よくある質問

歯周病について

  • どんな症状に注意すればよいでしょうか?

    歯周病は、プラークや歯石に棲む歯周病菌が歯ぐきや顎の骨などの歯周組織を破壊する病気です。歯ぐきの炎症にはじまり、次第に顎の骨が溶け、最悪の場合、支えを失った歯は抜け落ちてしまいます。むし歯を上回り、歯を失う原因の第一位とされています。
    初期の自覚症状に乏しいため、気付いたときにはかなり進行していることも珍しくありません。そのため、日本の成人の約8割が知らないうちに歯周病になっている、もしくはその予備軍ともいわれています。
    「歯ぐきが腫れている」「歯みがきのときに血が出る」このような症状は歯周病のサイン。このような症状があらわれたら、進行する前にお早めに当院へご相談ください。

  • 歯周病の進行度は人によって違うのでしょうか?

    歯周病の原因は細菌ですが、その細菌に対する反応には個人差があります。風邪をよくひく人もいれば、ほとんどひかない人がいるのと同じように、歯周病の進行度には体質(免疫力)が大きく影響します。また、体質以外にも歯周病に影響を与えるものには、喫煙や糖尿病、そしてストレスなど様々な要因があります。したがって、同じように歯を磨いていても、歯周病の進行度には個人差がでてきます。患者様ごとの体質やリスク、習慣等を把握し、それぞれに適した治療計画を練ることが大切です。

  • 歯周病は何歳くらいの人に多い病気でしょうか?

    概ね、35歳ぐらいから進行するといわれています。人によっては30代から進行する場合もありますし、60歳を過ぎても進行しないと言われています。節目の年齢になったら、症状がなくても健診にいくことをオススメします。歯周病は、できるだけ早い段階からの予防が重要です。きちんとした歯磨きをして、定期的に歯科にかかるようにしていけば、進行を遅らせることは可能です。髪の毛を切りに行くくらいの感覚で、気楽にお掃除にいくといいと思います。

  • 男女どちらの方が発症しやすいのでしょうか?

    一般的に意外かもしれませんが男性より女性の方が進行しやすいと言われています。女性が男性よりも歯周病にかかりやすい原因として考えられているのが、プロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンです。女性ホルモンは女性らしい体つきや髪の毛の育成などに関わる性ホルモンとして知られていますが、歯茎の腫れや出血を起こしやすくする性質があるのです。そのため、女性ホルモンの分泌量が多くなると歯周病菌を含むバイオフィルムの影響を受けやすくなり、歯肉炎や歯周炎を発症しやすくなってしまうのです。女性にはホルモンバランスが乱れて、女性ホルモンが過多になってしまう時期があるのです。この時期に入ると歯周病を起こしやすくなります。

  • どのような人が歯周病になりやすいのでしょうか?

    歯周病は特定の細菌により引き起こされる感染症です。その細菌を媒介するのがプラーク(歯垢)です。プラークとは細菌の塊です。プラークの中に、むし歯の原因菌も歯周病の原因菌も存在しています。むし歯同様、歯の周りにこのプラークが付いていないこと、あるいは歯石が付いていないことが歯周病の予防には重要です。しかし、歯周病の発症や進行にはそれ以外の要素も大きく関わっています。上に述べたように、歯周病の発症や進行には、炎症という免疫応答の作用が関わっています。そのため私たちの生体としての免疫力がその進行や発症に関与します。糖尿病のような持病があったり、また他の疾患や疲労、ストレスなどで免疫力が低下していたりすると、進行・悪化しやすいのです。体調の悪いときに限って、歯肉が痛んだりしたことはありませんか?特に糖尿病については、免疫機能以外の諸症状も歯周病のリスク因子になるものが多く、また歯周病原菌が糖尿病を悪化させるリスク因子になることもわかってきており、その関連性は注目されています。

  • タバコはなぜ歯周病に悪いのでしょうか?

    歯周病のリスクファクターは歯の汚れだけではありません。そのひとつがたばこです。ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。ではどうしてたばこが歯周病を悪化させてしまうのでしょうか。たばこに含まれるニコチンや煙に含まれる一酸化炭素の作用により、
    (1)歯周病菌と戦う白血球の機能が低下してしまう
    (2)血管が収縮して歯茎に十分な酸素や栄養素が供給されない
    (3)組織修復機能が妨げられる
    などということが惹き起こされます。
    これらの作用により、喫煙者の歯周病は発症すると進行が早く、また治癒しにくくなってしまうのです。そして出血の自覚症状が出にくく、発見が遅れる原因にもなります。また、たばこは口臭や口腔癌や味覚鈍麻の原因にもなり、もちろん全身のリスクファクターでもあります。しかし禁煙することでこの危険性が下がっていくことも分かっています。

  • 妊娠中の歯周病対策は?

    妊娠中は、女性ホルモンの影響を受けたり、つわりでブラッシングが不十分になったりするために、歯肉の炎症を起こしやすい環境になります。基本的には、口腔清掃と歯石除去により改善されますので歯科医院を受診してください。また、妊娠中の歯科検診は一度は必ず受けるようにしてください。

  • 歯周病になると早産になりやすいのですか?低体重の子供が生まれやすいのですか?

    妊娠中の女性のうち、歯周病の人は、そうでない人に比べて、低体重児を早産する確率が高くなるという報告があります。歯周病菌が子宮の収縮に間接的に働きかけ、その結果として子宮頚部が拡張子し、早産になると考えられています。

  • 糖尿病がある場合の注意点はありますか?

    薬物療法をしている場合は、服用している薬やインスリンの種類と量を必ず歯科医師に伝えてください。また、麻酔を使用した治療後は、麻酔が切れるまでや術部が治癒するまで食事が十分に摂れない期間が(処置に応じて数時間から数日間)生じることもあるので、薬物療法をしている人は低血糖に注意する必要があります。もちろんこのような場合、歯科医師は糖尿病の主治医に連絡をとってから治療しますが、患者さん自身も、あらかじめ主治医に相談しておくようにしましょう。特に低血糖発作を起こしたことがある人は、治療中にも発作が起きることがあります。この場合は糖分摂取により改善しますので、万が一のお守りとしてアメなど糖分を摂取できるものをお持ちになられたほうが望ましいです。また治療の時間帯は発作が起きにくい食後の時間帯を予約することをおすすめします。

  • どの段階で歯医者さんへ行けば良いでしょうか?

