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交通事故で歯をなくした場合でも、インプラント治療はできますか?

交通事故で歯をなくした場合、普通に歯が抜けた時と違って損傷なども見受けられます。
事故である以上、単に歯が抜けただけではなく、歯茎や骨が傷ついている可能性もありますが、
そういった状態でもインプラント治療は可能です。
そこで、実際に交通事故で歯をなくした場合の、インプラント治療について説明していきます。

治療の流れ

骨に問題がなければ、従来のインプラント治療と全く同じ流れになります。
具体的には、精密検査、一次手術、定着期間、二次手術、その後に被せ物をつけて治療完了です。
しかし、骨の状態によってはこの順序で治療できないこともあります。
問題になってくるのは、骨がインプラントを埋め込める状態になっているかどうかです。

何しろインプラント治療では手術を行いますし、歯の骨にインプラントを埋め込む手術が必要です。
このため、骨がそれに耐えうる状況でないと、インプラント治療ができないのです。
もし骨に問題があった場合、骨の回復を待つ、もしくは骨を増やす治療を行う、
これらを優先して行った後、インプラント治療をスタートするという流れになります。

インプラントできない例

最初に言っておくと、交通事故だからといってインプラント治療できないことはありません。
しかし、全く別の理由でインプラント治療ができないこともあり、
患者さんがそれに該当してしまうと、この場合でもインプラント治療できなくなります。
例えば、全身疾患のある患者さんだと、手術時の出血が問題になってきます。

また、重度の糖尿病を患っていると血糖値のコントロールができず、治癒能力に問題があることがあります。
他には、骨粗しょう症や喫煙している患者さんなどは、インプラント治療できないケースがあります。
つまり、交通事故で歯をなくした患者さんがたまたまこうした条件に該当することで、
精密検査をした結果、インプラント治療ができなくなってしまう可能性はあります。

保険の適用の有無

インプラント治療では一切保険が適用できない、これはもう過去のルールです。
なぜなら、平成24年にルールが改定され、インプラント治療で保険が適用されることが決まったのです。
とは言え、全てのインプラント治療に適用されるわけではなく、少なくとも審美目的では適用されません。
ちなみに、今回のテーマのような交通事故で歯をなくした場合は、保険が適用されることがあります。

しかし、国が定めた条件を満たしている必要があり、正直その条件は相当厳しいものになります。
例えば、顎の骨を損傷しているにしても、ただ損傷しているのではなく、
一定の割合以上の損傷が認められなくてはなりません。実際に治療する医療機関も関係しており、
これも国が定めた条件を満たした医療機関でないと、保険は適用されません。

治療方法は2パターン

上記でも少し解説したように、骨の状態によっては従来と異なる流れで治療することもあります。
つまり、交通事故で歯を失った場合のインプラント治療は、主に2パターン存在することになります。
一つは、従来と同じ流れで治療を行うパターンで、骨まで損傷していなければこのパターンになります。
もう一つは先に顎の骨を治療するパターンで、顎の骨を失った場合はこのパターンになります。

この場合、骨移植などを行うことになりますし、骨折している際は整復処置を行います。
特に骨移植を行った場合、インプラント治療をするのに期間を空ける必要があり、
実際にインプラント治療が可能になるのは、骨移植から半年~1年後になります。
このため、骨移植を行うことでどうしてもトータルの治療期間は長くなってしまいます。

損害賠償について

事故の状況によっては損害賠償に関することを考える必要がありますし、
事故によってインプラント治療が必要なら、その治療費がどうなるかも気になるでしょう。
しかし、これは歯科医で判断できないですし、その専門知識も持っていないのが正直なところです。

このため、こうした問題はその方面の専門家に相談するべきでしょうし、
話し合いの内容によっては裁判に発展することもあるでしょう。
ただ一つ言えることは、実際に交通事故の損害賠償において、
インプラントの治療費が認められたケースもあるということです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、交通事故で歯をなくした時でもインプラントできるのかについてまとめます。

  1. 治療の流れ :交通事故で歯を失った際も、インプラント治療することが可能
  2. インプラントできない例 :歯を失った理由関わらず、重度の歯周病の場合などは治療できないこともある
  3. 保険の適用の有無 :平成24年以降、特定の条件を満たしていれば保険が適用されるようになった
  4. 治療方法は2パターン :顎の骨を失っているかどうかで、治療の流れが異なる
  5. 損害賠償について :これに関しては法律の専門家に相談するべき。歯科医院では対応できない

これら5つのことから、交通事故で歯をなくした時でもインプラントできるのかが分かります。
交通事故で失った歯でもインプラント治療することは可能です。
ただし事故である以上、顎の骨も損傷している可能性があります。
その場合、顎の骨の治療が優先されるため、この点で従来のインプラント治療との違いが生まれます。
また、顎の骨の損傷の度合いによっては保険が適用され、これも審美目的で治療する際との大きな違いです。