噛み合わせが悪いとどのような影響があるのでしょうか?

子どもたちが歯医者さんで検診を受けたり、治療を受ける時、歯並びについて注意をを受けたり、治療を勧められたことがある方は多いのではないでしょうか。
また、大人になってからも、歯並びが悪いと歯を見せて笑うのが嫌になってしまうことがあるようです。

しかし、噛み合わせが悪いとはどういう状態なのでしょうか?
また、噛み合わせが悪いと口や体にどんな影響が及ぶのでしょうか?

良い噛み合わせ・悪い噛み合わせ

良い噛み合わせとは

歯がピシっと綺麗に並んでいて、歯と歯が重なり合っていない状態を見ると、歯並びがきれいだと思えるのではないでしょうか?
歯並びがきれいと言うのは見た目が良いと言うだけでなく、食べ物を正しく咀嚼できる、噛み合わせであることも大切です。

歯並びを噛む面(咬合面)から見た時に、きれいな半円を描いていると噛み合わせも良くなります。
生えている歯が本来生えるはずの位置にすべておさまり、重なり合うことなく生えているなら、食べ物を噛みすりつぶすという作業を、口にストレスなく行うことができるのです。

悪い噛み合わせとは

悪い噛み合わせとは、本来あるべき場所に歯が生えることができず、無理やり口の中に出てきてしまっている状態です。
歯の生え方で、噛み合わせが悪くなってしまうこともありますし、顎の位置が違うことで、噛み合わせが悪くなってしまうこともあります。
上の歯と下の歯がきちんと噛み合っているか、上下の前歯が当たる状態であったり、下顎が上顎より前に出てしまっていないかと言う点も噛み合わせが悪い状態だと言えます。

悪い噛み合わせが体に及ぼす影響

胃腸への負担

噛み合わせが悪いと、食べ物をきちんと咀嚼することができません。
食べ物をきちんと細かくしないまま食べる癖がつき、長い年月をかけてよく噛まずに食べるようになってしまいます。

口できちんと咀嚼された食べ物を消化するようにできている胃腸が、塊のままの食べ物を毎日消化していると、負担がかかりすぎて胃腸の病気にかかりやすくなります。
また、どか食いの癖がつきやすくなるので、肥満の原因にもなります。

発音しにくい

噛み合わせが悪いと、喋り方にも影響が出ることがあります。
本来なら舌がおさまるはずの位置に、歯が生えてしまっていると知らず知らずのうちに話し方に影響してしまいます。

癖のある話し方、つばが飛びやすい話し方になってしまい、印象が悪くなる可能性があります。
小さい頃に癖がついてしまうとなかなか治らないので、早めに治してしまうことが大切です。

頭痛や肩こりの原因になる

噛み合わせは体のすべての部位に影響を与えます。
体のバランスにも深く影響しているため、噛み合わせが悪いと、肩や腰に負担がかかりやすくなります。
顎関節という関節にも影響が及ぶので、本来リラックスしているはずの部分に力が入り、疲れやすくなったり頭痛が出やすくなることも考えられます。

噛み合わせが悪いと、しっかり歯を食いしばることができない場合があります。
運動や力仕事で力を入れる時にも、噛み合わせが悪いことで、バランスが悪い力の入り方になり、そこから腰痛などにつながることがあります。

歯周病や虫歯になりやすい

噛み合わせが悪い場合、歯並びも悪い場合が多いので、歯が重なり合っている部分には歯ブラシが通らない、磨きにくいなど、汚れが残る原因が多くなります。

その結果一生懸命歯磨きをしていても、虫歯が増えてしまったり、歯周病菌の温床となる場所ができてしまうことがあります。
きちんとした歯並びなら、菌が溜まる場所は少なくなり、歯も守りやすくなるんですね。

噛み合わせが悪いことで、特定の歯に負担がかかりすぎてしまうことで、歯の根っこ部分から骨が溶けてしまうことがあります。
それも、歯を失い、歯周病を悪化させる原因となります。

顎関節症の原因になる

噛み合わせが悪いと、顎関節症になりやすくなります。顎を開ける時に音がなる顎関節症は、なってしまうと毎日の生活に影響が及びます。

ひどい頭痛に悩まされたり、顎が十分開けられずにご飯をおいしく食べられなかったり、といった顎関節症が原因で悩まされる影響はとても大変なものです。
噛み合わせを治しておくことで、様々な症状や病気を防ぐことができることがわかります。

どんな治療を受けるの?

噛み合わせが悪い場合には「歯科矯正治療」が一般的です。
顎の位置を調整する矯正は、体や骨が成長途中の子ども時代にすることが大切です。
大人になって成長が止まってから矯正をするのは難しく、手術になったり、より噛み合わせが悪くなる可能性があるからです。

歯並びを治すことで矯正する場合には、成長の段階に合わせて子ども時代から相談をしておくことが大切です。
しかし、20代なら、まだ柔軟に矯正でき、後戻りもしにくいので、気になる場合には歯医者さんで相談してみましょう。

まとめ

噛み合わせが悪いと

  • 胃腸へ負担がかかりやすい
  • 発音しづらい
  • 頭痛や肩こりの原因になる
  • 歯周病や虫歯になりやすい
  • 顎関節症の原因となる

噛み合わせが悪いかどうかは、見た目だけでなく、歯医者さんできちんと調べて初めてわかるものです。
お子さんがおられるなら、早めに検査してもらいましょう。