    代表的な病気であるむし歯と歯周病では、「少し様子を見る」ことは良い判断とはいえません。なぜなら、「歯医者に行かなくては」と思い始める段階では、様子を見ていても良くなることはないからです。初期のむし歯や歯周病では、歯の再石灰化やブラッシングなどの口腔ケアで回復することも可能ですが、この初期段階では自覚症状はほとんどありません。
    そして痛みや歯のグラつき、膿が出るなどの症状が出てから歯科医院に行く時点では、病気はかなり進んでいるということなのです。ですから、痛みやその他の自覚症状が出れば、すぐに歯科医院へ行ったほうが良いし、もう少し早い時期…水がしみる、歯の表面に変化がある(白く濁る、黒い穴、溝が黄変など)、歯茎の出血、といった少しの異変に気づいたときに診てもらえば、治療期間も短く痛みも少なくてすみます。
    自分でチェックして自覚症状がない初期の段階でむし歯や歯周病を見つけることは難しいかもしれません。歯科医院の定期健診では、3ヶ月や6ヶ月に一度といった頻度で、専門家にお口のなかの状態をチェックしてもらえるので、初期の段階での発見ができます。あわせて歯のクリーニングやブラッシングの指導を受け、お口の中をよりよい状態に保つことができます。
    歯科医院に行くタイミングが「悪くなったとき・痛くなったとき」の方、考えを少し変えて、歯科医院に行くのは「少しの異変に気づいたとき」にして、さらに一歩進んで「悪くなる前」(定期健診)に変えてみてはいかがでしょうか。

  • どんな歯医者さんにかかるべきでしょうか?

    回答が難しい質問ですが、患者さんも十人十色なら、歯科医院も十人十色です。実際に通院中の患者さんの話を聞いてご自分が信頼できる、安心できる歯科医院を納得できるまで探してください。心配ならば、実際に歯科医院で最初に治療や費用についてご自分の希望をお話してみるのもいいでしょう。
    歯科医師はできる範囲で反映させると思います。治療方法、治療期間、治療費用についてはよくご相談いただき、その回答や雰囲気で決定されたらいかがでしょうか?ご自分に合わない場合は、歯科医院を変えられるのも一方法でしょう。

  • 歯磨きと薬による新しい歯周除菌治療って?

    歯周病医療といえば昔から歯磨き指導や歯石を除去したりする歯の周りのお掃除がどの歯科医院でもされている基本的な治療です。 しかし、この基本的な治療をしても、一生懸命歯磨きをしても、なかなか歯肉の炎症がとれず、歯肉の腫れや出血 口臭で悩まれ、歯周病で歯を失う方がいることも事実です。
    ところが、簡単に薬で治す方法が見つかったのです。原因である歯を特定し、薬でその菌を退治することができるようになったのです。 この治療法は最新式の治療方法で「顕微鏡を使った歯周内科療法」です。

  • なぜ、従来の治療法だけだと治らないの?

    一つはみなさん驚くかもしれませんが口の中にあるカビが原因になっているのです。カビは直接、歯の周りの骨を攻撃することはありません。歯周病菌をガードするように周りをおおって住処になってしまっているのです。そうすることによって薬用成分が歯周病菌に完全には行き届かなくなってしまうのです。カビは歯磨き粉に含まれている成分では死にません。ゆえに、カビをやっつけてくる特殊なお薬が必要になるのです。
    二つ目の原因は従来の歯周病治療の方法にあります。一般的な歯周病治療は歯石取りと歯面清掃です。いままでは、歯周病菌の量を減らしているばかりで菌の質の改善には関与していませんでした。その為、汚れを取ってもカビを除菌していない為、また、すぐに菌が増えて、症状が再発してしまうのです。だから、定期的に歯医者さんに通っていても歯周病が治らないということがあるのです。

  • 実際にどういうことをするの?

    まずは、位相差顕微鏡で菌の確認を行います。そして、菌の種類や量により、カビを殺す歯磨き剤によるブラッシングと歯周病菌に最も効果のあるお薬で徹底的に除菌をします。同時に、菌やカビの住処を特殊な消毒薬で洗浄していきます。その後、菌の状態が改善されているのを確認し、歯石除去や歯面清掃を行っていきます。

  • この治療法でどんな効果が出るの?

    この治療法を受けた患者さんは大変驚かれる方が多いです。
    「歯のぐらつきがなくなった」「口の粘つき、出血が止まった」
    もう一度、言います。
    この、歯周内科除菌治療を行うことで、従来の歯周病菌の量のコントロールだけでなく質のコントロールも両方を行うことで、今までなら抜かなくてはいけなかった歯も残せるようになるのです。

  • 歯周病菌はどこからくるの?

    生まれた時には人間は歯周病菌 虫歯菌は口の中にはいません。100%人から移ってくるものなのです。どうしても、家族の方や、パートナーの方同士ですと、食事の時に、同じお皿や、コップを共有することもあるでしょう。そういったことでお互い菌を移しあっている状態かもしれません。そこでわれわれがお勧めしているのはこの除菌治療を家族単位 パートナー単位で治療を受けてほしいということです。結局、片方が除菌治療を行ってももう片方に菌がいれば簡単に再感染してしまいます。

  • どのくらいの間隔で除菌治療を行ったほうがいいんですか?

    カビ菌は口腔内常在菌といってお口の中に必ず存在する菌です。徹底的にやっつけても二度と菌が舞い戻ってこないものではないのです。ですから、毎日の歯磨きと歯科医院における定期的なプロフェッショナルクリーニングが大切になります。カビ菌が増えると、また歯周病菌の快適な住処になるので歯周病菌が再感染しやすくなってしまいます。当院では、3か月ごとに菌のチェックは行います。多くなっているようであれば再治療を行います。平均的には1~2年おきに行っていくことが好ましいと考えます。

  • 歯垢と歯石の違いは?

