ホワイトニングはどうやって歯を白くするのですか?

ホワイトニングは歯を白くするための治療ですが、当然白く塗るわけではありません。
変色した歯をどうやって白くするのか、その方法が気になる人も多いと思います。
そこで、実際にホワイトニングではどうやって歯を白くしているのか、その仕組みを解説していきます。
キーワードは、“白くなる”のではなくて“白く見せている”のです。

薬剤の効果

ホワイトニング剤の主成分となるのは、過酸化水素や過酸化尿素です。
これらは一定の温度になると、水と酸素に分解されるという効果を持っています。
口内でこうして分解された際、酸素によってエナメル質の色素が無色透明に変化します。
ちなみに、歯が変色しているのはその奥にある象牙質の変色が原因です。

このため、例えエナメル質が無色透明になったところで、変色した象牙質の色までは変わりません。
しかし、エナメル質はこの時、無色透明になるだけでなく構造変化も起こします。
その構造変化がマスキングの役割を果たし、変色した象牙質を見えなくさせてしまうのです。
つまり、構造変化したエナメル質で変色した象牙質をマスキングし、歯を白く見せているのです。

分かりやすい例え

エナメル質の構造変化が象牙質の変色を隠して白く見せる、これがホワイトニングの仕組みです。
これを一つ、身近なものに例えて分かりやすく解説していきます。自宅の浴室にある窓を想像してください。
こうした窓が普通のガラスなら、当然入浴している姿が丸見えになってしまいます。
そこで、同じガラスでも入浴姿が見えないよう、普通は曇りガラスを使用しています。

そうすれば、例え入浴していることは分かっても、曇りガラスの効果で身体が見えることはありません。
これはホワイトニングの仕組みと非常によく似ており、この場合、入浴している人間が象牙質で、
曇りガラスが構造変化したエナメル質に例えることができます。
変色した象牙質を見せないために、エナメル質を曇りガラスに構造変化させて対処しているわけです。

効果は永久ではない

歯は自己修復する力を持っており、これがホワイトニングの後戻りに関わっています。
ホワイトニング剤によってエナメル質が構造変化し、それによって歯の変色を見えなくさせています。
エナメル質が構造変化したということは、エナメル質が本来の形を失ったことにもなります。
ここでエナメル質に働くのが、歯が持っている自己修復の力です。

本来の形から構造変化したエナメル質は、時間を掛けて元の形、いわゆる元の構造に戻ろうとします。
すぐには元に戻らないものの、長い時間を掛けて最終的には必ず元の構造に戻ります。
一方、ホワイトニングはエナメル質が構造変化しているからこそ効果があるわけで、
いずれその構造が元に戻ってしまうことで、同時に歯を白く見せる効果も失われてしまうのです。

歯を白く見せている

上記までの説明で分かるとおり、ホワイトニングは“歯を白くする”のではなく“白く見せている”のです。
エナメル質という名前の曇りガラスで象牙質を見えなくさせることで、
結果的に象牙質の変色を隠し、白い見た目を作りだすことができるのです。
最も、これはエナメル質が構造変化したからこそできることで、それはホワイトニング剤の効果です。

逆に言えば、ホワイトニング剤の効果がなければ、こうして歯を白く見せることは不可能なわけです。
ちなみに、市販のホワイトニング歯磨き粉は、全く別物だと聞いたことがあると思います。
それは、市販の歯磨き粉には歯科医院で行うホワイトニング剤の成分が含まれていないからです。
成分が含まれていない以上、エナメル質の構造変化は起こらず、歯を白く見せる効果を得られないのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングはどうやって歯を白くしているのかについてまとめます。

  1. 薬剤の効果 :過酸化水素や過酸化尿素が分解され、その影響でエナメル質を構造変化させている
  2. 分かりやすい例え :上記に説明は、エナメル質を曇りガラス、象牙質を浴室に例えると分かりやすい
  3. 効果は永久ではない :エナメル質は自己修復で元の形に戻る。そうするとホワイトニングの効果も消える
  4. 歯を白く見せている :仕組みから分かるとおり、実際には“歯を白くする”のではなく“白く見せている”

これら4つのことから、ホワイトニングはどうやって歯を白くしているのかが分かります。
白くするための仕組みはエナメル質の構造変化がポイントであり、これが象牙質をマスキングするからです。
最も、ホワイトニングの仕組みはこのとおりですが、実際の治療方法には種類があります。

歯科医院で行うオフィスホワイトニング、自宅で自身の手で行うホームホワイトニング、
この両方の手段を用いたデュアルホワイトニング、治療方法はこの三種類になります。
どれも解説した方法で白くできるため、後はそれぞれのメリットやデメリットを考慮して方法を選んでください。