入れ歯の寿命はどれくらいですか?
入れ歯はずっと使い続けることができないですし、どんなに丁寧に使っても寿命があります。
その寿命は一般的に4年から5年とされており、その頃になると新品への交換が必要です。
人によっては10年近く使用している人もいますが、そこまで使用できるのは本当に稀なケースです。
ただし、使用方法の注意や日常生活に配慮することで、入れ歯の寿命を延ばすことはできます。
ここでは、そんな長く入れ歯を使用するための秘訣を紹介していきます。
1. 定期検診を欠かさない
これが基本です。定期検診では入れ歯の調整を行うため、噛み合わせの悪さをその都度改善できます。
噛み合わせが悪ければそれだけ早く義歯がすり減るため、それを抑える意味で必要です。
また、部分入れ歯の場合は、入れ歯の留め金を掛けている歯の健康状態も重要になってきます。
関係する歯が虫歯になって抜歯に至れば、留め金の点で今までどおり入れ歯が使えなくなるからです。
患者さんの立場で考えれば、定期検診は確かに面倒かもしれません。
しかし、入れ歯を長く使用するのであれば欠かせないことですし、何より口腔内の健康状態に関わります。
定期検診の通院のペースに決まりはないものの、できれば2ヶ月から3ヶ月に1回、
最低でも半年に1回は定期検診を受けないと、口腔内に思わぬ問題が発生する可能性があります。
2. 正しい洗浄方法を知る
これは担当の歯科医から必ず説明があります。手入れの基本は洗浄で、その際は洗浄剤を使用します。
入れ歯の洗浄剤に注目すると、市販されているものでも相当な種類が存在します。
この時、入れ歯のタイプによっては使用してはいけないものもあるのです。
例えば、最近では入れ歯であることを気付かれにくい「スマイルデンチャー」を希望する人が多くいます。
このスマイルデンチャーを例にすると、手入れの際にアルカリ性の洗浄剤は使用できないのです。
また、入れ歯全般に言えることが、熱湯につけてしまうと変形を招いてしまうのです。
殺菌目的で考えれば熱湯の使用は一見正しく思えますが、入れ歯の手入れにおいては禁止行為です。
このように、正しい洗浄剤を選ぶことや禁止行為を知ることも、長く入れ歯を使用するための秘訣なのです。
3. 調整は必ず歯科医院で行う
噛み合わせはともかく、留め金が合わないからといっていじってしまうのは厳禁です。
金属とは言え力を入れると簡単に曲がってしまいますし、そうすると引っ掛けの調整が狂ってしまいます。
折れてしまうと修理が必要になりますし、留め金をあれこれといじってはいけません。
もし緩かったり違和感があるなら、その時は歯科医院で担当の歯科医に相談してください。
また、入れ歯は長年使用していると劣化によってどうしても緩くなってきます。
このため、長期間使用していて緩さを感じるのであれば、それは入れ歯の寿命の可能性があるのです。
ちなみに、こうした調整の必要さを感じなくても、上記で説明したとおり歯科医院での定期検診は必要です。
特に、微妙な噛み合わせの問題は自身では気付かないため、メンテナンスしてもらう必要があるのです。
4. 清潔を心掛ける
入れ歯は洗浄する必要がありますが、これをおろそかにしてしまうと入れ歯の寿命に関わります。
いくら人工物とは言え、口腔内で使用している以上は入れ歯にも細菌が付着します。
このため、洗浄しないと細菌がどんどん繁殖してしまうのです。
自身の歯だけでなく入れ歯の清潔さにも心掛けることが、結果的に入れ歯を長持ちさせるのです。
特に、歯と歯の間のくぼみの部分などは天然の歯同様に汚れが付着しやすいです。
放置してしまうとブラシでも除去できなくなってしまうため、必ず毎日丁寧に洗浄してください。
さらに、日常生活でもささいな工夫をすることで、入れ歯を長持ちさせられます。
例えば、入れ歯が熱に弱い点を考慮してサウナを避ける、乾燥防止のために水につけるなどの工夫です。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、入れ歯の寿命はどれくらいなのかについてまとめます。
- 定期検診を欠かさない :これが最も大切。定期検診を受けることでこまめな調整が可能になる
- 正しい洗浄方法を知る :入れ歯の洗浄方法には注意点がいくつかあるので、それは必ず把握しておく
- 調整は必ず歯科医院で行う :留め金をいじるなどして自身で調整しない。調整は歯科医院で行う
- 清潔を心掛ける :自身の歯だけでなく入れ歯も清潔にすることが、結果的に入れ歯の長持ちに繋がる
これら4つのことから、入れ歯の寿命はどれくらいなのかが分かります。
いくら大切に使っても入れ歯には寿命があり、長くて5年ほどと思っておくといいでしょう。
最も、入れ歯の使用方法や注意点をおろそかにすると、それだけ寿命は短くなってしまうのです。
ここで紹介したことを守って使用していれば、少しでも長く入れ歯を使用し続けることができます。
まずは定期検診でのメンテナンスを欠かさないこと、それが最も大切です。