    爪で歯を引っかくと白くてネバネバしたものがついてきます。これが歯垢(しこう、プラーク)です。歯垢は食べかすや歯の垢(あか)ではなく、細菌の塊です。1mgの歯垢にはおよそ300種類、数億~10億個!もの細菌が棲みついています。唾液の成分から薄い透明な膜がつくられ歯の表面をおおいます。この、膜は病的なものではなく唾液の持つ性質で、食事によって低下するpHの変化から歯を守ろうとする役割があります。ここに各種の細菌が付着し、さらに糖分に含まれる材料を使って歯垢となります。歯垢中の細菌は、食物中の糖分を栄養源にして増殖を続けます。さらに、ネバネバした物質をつくり出し歯の表面に強力に付着します。(デキストランという物質が関与します。)歯垢の段階では歯みがきで取り除くことができますがやがて歯石に変化すると歯みがきでは取り除けなくなり、歯周病の原因となっていきます。歯垢の付着を防ぐには、糖分摂取後の、口腔内のケアーと食べ残しや、飲みのこしを口の中に残さないこと。飲食後の口腔内のケアーに注意してください。
    歯石とは歯垢が硬くなったものです。歯みがきでみがき残した歯垢が、唾液の中のミネラルと結合して、硬くなって出来ます。歯についた歯垢は、たった2日間で歯石になります。歯と歯ぐきの境い目や歯と歯の間にできた、それこそ石のように硬い歯石は、歯磨きだけでは取り除くことができません。
    そのまま放置すると「石」という字の通り、歯石はとても硬く、いったんついてしまった歯石は歯ブラシでは取ることが出来ません。日常の歯みがきでは完全に歯垢を除去することは困難なため、どんなに歯みがきをがんばっても、歯石は少しずつついてきます。放置すると歯石はどんどん硬く、そして増え続けます。歯石の表面はデコボコしているために、歯垢がつきやすく、細菌の温床になるばかりでなく歯肉を刺激して、歯周病の原因となったり、歯周病を悪化させます。

  • 口臭があります 原因はなんですか?

    たいていの場合、口腔衛生状態が不良なために起こります。まず、歯医者さんで歯がきれいに磨けているか、ブラッシングをしても歯茎から出血しないかどうかを調べてもらってください。また、歯以外にも舌につている汚れも口臭の原因になると言われています。多くの方は歯は磨くけれども舌までは磨く方は少ないためです。舌の汚れを落とす際の注意事項は普段使っている歯ブラシで磨くと舌の表面についている味を感じる細胞を壊してしまうので舌専用のブラシで磨くようにしてください(薬局や歯医者さんで購入できます)。
    大きな虫歯が治療されずに放置したままになっていないかどうかも確認します。虫歯の穴にプラークや食べカスが付着している場合があるからです。
    また、唾液の分泌が減少している起床時や、鼻づまりなどの原因で口呼吸し、口腔内が乾燥している場合は特に口臭が強くなります。 当院では口臭検査機器があり口臭の度合いを数値でかくにんすることが出来ます。こういったことはあまり人から指摘されづらいことです。一度、検査を受けてみることをお勧めします。

インプラントについて

一般歯科について

  • 歯科医院で撮るレントゲン写真について教えてください。

    主なものとしてはお口全体のレントゲン写真(パノラマ写真)と、小さな歯のレントゲン写真があります。パノラマ写真はお口全体の病気(歯周病など)を診たりするのに使います。また、はぐきの中にある智歯(親知らず)の状態などもよくわかり、骨の中の病気が発見できたり、顎の関節、上顎洞(鼻の横の空洞)なども診ることができますので大局的な診察を行う場合や治療計画を立てる際に有効です。
    ただ、パノラマ写真は小さな歯のレントゲン写真ほど鮮明に写らないという特性があり、特に前歯ははっきり写らない場合が多いです。ですから、小さなむし歯などは発見しにくく、実際に一本一本の歯を治療するためには、パノラマ写真と併用して小さなレントゲン写真が必要となります。

  • レントゲン撮影の影響はありますか?

    レントゲンの撮影などで浴びる放射線の量は日常生活している時に浴びている量よりかなり少なくなっていますが、放射線を浴びるのが少ないに越した事はないでしょう。歯科では診断のためレントゲンを撮影する必要が出てきます。できるだけ皆さんの負担を軽減するため、当院ではさらに従来の1/10というデジタルレントゲンを使用しています。 また、じゃぁ、実際放射線量は実際どのぐらいの量なんだという処なのですが健康診断で胸の画像を撮ることがあると思います。その画像の大体200の1以下だとお考えください。 元々、歯科における放射線量は医科に比べかなり少ないと言えます。

  • なぜ治療するのに何回も通う必要があるのですか?

    むし歯の場合見つかるのが早ければ1回~2回で詰めて終われる事が多いと思います。むし歯が進行していて神経まで感染していたりすると根の中を掃除する必要が出てきますので、回数が必要になってきます。むし歯は初期では痛みなどの症状が出にくいので、症状が出てからでは神経が悪くなっている可能性が高くなりますから、注意が必要です。歯周病の治療も同じで、歯石のつき方や歯ぐきの状態によりクリーニングの回数が変わってきますし、定期的なクリーニングの間隔も変わります。

  • 治療した歯(かぶせもの等)はまたむし歯になりますか?

    かぶせ物や詰めものの下は本物の歯ですので、再びむし歯になる可能性はあります。また、治療が必要であった歯というのは、汚れが残りやすいなどの問題が出やすい場所である事が多く、そのためかぶせ物などの人工物が入った後はより気をつけなくてはいけない場所だといえます。

  • 注射は痛いですか?

    麻酔の時の注射の痛みには、大きく分けると針を刺すときの痛みと液が入るときの痛みがあります。当院では、針を刺すときの痛みには表面麻酔を塗ったり、針のない麻酔器を使用しています。液が入るときの痛みは液の温度を体温近くに暖め、コンピュータ制御の麻酔器を使用していますので、痛みを感じません。

  • むし歯はどうしてできるのですか?

