• ホーム
  • ブログ
  • 痛みがないので治療の必要はないように感じるのですが、 歯周病はどうなった時が治療のタイミングですか?

痛みがないので治療の必要はないように感じるのですが、 歯周病はどうなった時が治療のタイミングですか?

虫歯はすぐに治療しようと思っても、歯周病の治療には消極的だという人がたくさんいます。
その理由として考えられるのが、歯周病には自覚症状がないことです。
虫歯のように“痛い”や“しみる”といった苦痛がないため、どうしても軽視されてしまうのです。
しかし、歯周病においても早期治療は大切なことですし、放置すると大きな症状を招いてしまうのです。

1. 歯周病は進行する

まず知っておかなければならないのが、歯周病は進行するということです。
確かに、今は痛みがないかもしれません。しかしそれは、あくまで現時点という意味になります。
治療しなければ歯周病はさらに進行しますし、そうなると今とは全く違った症状に襲われます。

まず、進行することで歯と歯肉の隙間が広がり、やがて歯がグラつくほど不安的な状態になるのです。
さらに酷くなるとグラつきも大きくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。
実際に日本人が歯を失う要因は、この歯周病で失うというケースが最も多いのです。

2. 進行するほど治療も大掛かりになる

初期の歯周病なら治療も容易ですし、患者さんも大きな負担になりません。
具体的に言うと、患者さん自身でプラークコントロールするための指導、
さらには口内のプラークや歯石を完全に除去するクリーニングを行い、これだけで治ります。
一方、重度の歯周病になるとそう簡単にはいきません。

初期の治療に加えて、抜歯や歯周外科手術が必要になることもあるのです。
こうした治療への怖さや緊張、さらに現実的なことを言ってしまえば治療が大掛かりになる分、
それだけ治療費や治療期間も患者さんにとって大きな負担になってしまいます。

3. 歯周病は自覚症状がない

冒頭で説明したように、歯周病には分かりやすい自覚症状がありません。
このため、痛くないからといって症状が軽いとは限らないのです。
歯周病に自覚症状があった時は、既に相当進行してしまっている状態です。

このように、自覚症状から進行度を判断できないのが歯周病の厄介なところです。
例え痛くないとしても歯周病が発覚した以上、その時点で治療しなければなりません。
もし治療しなければ、後に後悔するのは何より自分自身なのです。

4. 歯周病は人にうつる

歯周病は細菌の感染によって引き起こされる病気のため、人にうつります。
具体的には唾液を通じて感染するため、食器の共用やキスでうつりますし、
それらの行動を考えると、大切な家族や恋人にうつしてしまうリスクが生じることが分かります。

つまり、歯周病を治療することは自分のためだけではないのです。
家族や恋人にうつさないためにも、歯周病が発覚したらすぐに治療してください。
特に、妊娠した女性にうつってしまうと胎児にも悪影響が出て早産などを招いてしまいます。

5. 治療しないと治らない

いくら痛くなくて何も支障がないとは言え、治療しない限り歯周病は治りません。
と言うよりも、放置してしまえばより酷くなる一方です。
正確に言えば、初期の段階なら口内の細菌を全て除去できれば治るのです。

しかし、それには完全なプラークコントロールが必要ですし、
ブラッシングだけで全てのプラークを完全に除去することはまず不可能です。
さらに歯石が存在する場合、石灰である歯石はブラッシングでは除去できず、
歯科医のクリーニングで除去しない限り歯周病を悪化させ続けるのです。

6. 早期治療が基本

これは歯周病に限ったことではなく、全ての病気において早期治療が基本です。
しかし、“痛くないから治療の必要がない”と考えてしまう以上、それを実現するのは不可能です。
そもそも、病気において自覚症状が出るのは既にある程度進行している証なのです。

これは、寒気がした時に熱を計ったら既に38度あったのと同じです。
熱が出た瞬間には寒気などの自覚症状がないため、気付いた時には高熱になってしまっているわけです。
だからこそ、痛みがなくても歯周病に気付いた時点ですぐ歯科医院に行き、早期治療を行うべきです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療のタイミングはいつがいいのかについてまとめます。

  1. 歯周病は進行する :歯周病が進行すると、やがて歯がグラついて抜け落ちてしまう
  2. 進行するほど治療も大掛かりになる :進行してから治療すると、それだけ治療も大掛かりになる
  3. 歯周病は自覚症状がない :歯周病は元々自覚症状がないので、痛くないからといって放置は厳禁
  4. 歯周病は人にうつる :唾液を通じて人にうつるため、治療しないのは家族や恋人にもリスクを与える
  5. 治療しないと治らない :そもそも治療しなければ治らない。放置すれば進行する一方
  6. 早期治療が基本 :歯周病に限らず、病気の全てにおいて早期治療は大切なこと

これら6つのことから、歯周病の治療のタイミングはいつがいいのか分かります。
タイミングという言葉で回答するなら、歯周病に気付いたその時が治療のタイミングになります。
例え痛みがなくても歯周病に気付いたなら、その時点でできるだけ早く歯科医院で治療を受けてください。
自覚症状のない歯周病は進行も分かりづらいため、治療を放置すると歯を失うリスクを高めます。