから、溶かされた歯槽骨を再生させる効果はないことです。

…他にもフラップ手術について不明点や疑問点があれば、歯科医院に来院してお気軽にご相談ください。

その他の手術について

フラップ手術は歯周病治療で行うものですが、それとは別に歯周病が原因によって行う手術もあります。
ただしそれらの手術は歯周病治療の過程で行うわけではないため、
手術する原因は歯周病であったとしても自由診療になります。

・GTR法
歯周病によって溶かされた歯槽骨を再生させるための治療です。
歯肉を切開し、歯槽骨が溶かされて空洞になった箇所に専用の膜を置きます。
これによって余計な歯周組織が入るのを防ぎ、歯槽骨が再生する環境を整えます。

・エムドゲイン法
歯周病によって溶かされた歯槽骨を再生させるための治療です。
歯肉を切開し、歯槽骨が溶かされた箇所の歯肉に薬を埋め込みます。
これによって子供の時に初めて歯が生えた環境を再現し、歯槽骨の再生を促します。

・骨移植
歯周病によって歯槽骨が溶かされた時の対処となる治療です。
歯槽骨を復元させるという点ではGTR法やエムドゲイン法と同じですが、こちらは再生ではなく移植です。
口腔内の健康な箇所の骨を歯槽骨が溶かされた箇所に移植します。

・インプラント
歯周病によって歯を失った時の対処となる治療です。
治療の過程で手術を行い、歯肉を切開して顎の骨に穴をあけてインプラント体を埋め込みます。
ちなみに歯を失った時の対処としては、他にブリッジや入れ歯の選択肢もあります。

…注目すべき点は、GTR法とエムドゲイン法です。
歯周病によって溶かされた歯槽骨を再生できるという点は大きなメリットですが、
だからと言って「歯槽骨が溶かされても再生できるのだ」と安易に考えるのは禁物です。

と言うのも、GTR法もエムドゲイン法も決して万能ではないからです。
症例によってはどちらの方法でもほとんど効果がないケースがありますし、
再生できたとしても完全に元もどりの状態に再生できるわけではありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病治療で行う手術についてまとめます。

1. フラップ手術 :歯周ポケットの中を掃除するのが目的で、歯周ポケットの溝が深い場合に行う
2. フラップ手術について多い質問 :痛みの有無や手術時間などの疑問に回答(本文参照)
3. その他の手術について :GTR法、エムドゲイン法、インプラントの簡単な紹介

これら3つのことから、歯周病治療で行う手術について分かります。
歯周病治療ではフラップ手術を行うことがありますし、
歯周病によって失った歯槽骨や歯への対処にも手術が必要です。

最も、患者さんとしてはこのような手術をしたくないのが本音でしょう。
しかしGTR法やエムドゲイン法はともかく、フラップ手術は歯周病が進行するとどうしても必要な手術です。
それを避けるには歯周病を予防する、もしくは初期段階で確実に治療することが大切です。