    日本人の約90%以上がむし歯にかかっています。むし歯は、歯の表面についた歯垢(プラーク:細菌のかたまり)に、むし歯をつくるミュータンス菌が住みつき、糖分を栄養にして酸を出します。この酸は歯の表面の硬いエナメル質を溶かし、その部分に穴をあけます。これがむし歯のはじまりです。むし歯は誰でもかかっているために軽くみられがちですが、再石灰化が不可能なレベルに達したむし歯は自然のままでは元には戻りません。治療を受け、それ以上進行しないようにするしか、歯を守る方法はありません。

  • 歯がしみるのですが、むし歯ですか?

    歯がしみる場合まず一つはむし歯の場合です。むし歯が出来て歯に穴が開くと、そこから神経に刺激が行くようになりしみるようになります。もう一つは歯ぐきが下がるなどして歯の根が露出してきたり、また歯がえぐれてきて神経が外に近くなることによってしみてくるような、知覚過敏というものがあります。 しみるから即むし歯というわけではありません。

  • 「歯の神経を抜く」とはどういうことですか?

    歯の中には血管や神経が入っている歯髄というものがあります。この歯髄がむし歯などで感染したり炎症を起こしてしまうと、取って歯の中の掃除が必要になってくる場合があります。これを一般的に「神経を抜く」と言っています。神経がなくなると、もしまたむし歯になった時に歯自体には痛みなどの症状が出なくなるため発見が遅くなったり、血管がなくなると、歯に栄養が行かなくなるため歯が弱くなっていき、色も黒ずんでいきます。 強い炎症や感染症などを起こしてしまっている場合には歯髄を取らざるを得ませんので、むし歯が進行する前に早めに治療することが必要だと思います。

  • なぜ「歯を抜かない」「歯を削らない」治療法が良いと言われるのでしょうか?

    皆さんが歯を失う工程で多いのは、最初虫歯ができます。直します。また、詰め物の下で虫歯が再発します。何回か繰り返していくうちに神経をとらなくてはいけない状況になります。そして、神経がなくなってしまった歯は脆くなりゆくゆくは割れたり折れたりしてしますのです。そして、歯を抜くことになるというわけです。そこで、また、抜いたまま放置します。1本2本歯が無くなっただけでは人間は食事ができる出来ないでいえばできるのです。しかし歯の本数は減っても、噛む力は変わらない。それでも負担するのは残った歯で負担をしなくてはいけないのです。そうすると、今まで健康であった歯も大きな負担に耐えられなくなり、虫歯でもないのにドミノ式のようにダメになってしますのです。この悪い循環をなくすためにも「抜かない」「削らない」というのがとても大切になってきます。

  • 神経を抜いた歯が痛いのですが。

    神経を抜く治療は歯の根っこの先で神経を切りますが、歯の周りにはまだ神経があるため、歯の周りに炎症が起こったり、化膿したりすると、歯に痛みが起こることがあります。

  • 妊娠すると虫歯になりやすいって本当でしょうか?

    妊娠中は女性ホルモンの影響を受けたり、つわりでブラッシングが不十分になったりする為に、歯肉の炎症を引き起こしやすい環境になります。基本的には口腔清掃と歯石除去により改善されます。

  • 年を取ると虫歯になりやすいのでしょうか?

    年をとると歯根が露出してくることが多くなります。歯根はやわらかいので虫歯になりやすいです。また年をとると高血圧や糖尿病になると唾液が少なくなります。唾液が少なくなると自浄作用が働か無くなり虫歯になりやすくなります。そういった意味では老人特有の虫歯と言えるかもしれません。

  • 詰め物が取れてしまいました。どうすればよいでしょうか?

    詰め物が取れた原因としては大きく分けて2つ考えられます。1つは詰め物と歯を繋げていた接着剤が弱くなり取れてしまった。この場合はそのまま、付け直せることが多いです。2つ目は中で虫歯になってしまったために取れてしまった。この場合は虫歯治療を行ったうえ、かぶせものの作り直しが必要になります。どのみち、早めに歯医者さんに行かれることをお勧めします。

  • 痛みに弱いので、治療が怖いのですか…

    当院ではそういった悩みをお持ちの方が多いです。我々は痛みが苦手な患者様にも納得してご利用いただけるよう、治療に麻酔を使用するなどできるだけ痛みに配慮した治療計画を立てています。このほか、できるだけご要望に応えたいと思っているので不安なことがありましたら、遠慮なくお申し付け下さい。

  • 親知らずが虫歯になると、治療は大変なのでしょうか?

    親不知の治療はどうしても器具が入りづらかったりするところなので治療自体が不確実なものになることが多いのが現実です。

  • 神経を抜いて困ることはないのでしょうか?

    神経を抜くと冷たいものがしみたりすることは確かになくなりますが、神経のある歯に比べると弱くなり折れたり割れたりすることが多くなります。また、時間がたってくると根の先に悪いバイ菌がたまってきて痛みを引き起こす場合があります。その場合は根の再治療になります。

小児歯科について

  • 虫歯になりやすいのですが、歯を磨く以外で予防法はないですか?

    歯磨きと虫歯は関係があります。しかし、歯磨き以外の虫歯になりやすさの原因にも影響を受けるので、歯磨きをしなくても虫歯にならない人もいれば、歯磨きをしていても虫歯になるという人もいます。歯磨きをしても虫歯になるという人は、次のことをチェックしてください。
    1.ただしくみがけているでしょうか?
    歯の真ん中ではなく、歯茎との境目や噛み合わせの溝の中など隅々まで磨くよう心掛けてください。磨き残しがないかを確認するためにプラークを赤く染めだす染色液を使うのも良いと思います。
    2.フロスを使っていますか?
    歯と歯の間のプラークはフロスでないと取れません。幼児にも使えるホルダー付のフロスもあります。フロスの使い方を歯医者さんで教えてもらってください。
    3.フッ素をりようしていますか?
    フッ素は歯質を強化し、虫歯菌の酸産生能を抑えます。フッ素入りの歯磨き粉を使用したり。定期的に歯医者さんでのフッ素塗布をお勧めします。
    4.甘いものを多く食べていませんか?
    お子さんが自分で買ってに食べていませんか?幼児期はお母様が食べる量を管理するようにしてください。どうしても甘いのを欲しがる場合にはキシリトール入りのような代替甘味料のものを食べさせるのも効果的だと思います。
    5.だらだら食べをしていませんか?
    あまり甘くない食べ物でも。だらだら食べることも問題になります。テレビを見ながら、あるいは遊びながらスナック菓子を食べ続けることは危険です。

  • 甘いものは虫歯になると聞きますが、甘いものが好きなのでどうすればよいですか?

    甘いものだけでは虫歯にならないので、寝る前にはきちんと歯を磨く、フッ素を使うなど、他のカリエスリスクとなる要因を減らし、甘いものを食べるときには、だらだら食べるのではなく、時間を決めて食べるようにしてください。また、おやつの後、歯磨きをするか、キシリトール入りのお菓子屋やガムを食べることで虫歯のリスクを抑えることができます。しかし、甘いものばかりを食べすぎると、全身の健康、発育のためにも望ましくないので、少しずつ減らしていったほうがよいと思います。

  • 乳歯の虫歯は永久歯にも影響するのでしょうか?

    たまに、「うちの子は今は虫歯だらけだけど、結局これって抜け替わっちゃう歯だから大丈夫でしょ!」という方がいます。乳歯の神経を抜いたり、歯を大きく削ることで永久歯に何か大きな障害がでることはありませんが乳歯の段階で虫歯が多いということは口腔内の細菌量が多いということになります。私の経験上、乳歯において虫歯が多くて永久歯に代わってから歯ブラシを頑張って虫歯が全然ありませんという方はみたことがありません。虫歯菌からしたら結局、乳歯が抜けても永久歯に引っ越すだけなので簡単に虫歯になってしまうのです。しかも、萌えたばかりの永久歯は大人の歯ではありますが成熟しきっていない歯なので虫歯になりやすいのです。なので、なにごとも乳歯の段階で早めに虫歯治療を行って、永久歯に代わる前に治療を終わらせておくのがよいと思います。

  • 虫歯のなりやすさは遺伝するのでしょうか?

    兄弟の上の子は虫歯が全然ないのに下の子は虫歯になってしまったという話を聞きます。兄弟間でも虫歯のなりやすさは異なります。また、一般的には下の子は、上のこと一緒に早い時期から甘いものを食べ始める場合が多いので虫歯になりやすいと言われています。

  • 寝る前に、お茶を飲ませますが夜中にむし歯になりやすいですか?

    お茶にはフッ素やポリフェノールが含まれているので、虫歯予防の一助になります。

  • 幼稚園の検診で虫歯と言われて、歯科医院に行くと、虫歯ではないといわれました。なぜ、診断がちがうのですか?

    集団検診では、照明が暗い、歯面の乾燥が十分に行えない、検診の姿勢が座位、など、診察条件が歯科医院のようによくはありません。虫歯を見落とさないように検診を行おうとすると、やむおえず質問のような結果になる場合があることをご理解いただければ幸いです。検診ではチェックを受け、歯科医院でより正確な診察を受けるという体制であることをご理解ください。また、逆の場合もあります。検診で虫歯がないと言われたのに歯科医院では虫歯あるという診断が出た。これは、もっともよくないことなので、集団検診ばかりに頼るのも問題だと思います。

  • 子供の歯ぎしりが気になる…

    歯ぎしりする子は多いです。ほとんどの場合、一時的なものなので経過観察でよいと思います。歯が削れて来て、噛むと痛い、冷みるなどの症状があれば歯科医院で見てもらったほうがよいと思います。

  • 歯磨きを嫌がるので、しっかり磨けません。どうすれば良いのでしょうか?

    まず、ご両親様の歯磨きの技術の向上を図ってください。力が入りすぎて、歯肉に強く当ててしまっていないか、歯ブラシを持っちない方の手に力が入りすぎてないかなどを確認して下さい。次は、悲痛な義務感から歯磨きをさせるのではなく、楽しい雰囲気つくりを考えましょう。まず、ご両親様達が歯磨きを楽しそうにして、そして、夫婦や兄弟で、楽しそうに、寝かせ磨きごっこをするのもよいかもしれません。楽しそうにしていれば、子供は必ず参加してきます。急に、完璧な歯磨きを望むのではなく、部分的にできれば褒めてあげるなどを繰り返し、ゆっくり日課として習慣化していくようにしてください。上手くいかないときは、歯磨き以外の点に気をつけてカリエスリスクを下げるようにしながらゆっくり進めてください。

  • 乳歯のときの歯ブラシはどんなものが良いのでしょうか?

    ブラシの部分が小さめで、毛の硬さがふつう~硬めの歯ブラシを選ぶようにしてください。毛先が広がったら交換してください。1か月に1度が目安です。また、清潔に保つことも大切です。

  • 歯磨き剤はどのようなものを使った方がよいでしょうか?

    特に使わなくてもよろしいかと思います。フッ素のジェルが市販されていましたのでわたしは自分の子供には仕上げ磨きの時に使っていました。

  • キシリトールガムは虫歯の予防になるのでしょうか?

    なると言えばなりますが虫歯の予防には食生活と歯磨きの習慣の影響が大きいと思います。キシリトールガムを噛めば虫歯にならない、なんてことはありません。

  • 親子で一緒に治療を受けたいのですが、可能でしょうか?

    可能です。

  • 子どもの歯の生え始めに虫歯菌が母親から感染すると聞きましたが本当ですか?

    虫歯は感染症であるため、母親に限らずカリエスリスクの高い養育者が同じスプーンを使ったり、口移しで与えたりすることが習慣的に行われると感染すると言われています。

  • いつ歯磨きをすればよいですか?

    毎食後なるべく早く磨くのが理想的ではありますが、なかなか難しいと思われます。寝ている間は唾液の分泌が少なくなり虫歯になりやすいので、寝る前の歯磨きが最も重要です。

  • 歯磨きは何歳から始めるものですか?何本生えたらするのですか?

    1本でも生えてきたら歯磨きを始めましょう。初めのうちは嫌がらない程度でかまいませんので、1歳6ケ月ぐらいまでに徐々に慣らしていくようにしましょう。

  • 仕上げ磨きは何歳までするのがよいでしょうか?

    原則として6歳臼歯の萌出が完了するまで、およそ小学校の1,2年生まで仕上げ磨きは必要です。6歳臼歯の咬合面(噛み合わせる部分)をしっかり磨くことが大切です。

  • ぶくぶくうがいが上手にできず水を飲んでしまいます。どのように教えればよいですか?

    ぶくぶくうがいができるようになるのはだいたい3歳くらいでしょう。そのうちできるようになると思われますので、できるようになるまでゆっくりと待っていいと思います。

  • 最初はどんな歯ブラシがよいのでしょうか?

    ブラシの部分が小さめで、毛の硬さがふつう~硬めの歯ブラシを選ぶようにしてください。毛先が広がったら交換してください。

  • 歯磨剤は何歳から使うべきですか?

    ぶくぶくうがいができるようになってからがよいでしょう。3歳ごろからが目安になります。

  • どれくらいの量の歯磨剤を歯ブラシにつけたらよいですか?

    植毛部の1/4~1/3程度でしょう。歯磨剤によっては歯ブラシ全体につけるように説明しているものもありますが、少量でよいと思われます。

  • フロスは使ったほうがよいですか?

    ぜひ使ってください。とくに乳臼歯の間、乳臼歯と6歳臼歯との間は必ずフロスをしてください。歯ブラシだけでは歯と歯の間のプラークが取れず、歯と歯の間から虫歯になってしまいます。

  • フッ素は歯によいの?

    もちろんです。虫歯予防にとても貢献してくれます。100%プラークを取り除くことは不可能ですので不完全な部分をフッ素に助けてもらいましょう。

  • 虫歯の治療で金属の詰め物をしてもらいましたが、永久歯の生え変わりに問題はありませんか?

    金属の詰め物そのものが生え変わりに影響を及ぼすことはありません。

フッ素について

キシリトールについて

外傷について

妊婦治療について

  • 妊娠中ですが、歯科治療はできますか?いつごろがよいですか?

    妊娠中でも歯科治療はできますが原則として応急処置以外の処置は行わないようにしています。必要であれば、妊娠中期(安定期)に治療を受けるのがよいでしょう。歯のエックス線撮影では、防護衣着用により放射線の被爆量がほとんどありません。また、麻酔についても、麻酔薬の量が極めて少ないため、影響はないと思われます。妊娠期にやむを得ず投薬する場合は、安全性の高いものを選択しています。

  • 妊娠中に歯肉から出血するのは仕方ないと言われました。我慢するしかないのですか?

    妊娠中は女性ホルモンの影響を受けたり、つわりでブラッシングが不十分になったりするため、歯肉の炎症を引き起こしやすい環境になります。基本的には、口腔清掃と歯石除去により改善されますので、歯科医院を受診してください。また妊娠中の歯科検診については、一度は受けるようにしてください。

  • 妊娠前に親知らずは抜いておくほうがよいですか?

    生えている位置、向き、噛み合わせなどの状態により、抜歯が必要かどうか判断します。歯髄炎になりそうなう蝕に罹患していたり、智歯周囲炎の既往があったりする場合は妊娠期に痛みが出る可能性があるので、歯を抜いておく方が望ましいでしょう。

  • 歯周病になると早産になりやすいのですか?低体重の子どもが生まれやすいのですか?

    妊娠中の女性のうち、歯周病の人は、そうでない人に比べて低体重児を早産する確率が高くなるという報告があります。歯周病菌が子宮の収縮に間接的に働きかけ、その結果として子宮頚部が拡張し早産となると考えられています。

  • 妊娠中の水分補給として、砂糖なしのレモン水は虫歯になりやすいですか?また、酸に相当しますか?

    レモンなどの果物の中には、クエン酸を多く含んでいるものがあります。レモン果汁を過剰に摂取すると、酸によってプラークのpHを低下させるようになります。しかし、適量であれば、唾液の分泌を促進し、かえってプラークのpHを低下しにくくします。レモン水程度の濃度ならば、特に問題ないと思います。

  • 妊娠中にカルシウムをたくさん摂ると子どもの歯も強くなりますか?

    カルシウムをたくさん摂ったからといって、歯がとくに丈夫になるということはないようです。歯の栄養のためには、カルシウムだけでなく、タンパク質、リン、ビタミンA、C、Dの栄養素を含む食品をバランスよく摂ることが大切です。ちなみに、妊娠中に必要なカルシウムの所要量は1日1000㎎程度とされています。しかし、他の栄養素に比べて極端にカルシウムを多く摂りすぎた場合、ミネラルバランスが崩れて貧血になりやすくなる可能性も出てきますので、バランスが大事になると思います。

  • 妊娠すると歯が弱くなると聞きましたが、本当ですか?どうしたらよいですか?

    妊娠したからといって、歯が弱くなることはありません。ただし、妊娠による唾液性状やホルモンバランスの変化、つわりや不規則な食事により、虫歯になりやすく、歯肉の炎症を引き起こしやすくなります。丁寧に口腔清掃をする、甘いものを控える、摂食回数を減らすなどして、できる限り口腔内を清潔に保つことが重要です。

  • つわりがひどくて歯ブラシを口にすることができません。何か良い方法はありませんか?

    小さめの歯ブラシに替える、また歯磨剤の種類を変えるなどしてみてください。それでも無理ならこまめにうがいをするようにしてください。つわりは2、3か月で終わりますので、その期間はあまり神経質にならず、調子の良い時に磨く程度でよいと思います。

  • 顎関節症は出産に影響ありますか?

    顎関節症に罹患しているからといって、出産に悪影響はありません。しかし、周産期には靭帯がゆるむこと、分娩時のくいしばりのため、顎関節症の既往がある場合は出産によって顎関節に悪影響を及ぼすことがあります。

授乳期における治療について

悪習慣について

  • 指しゃぶりはいけないのでしょうか?いつまでにやめさせればよいのでしょうか?

    指しゃぶりは生理的な現象と言われています。胎児が母親のお腹の中で指しゃぶりをしていることはよく知られています。しかし、いつまでも続けていると歯並びに悪影響が出てきます。では、いつまでにやめればよいのでしょうか?平均的には3歳までにやめれば大丈夫でしょうと言われています。しかし、実際は5、6歳まで指しゃぶりをしていても、歯並びに影響が出ない子もいれば、3歳にはやめたのに影響が出てしまう子もいます。単に指しゃぶりといっても、なめる程度の子から、1歳ですでに歯列の形を変えてしまう程強く吸っている子もいますし、指が入らなくなったかわりに、舌や、唇を入れる癖が残ってしまうこともあるからです。簡単にやめられるようであれば、早めにやめせておいた方が無難だと言えるでしょう。

  • 指しゃぶりをやめさせる方法は?無理にやめさせると悪影響がでませんか?

    3歳を過ぎてもやめない場合は、そろそろ積極的に取り組んでみましょう。まずは、子どもに理解させることが大切です。絵本にも出ていますので、利用させるといいでしょう。(ゆびしゃぶり やめられるかな 三輪康子ほか著、わかば出版)。精神的な不安を解消するために吸っているのでしょうから、指しゃぶりをとがめるのではなく、指しゃぶりをしなければ誉めてあげたり、励ますという基本姿勢で取り組んでください。厳しく叱ったり、とがめたりすると、隠れてしゃぶるようになり、かえって精神的に不安定になるかもしれません。あくまでも、優しくわからせて自分からやめようという気持ちを引き出してあげてください。母親の工夫で楽しい雰囲気の中で。 例)・指しゃぶりをしないで1日過ごせた時はカレンダーにシールを貼って子どもと一緒に大喜びして誉める。
    ・寝るときには手をつないであげる。
    ・指人形をつけて、「お口に入ってこないでね」とお願いする。
    試みて無理だった場合は、子どもの精神面を大切にして、いったん休憩したほうがよい場合もあるでしょう。その子にあった対応が望まれます。

  • 指しゃぶりは歯並びに影響が出ますか?

    指しゃぶりの歯並びへの影響は、上の前歯が出る(出っ歯)、上下の前歯が合わない(開咬)、奥歯の噛み合わせが上下逆になる(臼歯部交叉咬合)などがあります。歯並びが心配になった場合、思春期成長期を過ぎてしまうと治療が難しくなりますので、6、7歳で矯正相談を受けてください。

  • おしゃぶりを与えるとしたらいつ頃からがよいのでしょうか?

    おしゃぶりが鼻呼吸やアトピーの予防によいとも言われているようですが、現時点では科学的証明はなされていません。その一方で、2歳を過ぎてもおしゃぶりをしている子どもたちに、指しゃぶり同様の歯列不正の発現率が高くなるという研究結果が出ています。やめられなくなって困るということもあるようですので、歯科医の立場からはお勧めしません。しかし、子どもが公共の場で泣いて困った時におしゃぶりがその子の母親を救ってくれる場合は別かもしれません。使うならば、短時間に上手に使ってください。

口呼吸について

  • いつも口をポカンと開けていますが今後、悪影響が出ることがあるのですか?

    慢性的な鼻炎などで鼻づまりがあり、口呼吸しなければならない場合もあるでしょうが、鼻づまりが治った後も、口呼吸の方が楽であるために、そのまま癖になってしまっているお子様をよく見かけます。鼻に新鮮な空気が送られなくなる為に、口呼吸がますます鼻の通りを悪くするという悪循環が生じます。子どもには、口を開けているのが当たり前ではなく、閉じて鼻呼吸することが正しいことだと教えてあげてください。口うるさくならないよう、部屋のあちらこちらの目につくところに、子ども自身が書いた唇の絵を貼っておくのもよいかもしれません。
    口腔内の影響としては
    1.前歯部に歯肉炎が生じます
    2.前歯が乾燥して唾液の虫歯予防作用が得られないために前歯だけに虫歯ができやすくなります。
    3.口唇は前歯が出てくるのを防いでいるので、出っ歯になる一つの要因になります。
    4.舌の位置が低くなることにより顎の成長発育に悪い影響を及ぼすこともあります。

咀嚼 摂食 嚥下について

解剖学的問題について

  • 癒合歯は虫歯になりやすいと聞きましたが本当ですか?

    癒合歯は、2本の歯がひっついてる状態です。2本が合わさっている部分は溝になっているこたが多く、その部分は虫歯になりやすいので、よく磨いてください。溝が深い場合は、予防充填が望ましい場合もありますのでご相談ください。癒合歯の下に永久歯が2本ある場合と1本しかない場合があります。1本しかない場合は歯の本数が合わなくな歯並びが崩れる原因となりますので、矯正相談適正時期に相談を受けてください。

  • 産まれた時から歯が変えていましたが異常でしょうか?どんなケアをすればよいですか?

    異常ではありません。舌を傷つけていたり哺乳の妨げになるようでしたら、歯の先を丸く削ります。

  • 歯は何か月で生え始めますか?

    生後6カ月から1年で下のA(前歯)から萌出するとされています。

  • 上唇小帯が大きいと言われましたが、何歳まで様子をみたらよいですか?

    上唇小帯が歯の近くまで付着している場合は、上の前歯の隙間が閉じない状態(正中離開)の原因になることがあります。どうしても必要と判断された場合は小帯形成術を行いますが、正中離開には他の原因もあり小帯切除だけでは改善されない場合もあります。必要性の頻度は低いので、あまり心配しなくてもよいと思われますが、気になる場合は処置を行うかどうかをかかりつけ医または矯正医に相談してみてください。手術は一部の一般歯科もしくは口腔外科が行います。上唇小帯が大きい場合、上の前歯を磨くときには、上唇をしっかり持ち上げて磨いてください。

  • 舌小帯が短いようですが、手術した方がよいですか?するとしたらいつ頃がいいですか?

    「哺乳のために短い舌小帯を切った方が良いということを聞いたことがありますが、切った方がよいですか?」という質問をよく受けます。歯科医学的には一般的ではありません。機能障害が明らかな場合は、切除を行いますが、乳児期の不確実な切除で、かえって発育障害を起こした症例の報告もあり、急ぐ必要はないと思われます。また、小帯が短い場合は問題ないと思われます。

  • 舌がよく荒れます。何か栄養がたりないのですか?

    子供の舌がよく荒れるということはまれだと思いますが、ビタミンB1 B2 B6が不足した場合、舌が荒れると言われています。

  • 子どもの舌も磨いた方がよいのですか?

    特に必要はないと思われます。

  • 他の子より舌が長いようですが、問題はありますか?

    本当に長かったり大きかったりすることはごくまれです。舌の位置や使い方の癖で長く見えていると思われます。歯並びに影響を与えているようなら相談してください。

  • 矯正はいつから始めたらよいのですか?

    まず、指しゃぶりや口呼吸、片側噛みなどの悪習癖があればやめるように心がけ、なければ遺伝的な要素が大きいと思われるので、あまり心配せずに毎日の食事を楽しくしっかり噛んで食べることに留意して、矯正相談適正時期に相談してください。

審美歯科について

  • 歯の着色が気になります。放置しても虫歯になりませんか?

    歯の色が気になる場合にはいろいろあります。主な原因としては
    1.食品用色素やお茶などの歯の表面からの外因性の着色。
    2.歯の神経が死んでしまっていることによる内因性のもの
    3.歯の形成不全
    4.虫歯
    等が挙げられます。
    1.の場合は、気になるようであれば歯科医院で一度きれいにしてもらいましょう。一度ついてしまった汚れは歯ブラシでとるのは難しいでしょう口呼吸をしていると着色しやすいので、唇を閉じるようにしましょう。
    2.の場合は歯科医院での治療が必要です。
    3.は永久歯ができつつある乳幼児期に、体調が悪かったなどの理由で十分に歯が形成されない時に起こります。気になるようであれば一度歯科医院へご相談ください。

  • ラミネートベニアは誰でもできるのでしょうか?

    歯の変色の度合いやかみ合わせによっては適用でないこともあります。一度ご相談ください。

  • ハイブリッド、オールセラミック、ジルコニアなどのメリット・デメリットを教えてください。

    ハイブリッドはプラスチックとセラミックの混ぜ物で、安価に白く出来るのですが逆を言えばプラスチックとセラミックの悪いとこ取りでもありますのでシエル歯科では扱っていません。オールセラミックは光が透過するので自分の歯と色がなじみやすいですがメタルボンドに比べると割れやすいともいえます。

小児矯正について

小児矯正の考え方

歯並びへの関心は年々高まっているように感じられます。幼児期では悪習癖が原因となる不正咬合に関する知識を伝え、なるべく矯正治療を受ける必要がなくなるように指導することが望まれます。
また、遺伝的要因である場合には、幼児期には心配せずに、矯正相談適正時期に相談をうけるよう指導します。
また、第1期治療を適切な治療時期に受けることで、不正の状態の悪化を防ぐことができる場合が多いので、永久歯に生え変わるのを待つのではなく、矯正相談適正時期に必ず受けることをお勧めします。

第1期治療 (早期治療)

小学校低学年の思春期成長前に行う治療。成長とともに状態を悪化させる要素を取り除き、そのあとの成長発育ができるだけ正常に近くなるように軌道修正することを大きな目的にしています。 1.2年の治療の後、生え変わりや成長の様子を経過観察し、永久歯が萌出し、成長が終了するころ、第2期治療へ移行していきます。

第2期治療 (仕上げ治療)

成長終了後、永久歯列に生え変わってから行う治療。上下すべての歯にブラケットを装着し、完全な咬合に仕上げる治療。初診時が成長終了後である場合は、初めから第2期治療となる。成長発育が終了しているためその後の変化は小さいので、不正咬合による顎関節などへの悪影響がなければ開始時期はいつで良いと思います。

矯正相談適正時期

年齢でいえば6,7歳のころ、萌出状態でいえば下前歯4本が生えた頃が良いと思います。
お子様の場合、個人差もあるので3カ月に1回ぐらいは定期的に確認を行い、適正時期を見極めるといいと思います。逆に、開始が遅くなり、思春期成長期にさしかかってしまうと、成長発育のコントロールが難しくなるために、抜歯が必要になったり、難しいケースになってしまうことがあるので早めの相談をお勧めします。

  • 3歳6カ月です。歯並びが気になります。だいじょうぶですか?

    まず、指しゃぶりや口呼吸、変則かみなどの悪習癖があればやめるように心がけ、なければ遺伝的な要素が大きいため、あまり心配せずに毎日の食事を楽しくしっかり噛んで食べることに留意して、適正時期に相談してください。骨格的に異常がみられる場合は矯正治療を早めに相談することをお勧めしますが、それでも5歳以降で良いと思います。

  • 乳歯列の受け口(反対咬合)は放置してよいの?

    永久歯への交換時期(6歳ごろ)に自然治癒する場合もあるのでそれまでは様子を見てください。しかし、生え変わった後も、反対咬合であれば、すぐに治療開始することをお勧めします。

  • オープンバイト(開咬)ですがわるいことですか?

    下記のような問題が考えられますので一度、矯正相談を受けてください。
    ・前歯でものが噛めない
    ・口呼吸の原因となる
    ・奥歯だけに負担がかかるので早く動揺を起こし始めるなど奥歯に問題が起こりやすくなる。
    ・顎関節にも負担がかかりやすくなるので顎関節症の原因となる場合もある
    オープンバイトは舌や口唇を上下前歯の間にはさむという癖が関係していることが多いのでオープンバイトの程度は毎日の癖によりますます悪化することが予想されます。

  • 歯並びの悪さは遺伝しますか?

    歯の形 大きさ 数 顎の大きさ 形は概ね遺伝することが多いと言われています。

その他